第100話 - ティアの冒険2 -
とうとう100話です。
ここまで続けられたのは読者の皆様のおかげです。本当にありがとうございます!
本章も終わりに近づいてます。
今後ともよろしくお願いします!
「くそっ!!なんでこんな事にッ!!!」
状況は最悪と言っても差し支えがないだろう。俺たちは洞窟の入り口へと全力で走っている。
腕を負傷したあの時、試験をリタイアして街に戻っていれば、こんな目に遭う事はなかっただろう。。
苦言を飲み込んだピルナは、現在身体強化魔法で臨時パーティのメンバー、カンナとホルスを担いで前を走る女剣士を追っている。
例の村では、それなりに多くのアンデット種がいたのだが、各々の実力で殲滅する事ができた。
が、倒しても時間が経つと何処かからまた湧いて出てくるのだ。
これではキリがないと判断した彼らは、その原因を突き止めようと湧いてくる魔物を辿ると、村から少し離れた山間に洞窟になっている場所を発見した。
4人は、魔物が無限リスポーンしてくる原因を断つため、洞窟内へと踏み込む。
そこは一本道ながらも、かなり奥に続いているようだった。
一定時間が経つと湧き出てくる魔物を対象しながら、奥へと進むと開けた場所へと出る。そこは所々壁の隙間から外の光が差し込む神秘的な場所であった。
ドサッ ドサッ
その光景に見惚れていたピルナだったが、突如自身の横から物が落ちたような音がして、我にかえる。
と、同時に一瞬で状況を理解する。
物が落ちたような音は、隣に立っていたカンナとホルスが倒れた音、そして倒れた原因は突如現れた複数のリッチによる攻撃だと言うことを。
「おい!大丈夫か!!」
「「うぅ…」」
どうやら、金縛り系の魔法にあっているような感じだった。意識はあるし、その目には気を付けろと自信を気遣ってくれているような気がしたのだが、身動きが取れず、上手く喋れないようだ。
「ティアは無事か!?」
「ん!」
前にいた女剣士は無事のようだが…敵は複数いるようだ。囲まれたらマズい。
おそらく金縛り系の魔法を使えるのはアンデット種の中でも上位に位置するリッチだろう。そして、2人を同時に攻撃したという事は2体以上いる事になる…。今は姿を消しているようだが、ここは複数いると仮定した方が良さそうだな。
どうしてアンデット種の中でも、多種多様な魔法を得意とするBランクのリッチが複数もいるのか。いや、今はそんな事よりもどうやってこの状況から抜け出すか。それが最重要だ。
「ん。ピルナは攻撃できる?」
短く綴られた彼女の言葉。彼は、強く頷く事は出来なかった。
先に受けた腐食の傷は治ってきているとは言え、徐々になのだ。腐食ダメージの効果で、魔力を普段通りに練るには時間がかかる。正直なところ、戦闘力としては、いいとこ普段の3割といったところか…。
少し自信が無さそうなピルナの顔を見て、ティアはすぐ様判断する。
「この洞窟から退避する。もし、魔力が練れるなら身体強化で2人をお願い。道は私がひらく。できる?」
その言葉には強く頷く事ができた。
というのも負傷した現状では、攻撃魔法ほど緻密に魔力を練り上げるのは難しくても、自身を強化する魔法の方が、難度も低く少しの魔力で事足りるからだ。
「んっ。なら私が道を切り開く。こんな所で魔物にやられるなんて、アイツに笑われる。2人をお願い」
ティアがそう伝えた瞬間、それまで音沙汰が無かった空間から咆哮と、魔力を感じた。
『『『『『『ウォォォォオオオオ』』』』』』
底冷えするような威圧感と、不自然に膨らむ魔力を感じる。
そして咆哮の後に感じた魔力によって、どこからともなく新たな魔物が湧いてくる。
「増えた」
「なんでだよッ!!リッチが召喚したのか!?」
確かに咆哮の直後に不穏な魔力を感じたが、攻撃は受けていない。そんな事はどうでも良い。新たに出現した魔物は、スケルトンやリビングメイル、そしてレイスがうようよいる。
「流石に数が多い。急ぐ。」
「数が多いどころじゃねーから!やべえって!!」
大至急、自身に身体強化を重ね掛けて倒れているカンナとホルスを抱える。目指すはのは一本道の先にある洞窟の入り口。
「準備オッケーだ!頼むぞ!!」
「んっ!行こう」
走り出した2人だったが、洞窟内の全ての魔物が逃さんと4人の行手を阻む。逐一対応していたら、とてもではないが数で押されてしまう。
ベルゼのように広範囲高火力の魔法でも使えれば楽だったかもしれないが、無い物ねだりはしたくない。
ティアは自分が使える技を慎重に選び、後ろの3人を無事生還させるため、剣を振るのだった。
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