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 シャワーを浴びた後自室に戻ると、アダムはベットに寝転がりながらこれからの事を考える。


(アキナの訓練が終わるまでは自由にしてもいいそうだがどうしたもんか、あのごろつき達の装備を売って軽く装備を整える事が出来たら日銭を稼ぐために何か仕事の依頼を受けないとな、そもそもスカベンジャーとやらは、冒険者と同じような物だと思っていいのだろうか?そもそも依頼が存在するかもわからないし、この辺の事も誰かに教わらないとダメか・・・)


 そのまま暫く様々な事を考えながら寝転がっていたが、やがて睡魔に誘われるように眠りについた。


 翌日の朝、香ばしい匂いに目が覚めるとアキナが部屋におり、トーストを頬張っていた。


「おはようオッサン目が覚めた?ほら朝ごはん持ってきたから、早く食べてそれ売りに行こうぜ!」


 待ちきれないといった様子でソワソワしているアキナに急かされるまま、味わうことなくトーストを流し込んでいく。


「ほら!急げ急げ!アタシ食器戻してくるから着替えといてね、ここ置いておくから!」


 嵐の様にバタバタと走り去っていった様子に戻ってくるまでに着替えが済んでいなかったら、何を言われるかわからないなと呟きのそのそと着替え始める。用意されていた服を着こみジャケットを羽織るとバックパックを背負い食堂へ向かおうとすると、廊下の向こうからこちらへ向かって来るアキナが見える。


「オッサンめっちゃ似合ってんじゃん!見た目だけなら歴戦のスカベンジャーって感じするぜ!」


「そうか?自分じゃ分からないが見た目じゃなくて中身も歴戦になれるように頑張るぜ。」


「うん!これなら大丈夫だ、まず露店商に小物やら使えそうな物を売りに行くんだけど、アタシが交渉している間喋らなくてもいいから後ろからプレッシャー掛けといてほしいんだ。舐められると買いたたかれたりするから頼んだぜ!」


 そう言いながら歩き出すアキナ、機嫌よさそうに鼻歌を奏でながら歩いていく。アダムは少しでも高く売れるように願いながらその背中を追っていった。


 孤児院を出て外を歩いていると、昨晩に比べると人通りも多く、露店が立ち並んでいた広場に近づくにつれその数も活気も増していた。軽食や雑貨はたまたジャンクヤードで拾ってきたと思われる用途不明のゴミ等様々な物を売る露店が並ぶ広場の中は人でごった返しており取引をしている声がそこかしこから聞こえて来る。アダムの価値観からするとこれ程の人手は建国祭を始めとする祭を行う際に見るような人手でとても田舎だと言われている街の光景とは思えなかったが、いつも通りの事なのかアキナは気にする事無く人込みの中を歩いている。何かを探すように辺りを見回していたアキナだが、目的の露店商を見つけたのか一つの露店へ向けて歩き出す。その露店には年の頃は四十歳ぐらいの一人の小柄な男が座っており、愛想よく客の対応をしていた露店の主人はアキナの姿を確認すると小さくため息をつく。


「アキナ今日は値引きできるような商品は無いぞ他を当たってくれ。」


 邪魔者を追い払うかのように手を振りながら追い返そうとする店主に対して何も言わずに、アダムからバックパックを受け取りそのまま露店の卓上に乗せる。訝し気に眺めながらも中身を確認すると驚いたように顔を上げる。


「どうしたんだこりゃあ!?ジャンクヤードに通ってたのは知ってるが、お前みたいなガキンチョが運よく手に入れたって品物じゃないぞ!?」


「完全に私の力で手に入れてたならもっと自慢できたんだけどなー今回は後ろにいるオッサンの力が無けりゃ大怪我するところだったから調子には乗れねえや!とにかくいくらになるか計算してみてよ。」


 言葉では謙遜しているように見えても明らかに上機嫌なアキナの言葉を聞いて、主人は改めてアキナの後ろに立つアダムに意識を向ける。長身に鍛えられた肉体、この辺りでは見かけない髪色と透き通るような碧い瞳、その瞳にじっと見つめられながら持ち込まれた品物を鑑定し続けていると、ふと思い出した事がある。


 この国の首都にはその富を分け合う三つの集団がありその一つアライアンスと呼ばれる組織は、最終戦争時にこの国に駐留していた同盟国の軍隊を祖とし今でも戦前の技術を有し、今でも高い戦闘能力を保持しているらしい。その構成員はこの国の住人ではあまり見られない髪色や瞳の色をしているらしいと噂されている、そして何よりアライアンスが作戦行動を取っている場合、その邪魔をしたと見なされるといかなる人物であっても排除されると言うのだ。目の前の男もその条件に当てはまっているのでは?という事実に気づいたと同時に、店主の男は座っていた椅子から勢いよく立ち上がり後ろへ飛びのいた。


「アキナ!お、お前が連れてきたその男はあのアライアンスのメンバーじゃないだろうな!」

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