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体力測定を終えた後少しの間二人が話していると勢いよく扉が開きドクターが入って来る。
「分解終わったでー!あら。アダムさんも体力測定プログラム終わってたんや?もう少しかかるかと思ってたんやけど丁度よかったわ。いくらぐらいになったか知りたいやろ?」
破壊したロボットの分解を頼みはしたがそれがどれ程の値段になるのかアダムには予想すら出来なかったが早く結果を告げたくてウズウズしている様なドクターの態度からそう悪い結果にはならないだろうと推察することは出来る。
「そりゃ知りたいに決まってるだろう。こっちは武器もダメにしてるからし色々入用だからな。」
「それやったら喜んでもらえるかもしれんなぁ。」
ドクターは口角を上げ勿体つけたように話していたが、その様子に耐えられなかったのかシンディが一つ頭をはたきその先を促す。
「ほら、私達だって暇じゃ無いんだからあんたの暇つぶしに長々とは付き合えないんだよ。分かったらさっさと結果を言いなって。」
「いたーい!人類の至宝とも呼ばれた頭を叩かんといてーや。もしウチがアホになったら大損失やねんで!?」
「そう言うならさっさと結果を話せばいいでしょうに。」
「コミュニケーションの一環やん!ここにはお客はこーへんし、たまの来客ぐらい楽しくおしゃべりしてもええやんか。」
「それは今じゃ無くても出来るでしょうがっ!アダムさんも待ってるんだからさっさと結果を教えな!」
口を尖らせながらもドクターはシンディとじゃれ合っていたが止めの一撃にチョップを食らい小さな悲鳴を上げる。
「ウチみたいな頭脳労働者にすーぐ手を上げるんやから野蛮やわぁ。アダムさんも気ぃつけや。」
チョップを食らった頭をさすりながら減らず口を叩くドクターだったがシンディからの強い視線を受けると、身じろぎをする。
「怖いおねーさんがおるからお喋りはこれぐらいにして本題に入ろか。今日持ってきてくれたロボットやねんけどコア部分の損傷があったり両断されてたりと見た目通りに中々酷い状況ではあってんけど天才美人研究者であるこのカラスマ イロハが力を尽くした結果なんと!」
そこで言葉を区切ったドクターはたっぷりと間を取ると二人の顔を交互に眺める。どれぐらいの値段が付くのか気にするアダムは真剣な表情で待っていたが、まだふざけるのかとでも言いたげなシンディは少し苛立ちを覗かせていた。その手がいつこちらに動いて来てもおかしく無いと判断してドクターは言葉を続ける。
「五万クレジット相当のパーツを分解する事に成功したでー!」
腰に手を当てふんぞり返るように発せられたその言葉に部屋には感嘆の声が漏れる。二人のその反応にドクターは満足したのか笑みを浮かべている。
「戦前の暴走した機械だと言うが一機でそんな金額になるとは思っていなかったな。」
「これでも安い方やで?損傷大きかったし並の技術者じゃあこうはいかんから感謝してや。」
「この金額で安い方なのか?そりゃまた随分な夢のある話だな。」
「例えばこのロボットでも完全な状態やったら数倍ぐらいの値段にはなるやろうし余裕があれば暴走機械はなるべく損傷させずに倒すのがええで。」
「そんな事が可能なのか?俺が戦った感覚ではそんな事する余裕は無いと思うんだが?」
条件を満たせばアダムの防御すら抜ける攻撃力に硬い装甲を兼ね備えたロボットはそう容易い相手とも思えなかったがドクターの口振りからすれば何か対抗策がある様に聞こえる。
「あー、アダムさんこの娘の言う事は気にしなくていいよ。どうせ対象をハッキングして持って帰って来るとか言い出すから。一般人の私達には到底実現不可能な夢物語だよ。」
「ハッキング?」
新たに出て来た単語に?マークを飛ばすアダムだったが、すぐにドクターが解説を始める。
「簡単に言うと敵のロボットを乗っ取ってこっちの支配下にするって感じやで。ロボットを掌握してる大元のコントロール端末をハッキング出来たら簡単に無力化できるねん結構おススメやで。」
「話を聞くだけなら大儲けできそうな話だが何か大事な事が抜け落ちてそうだな。」
「コントロール端末をハッキングするにはその無力化する予定の暴走機械達が徘徊してる場所をバレずに探索して大元にたどり着かないといけないし。奇跡が起こってたどり着けたとしても当時の技術をハッキングして支配下における様な人間は一握りしかいやしないんだから聞くだけ無駄だよ。」
「なるほど、俺には縁の無さそうな話だったか。まぁ頭の片隅には入れておくか。」
荒唐無稽な夢物語は置いておいてなるべく損傷少なく無力化するというのは今後暴走機械と出会った時に覚えておいても損は無いだろう。
「ちぇっ。ウチならハッキング出来ると思うねんけどなー。」
「ハッキングは出来るかもしれないけどアンタこの家に引き籠ってるだけなんだから探索に出る事なんて出来ないでしょ。夢物語を話す前に外に出るのが先でしょ。」
その辛辣な言葉にドクターはシンディに掴みかかると再びじゃれ合い始める。その賑やかな様子を眺めながらアダムはクレジットの使い道を考え始めていた。




