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居留区の催しー2

「カロ様?」


 つまらなそうにぼーっと試合を見ていた紀一郎に声が掛かる。


 振り向くと『妹・選手権』が開催されたら優勝が狙えそうな金髪の美少女だった。


「やあライナちゃん。どうした?」


 紀一郎にとっては意外な人物の登場にちょっとテンションが高くなる。


 紀一郎は普段同じ出島内に居ながらも居留区に足を運ぶ事は無い為、久々の再開なのだ。


「別に……、適当に歩いていただけ」


 ぶっきらぼうという訳ではないのだが、彼女特有のクールな感じだ。


「そう? まあ座りなよ」


 紀一郎は屈託無く隣の空いている席を勧める。


「試合、面白くなかった?」


 ライナは軽く頭を横に振った。


 質問の仕方が悪かったせいでどちらとも取れる曖昧な返答になってしまっているが、彼女がどう思っているかは大体察しは付く。


「何か飲む? お菓子もあるよ」


 紀一郎には彼女が妹の様に感じられて、つい甲斐甲斐しくし世話を焼いてしまう。


 当のライナは彼の前ではいつも借りて来た猫の様にしていた。


 紀一郎はその辺も含めて可愛いと思ってしまうのだが。


 とはいえ小学校の高学年くらいの女子との気の利いた会話を思い付くはずも無く、つい身の回りの話しになってしまう。


「他の人達はどうしてる?」


「マリシアは向こうで観戦してる。エレオノーラはルイセとテントに戻った」


 元々無表情で感情を読み難い子なのだが、あまり機嫌がよろしくなさそうなのは分かった。


「何かあったの?」


 紀一郎の質問にライナははっきりとは答えなかった。


「困った事があるならちゃんと教えて欲しい。君らがここにいる間は出来る限りの事をしたいと思ってる」


 かなり臭いセリフだったのだが、単純に本心から心情を吐露する。


 それを聞いたライナは何とも寂しそうな顔をしていた。


「ルイセと一緒にテントに居る。気になるなら行ってみたら?」


 ライナの提案に紀一郎はさっきの堂々とした態度とは逆にうろたえてもじもじしてしまう。


「いやぁ、僕なんかが女の子が寝泊りしてる所に行くのはちょっと……」


 相変わらずの童貞力を炸裂させているとライナは呆れた様に少し笑った。


「一緒に様子見に行ってみる?」


 

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