帝国貴族VS王国貴族ー2
微妙に余ったので補足的に追加しました
翌朝から評議員の多数派工作を開始する。
アズベルトは手始めに屋敷の客間において王国派の評議員達と集まっていた。
「まだ完全には固まっておらんのだな?」
「中立派の多くはまだ新領主について態度はまだ固めておりません」
王国派評議員の一人が現状について説明する。
今回新領主に帝国貴族を呼ぶとして動いていたのは帝国派評議員代表格のラド・ナヘンジなのだが、帝国の圧力は怖いものの外から血を入れるのには多くの者は戸惑っているという事だ。
「日和見を決め込んでいるか……。まあそれならひっくり返す事も不可能ではなかろう」
「しかしアズベルト殿、多くの者はナルトラウシュ領の力がかつての程ではないと疑っておるのです。それを払拭出来なければ容易ではありませんぞ」
マセルは暗にナルトラウシュの窮状を指摘する。
城下街ヴェルターの襲撃と竜騎士隊の壊滅は公然のものとなっていた。(幸か不幸か竜騎士隊は巨人と相打ち覚悟で戦ってその身を引き換えに街を守ったのだと周りに広がっている)
「仰る事は分かっておるが、我が領の被害は軽微であるし、辺境騎士団も健在だ。それ程恐れる事は無い」
「では、いざとなれば騎士団の派遣もしていただけると?」
マセルの言にアズベルトは明言を避けた。
現状その様な余力は持ち合わせていなかったからだ。
マセルもそれを察したのか、それ以上を聞かなかった。
「とにかく今が正念場だ。ワーレンの地に赤色の王旗が掲げられるか、蒼色の帝国旗を掲げる事になるかは我らに掛かっているのだ」
昼の会合はこれでお開きとなる。
しかし、それからアズベルトは評議会メンバーと接触を重ねるが思うような感触を得られなかった。
それどころか露骨にアズベルトと会うのを避ける評議員達も多く、現状なぜそこまでボーダーラント王国の代表たる彼を忌避するのか分からないのだった。




