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 日頃酒場に訪れる時は比較的賑わっている時間帯に利用している事もあり、いつも訪れている時とは雰囲気の違う店内の様子を物珍しそうに眺めている。いつもは喧騒に包まれているが今は埋まっている席も少ない、数少ない客も思い思いに過ごしているようで静かな時間が流れていた。丁度昼飯時の忙しさとシンディ目当てに集まってくるスカベンジャー達が現れ騒がしくなる時間の間で従業員にとっても休憩時間のような物なのだろう。少しの間ぼーっとしながらそんなことを考えていると食事を持った従業員の女性が戻ってくる。


「おまちどうさんっ。あの子が出てくるまでここにいるんだろう?折角だからおばちゃんの相手もしておくれよ。」


 アダムに食事を乗せた皿を差し出しそう言うおばちゃんは自分が飲むための飲み物まで用意しており、たとえ断られても居座るつもりのようだ。


「まぁ構わないさ、俺も何故シンディが俺なんかを呼んだのか聞きたかったしな。」


「残念だけどおばちゃんは知らないねぇ、あの子に直接聞いとくれよ。」


 朝昼のカウンター業務を一手にこなしており、実質的にはこの店ではオーナーのシンディに次ぐ権力の持ち主であろう彼女がそう返答すると、アダムは食事の手を止め少し意外そうな表情を浮かべる。


「おばちゃんも内容を聞いてないのか?あの口振りじゃ何か教わってるんじゃないかと思ってたが。」


「新人やら、うだつの上がらないスカベンジャー達じゃこなせない依頼は溜まってるからそれを回そうとしているんじゃないかとは思うけどそりゃあくまで私の予想でしかないからねぇ。」


「俺も新人ではあるんだがな。」


 食事を頬張りながらそう言うアダムだったが当然言葉通りには受け取って貰えなかった。


「いくらジャンクヤードの外周部はミュータントに出会う可能性が低いって言ったって0じゃないんだ、普通の新人なら命懸けで探索に出るもんさ。それがどうだい、アダムさんときたら連日の様に外周部からさらに足を延ばしてミュータントを狩って帰って来てるじゃ無いのさ?少なくともそんな事が出来る人間は私らも新人扱いしろなんて言われても出来やしないよ。もしそうだとしてもそれだけの事を成す実力は秘めているって事だろう?なら依頼を回そうと思っても当然とは思わないかい?」


 そのように言われてしまうと多少目立たないようにと考えセーブはしていたとは言え連日探索に出るのは流石にやりすぎだったかと少し後悔するが、そのおかげで早めに顔役からの指名を受けれるようになるのならまぁいいかと楽観的に考える。少なくともアダムの異常な探索のペースに気づいているのはこの酒場の従業員ぐらいなもので、他に違和感を覚えている者は少ないだろう。


「そう言われると確かにそうかもしれないな。」


「そうでしょう?もし別件だったとしても損になる事は無いだろうからあの子が来るのを楽しみにしてなさいな。」


 そういうと自分が持ってきた飲み物に口をつけるおばちゃんだったが、丁度その時少し離れた席から従業員を呼ぶ声が聞こえる。飲み物をカウンターに置くとアダムに断りを入れ席を外したおばちゃんはそちらの方へ向かって行った。アダムはそれを見送ると大人しく食事を再開する。

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