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「多分この辺りだと思うんだがな。」
そう呟くアダムが手に持った端末のマップによると今アダムが居る場所からそう遠くない所にマークされている地点が表示されている。外周に位置していは居たがジャンクタウンからはかなり離れていてここに来るまでの間に時間を浪費しており、既に日は傾き始めてはいるが、どうやら最初の調査地点を調べる事は出来そうだった。周辺を探るようにキョロキョロと辺りを見回してみるが外周である事もあり、積みあがるゴミの量もさほどではなく視界が悪いわけでも無かった。
(いくら新人であってもこれだけ見晴らしがよければミュータントの姿確認できるだろうしそれほど被害が出るとは思えんが。)
疑問に思いながらもそのまま進んで行くと、シンディが言っていた様に他のスカベンジャーが建てたらしい看板を見つける。ジャンクヤードに転がるゴミを集めて作られていたその看板には‶危険近づくな"とだけ記されていた。人が通った事によりできた道を塞ぐようにして建てられおり、これ以上の犠牲者を出すまいという思いが伝わってくる。その先も道は続いているが、丁度少し行った先に視界を塞ぐようにゴミの小山がありその先を伺い知る事は出来ない。
(看板まで建てられるとあからさまに怪しいと分かるが、これが無ければ普通に探索して犠牲になる物が出てもおかしくないな。さて、この先に一体何が待ってるのか・・・)
看板の脇をすり抜けるようにして先に進んで行き小山の影となって確認できなくなっていた辺りまで行くがここを訪れた犠牲者の痕跡のような物は全く見られない。
(特に変わったところは見られないな、調査が必要な範囲はどれぐらいかは分からんがとにかく進んでみるしかないか。)
その後も見落とす物が無いように注意深く辺りを探索して見たがここを訪れ犠牲になったスカベンジャーの所持品の一つすら見つけることが出来なかった。その事に違和感を覚えたアダムは積みあがるゴミの上に腰掛けると考え込む。
(シンディの言う事を信じるなら最近この辺りにスカベンジャーが立ち入った事は無いはずだ、それならここで犠牲になったスカベンジャーの使っていた物が何も見つからないってのはどういうことだ?積みあがってるゴミの量だって外周だから膝下程度でしかない。見落とすことなんて無いと思うんだがな。ここで何が起こったんだ?)
その疑問に答える者は勿論おらず時刻は夕暮れ時を迎えようとしている。謎は残るが一旦切り上げて戻ったほうがいいだろう。そう考えて立ち上がろうとした拍子に座っていたゴミ山の表面が崩れ落ちる。
「うん?なんだこれは。」
表面が崩れ落ちた事によって現れた部分から何やら今までの探索では見た事の無い箱状の物を見つける。およそ10㎝程の大きさで殆どが黒色で一部に赤いグラデーションが入っていた。どういった材質の物かは分からなかったが手に持つと見た目以上に重く、さらにかなりの硬さを誇っていた。
「良く分からんがめぼしい物はこれしか見つからなかったしとりあえず持って帰ってみるとしよう。同じように表面のゴミをどかせば他の場所でも見つかるかもしれないな帰り道で確かめてみるか。」
そう呟くと手に持った箱を自らの背負ったバックパックにしまい込み来た道を戻っていく。帰りの道中で何度か表面のゴミをどかしてみたがそのたびに同じような箱状の物が幾つか見つかった。どれもアダムが見つけた物と同じような大きさだったので撮影するだけに留めたが、唯一小山の麓を崩して出て来た箱だけは30㎝程の大きさをしていてグラデーションというよりかは全体的に赤黒い色をしていた。大きさが増した分重量も上がっており並の人間では持ち帰れなさそうな重さをしていたが、アダムに取っては気にする程の重さでは無かった。
(こんなものいくつも持って帰る意味があるかは分からんがこの重さ少し引っ掛かるな・・・折角だから持ち帰っておくか?シンディに見せて意見を聞いてみてもいいしな。)
軽々と持ち上げると先ほど見つけた物と同じようにバックパックへ詰めアダムは家路を急ぐことにした。




