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想い人の努力と変化 別視点開始

私(白峰 薫)は混乱していた。

想い人–南条 新の纏う雰囲気が唐突に変わったからだ、それもとても強く、猛々しく、しかし残酷に。

召喚直後から彼はとても変化していた。私たちの10分の1のステータスしか与えられなかったことが発覚し、膝から崩れ落ちた後私は手を差し伸べ、守ると言ったが彼はそれに甘えるようなことはしなかった。

日々書庫や鍛錬に熱中し、指導も熱心に受けていて見違えるように強くなった。しかしそうは言ってもステータスの差は残酷で間が埋まることはなかった、だけど今は違う。明らかに感じる雰囲気が違う。

もはやーーー存在が違う


といったことを考えたのは約一秒間。すぐに現実に引き戻される。

急に彼が喋り出したのだ。


「小僧が手を焼いてるから来てみればただの雑魚じゃねぇか」


そういってニヤリと笑ったかと思うといなくなっていた。その後グチャッという音が聞こえて音の方を見る。


すると、、、弾け飛んだ白い肉片とそこに佇む彼、いや何かがいた。

本能的に感じ取ったのだ。彼は自分の想い人ではない、別の存在だと、

その何かが言葉を発する。


「俺に合った『神格者』に呼ばれたから来てやったがなんだ、面白いものはねぇな」


とこちらを見た。

失神しそうなほど鋭い眼光だった。とても残酷で、底冷えのする光だった。

そして止めることはできなかった。

戦場ヶ原君も、肝田くんも誰も。

そして彼は奥へと進んでいった。


そして何もできず、動けないままでいた数分間があった。

最初に動けた、いや、言葉を発せるようになったのは関ヶ原君だった。まぁ勇者だからだろう


「なんだったんだ?あいつは?」


彼には南条君がどうなっていたのかの検討もつかないらしい、私もだ。

しかし私のこの世界に来てから強化された聴覚は確かに捉えていた。彼が『多重存在』と呟いていたことに。

そして肝田君と黒井ちゃんも動けるようになったようだ。


私たちは情報共有を行った。

しかし白い人形が異様に強く、そして南条君が戦闘中に異様に強くなったことといった見た通りのことしか解らなかった。


しかし黒井さんの発言にヒントがある気がした。

彼女は魔導師の職業で魔力の流れに敏感だという。その魔力を感じる目によると彼の体の中に途中で別の魔力の流れができたらしく、それは今まで見たこともないらしい。

だがそれ以上の進歩もなく、引き返すことになってしまった、


ーー


新side


意識が戻った。

というか意識を取り戻したというよりかは体の主導権を取り戻したという方が正しい。

軍神に体の主導権を渡したらちょっと暴れたらしい。

それ以前に何でみんなから離れてるの?しかもダンジョンの奥に来ちゃったし、今何階層なんだろう?

体の主導権を渡している間は意識がないわけではないけどぼやけてしまうから今何をしているとか何を使ったとかよく解らないのだ。

とりあえず奥に行ってみよう。

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