第37話 公国を襲う天災編その1 イレーネ先生再登場……世界が、滅ぶ?
「ふう……」
ある意味、悪い夢のようだったティフナ村での事件を解決し、オレ達はベルスの街に戻ってきていた。
ああ、街を歩くロリちゃん達がきれいに見れるぜ……心が洗われるようだ……
せっかくだし、サナとフィノを連れて、ユーマ村の温泉にでも行こうか……
英雄にも休息が必要なのだ……少し疲れちゃったオレは、のんびり温泉旅行(オレの女たちとの、めくるめく夜のリラクゼーション付き)に行こうと考えていたのだが……
ピピピピ……
オレの魔導通信端末が、通信が入ったことを知らせる……こんな時に誰だ?
端末の着信画面を見ると……イレーネだ。
オレの夜業(意味深)に、唯一の敗北を刻んでくれたロリ年増サキュバス女教師……見た目は愛らしいが、その業は凶悪である……オレがドラゴンの生まれ変わりなことも知っている。
くそ、何とかしてヒィヒィ言わしてやりたい……無視しようかと思ったが、生来勤勉なオレである。 思わず通信をつなげてしまった。
「げぷ、リリか! 大変なことになった!」
耳にあてた端末のスピーカーから、愛らしい声が聞こえる……開口一番、酒臭いげっぷをするんじゃない……最悪だ。
ロリの皮をかぶったダメオヤジめ……
思わず自分のことは棚に上げ、毒づくオレ。
イレーネが次に発した言葉は……
「落ち着いて聞いてくれ、世界は、滅亡する!」
「……はあ?」
オレは本能で、面倒事が降りかかってきたことを察していた……
*** ***
「さっなっちゃーん! 2週間ぶりっ!」
「むぎゅう」
「おお! かわいい娘がもう一人! サナちゃんの愛人なのっ!?」
「……なにこの頭のネジが飛んだ子……サナの友人ってヤバイの多いね」
はぁ……思わずため息が出る。
数時間後、オレ達はメルゼブルクの街にある、魔法学院に戻ってきていた。
現在は応接室に通され、イレーネの到着を待っている。
断れなかった……名誉生徒である立場と、イレーネに脅されたせいだ。
よりによって、オレが夜の戦いでイレーネに敗れたことをバラすだと……ナイトキティの名に懸けて、そのような不名誉な事実は隠さねばならん!
そのため、不本意ではあるがイレーネの招集に応じたというわけだ。
……さっそくサナとフィノがハンナに絡まれているが、アイツは相変わらずだな。
ちなみにハンナは定期的に転移魔法で遊びに来るので、久しぶりも何もない。
「まったく……また女の子をひっかけて……ハレンチですわ」
ふん、クリスもやってきたか。 一緒に歩いてくるグスタフも含めた5人が、オレとサナが魔法学院に短期留学していた時のクラスメイトになる。
全員がSクラス以上の魔導士であり、世界でも指折りのチームといえるかもしれない。
「くくっ……ベッドの上では、しおらし不埒なお前がそれを言うか。 久しぶりにかわいがってやろうか?」
「なななっ! アナタ! なんて失敬な……わたくしは不埒などではありませんわっ!」
完全におっさんのセリフだが、オレは可憐な少女なので許されるのだ。 そして真っ赤になって反論してくるクリス。 相変わらず煽り耐性のない奴だ。
「……それにしてもクリス、なんだこの緊急招集は……お前は先生から何か聞いているか?」
「いえ、わたくしも”このままでは世界は!”……とだけ。 イレーネ先生が唐突なのは、いつもの事ですわ……」
まったくだ。 世界の危機など、このオレの2万3千年の竜生で、150回くらいあったぞ……大騒ぎしすぎだ。
どうせ、魔王が復活したか、悪魔が魔界から侵攻してきた……くらいの危機だろう。
ちなみに、魔王も悪魔もグレイト・ドラゴンと比べると、下位種でしかないので安心してくれ。
ガチャ……
「みんな集まっているようだね。 時間通り……さすがウチの生徒たちだ」
応接室のドアを開けると、イレーネ先生が入ってきた。
10歳くらいの見た目に、ピンクの巻き毛、似合っていないスーツとメガネ……いつも通りだ。
大きな資料を小脇に抱えている。
その愛らしい姿は、ポケットから除くウィスキーの瓶で台無しになっているのだが……イレーネは特異体質で、魔力の維持にアルコールが必要らしいが、オレから言わせればただの酒乱だ。
こんな見た目で、ハイエルフとのハーフ、サキュバスとのクォーターという超レア生まれ、こないだ誕生日が来て30歳になったはずだ。 ざまあみろ。
「……くく、リリ君、再会すぐに、悪意の波動が過ぎるね……あとで可愛がってあげるよ」
くっ……気配が読まれているか……いかん、ここで反論すると、向こうのペースに飲まれてしまうな。 まずは先生の話を聞こう。
「……夜の話は後でもいいでしょう……先生、”世界が滅ぶ”というのは何事ですか? 魔王ですか、悪魔ですか、それとも世界大戦でも始まりましたか?」
オレの推測に、イレーネは首を横に振ると、大きな資料を机に広げた……真ん中にこの世界が所属する”星”が描かれ、周囲にいくつもの天体らしき丸印が書きこまれている。
これは……星海図か?
「リリ君の推測はどれも外れだ……ウチは天文学も専門でね……中央魔導天文台と連携し、天体の動きを観測する仕事もしている」
「特に、ごくまれに落ちてくる隕石の影響は重大だ……超古代には、隕石によるカタストロフが起きたという記録もあるからね」
オレも聞いたことがある……数十万年前、巨大な隕石が落ちてきて、地上の8割が焼き尽くされたという……確か長老が言っていた……眉唾ではなかったのか。
「ここからが本題なんだけど……数日前に発見された大型の隕石が、どうやら公国への直撃コースを取っているようなんだ」
「……なっ! そんな大型の隕石が、なぜ今まで見つからなかったんです?」
結構な危機じゃないか! 思わず聞き返すオレ。
「……いやー、見つかったのがウチの担当宙域でなんだけど……酒に酔って居眠りしてて、見逃しちゃった☆」
こ、このアラサー女教師め……そういや”混沌の深淵”の出現(21話参照)も、この女のミスだったな……
「ま、まあ、少しくらいの隕石なら、ここのメンツとオレで何とかなるでしょう……で、いつ落ちてくるんです?」
「……2週間後」
「「「「「「はああああああ!?」」」」」」
あまりの準備期間のなさに、その場にいた全員が困惑の叫びをあげるのだった。
よし、後でコイツ絶対泣かす!
新連載も開始してますので、作者マイページよりよろしくお願いします!
ユニークスキル持ち少年の大逆転
~動物園に追放されましたが何故か上級魔獣がいたので彼らと話せるスキルを活用したら集客最強戦力最強パークになりました いまさら戻れと言われても遅いです 彼女も出来たし~




