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三方向から飛び掛かって来た化けネズミ達を軽々と対処して見せたアダムはその骸から討伐の証として尻尾を切り取ると広場の探索を始める。休憩所として使われていたらしいこの広場だが、先人達が残していったのはゴミ山から引っ張り出して来た物だけでは無く積み上げられたゴミの中には人か動物かも判別がつかない程損傷した骨が混じっているようだ。
(こんなものが見つかるって事はこの場で同じように戦闘になったりしたんだろうな。これを見る限り遺体や亡骸はジャンクヤードに放置して帰っても問題は無さそうか。まぁこれだけのゴミが集まっていれば大した差でも無いだろうしな。)
広大な敷地に莫大な量のゴミが集まっているジャンクヤードで今更ミュータントの亡骸がいくらか増えた所で困る人間はいないだろう。そう納得したアダムは自らが倒した化けネズミの亡骸を広場の片隅に集めると念のためゴミを被せて人の目に付かないようにするとそのまま広場を後にした。
化けネズミ達と遭遇した広場から暫く行くとようやく目標にしていた巨大な何かの全容がはっきりと確認できるようになる。金属で出来ているらしいソレは所々が錆びており腐食しているように見える事から放棄されてかなりの時間が経っている事が伺える。
(土木作業用のゴーレムや大型の魔物にも引けを取らない大きさだがどういう意図を持って作られた物なんだ?もう少し近づいてみれば分かるだろうか?)
数メートルは優にあろうかという巨大な何かを見上げながらアダムは慎重に近づいていく。足元までたどり着きよく見てみると錆以外にも明らかに人の手によって部品を抜き取られた形跡が残されていて他のスカベンジャー達が既に探索に来ている事が伺える。
(俺が知っているレベルからは遥かに進んでいるようだがこれも機械の一種なのか?動いている所が想像できないな。)
圧倒されたように巨大な機械を見上げていたアダムだったが、ふと視線を地上に戻す。巨大な機械に意識を持っていかれていたがその機械から少し進んだ所にはすり鉢状の大穴のような物が広がっているようだった。興味深そうにその大穴へと近づいていくと、どうやらその大穴はミュータントの巣になっているらしく中には化けネズミの姿の他に大型犬によく似た姿のミュータントが生息しているようだった。
(犬のようにも見えるが頭に瘤のような物が見えるなそれにかなり筋肉質に見える。あの二種は同じ巣に住んで協力しているのか?)
犬のミュータントに従えられて歩いている化けネズミ達の様子を伺うようにして巣に近づいていくアダムだったがその間に間違いなくスカベンジャーの遺品らしき装備の残骸や人骨が残されており、あの巨大な機械を目標にここを訪れたスカベンジャーの幾らかは欲をかきこの巣に足を踏み入れてこの場で犠牲になった事が伺えた。
(あれほど目立つ物があればそりゃあ当然興味が引かれるよな。そこでこの大穴を見つけて近づいてみるとこうなるって事か中々趣味の悪い構造だな。)
欲をかきすぎて犠牲になったスカベンジャーの成れの果てを横目に見ながら慎重に大穴の縁までやって来たアダムは気配を消し寝そべるようにして大穴の様子を伺う。傾斜はさほどきつく無いようで緩やかだが、よく見ると斜面の所々に横穴が空いておりネズミや大型犬が出入りしているようだった。最深部には一際大きな横穴が開けられておりそこを出入りしている犬のミュータントはそれ以外の場所にうろつくものよりも明らかに大柄でみるからに筋力が発達がしているようだ。
(あそこだけ厳重に警備されている事からあの横穴にボスでもいるのか?まぁとりあえず気になる物の確認は出来たし、ミュータントの巣がここにあると言う事はこの周辺をうろつけばネズミや犬と遭遇するのは簡単なんじゃないか?暫くはここで小銭を稼ぎつつ他の場所も見て回ってみてもいいかもな。)
ひとまず目標としていた場所にたどり着き満足のいく探索の成果を上げたアダムだったが、既にジャンクヤードを訪れてから数時間が経過しており日は傾き始めている。夕暮れまでには帰るとアキナと約束したためそろそろ帰路に着こうと慎重に来た道を戻ろうとする。その時積みあがるゴミの中の何かに反射したのか強い光がアダムを襲う、驚いたアダムが目を塞ぎこむ。幸いすぐに収まった光の気配を感じて目をあけるとアダムの目の前にはいつの間にか一匹の犬のミュータントと二匹の化けネズミが現れていた。あっと思った次の瞬間には先頭を歩いていた大型犬が巣に響き渡るような遠吠えを上げていた。
「あ、やべっ」




