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波動!をマスターしたかった.......

 僕らは街の外れの外れにある森までやってきた。ここら辺で良いだろう。


 僕らは引き続き木や草の隙間を縫うように進む。


 街には強い人たちがいるし今大勢に実力をカンミングアウトなんかすると勿体無い。


 だからこう言うのは隠れイベント。知る人ぞ知る!みたいな感じ。


 話は突然320度ほど変わるが僕は前世でFBI捜査官になりたかった。だけど年齢のせいで慣れず。


 それが前世にある唯一の心残りかな?


 とにかく僕は前世で何者かになりたかった。


 だから色んなことに手をつけた。


 ラーメン店のアルバイト、、寿司屋さんのアルバイト、お弁当屋のアルバイト、テレビ局の音声担当、そして起業した企業の代表取締役(最終的に総資産100億。)。


 まあ僕の両親、厳密に言うと母さんが世界規模の財閥の令嬢だから本当は何にでもなれたんだけど、やっぱり自分の手で切り開きたいよね、未来は。


 と僕はここで足を止め回想を終了させる。


「それじゃああなたの実力を見せて。フラウス」


 とメアリー。


「楽しみですね」


 とエリシャ。


 フッ、フッ、フッ、こちらも楽しみだよ。


 二人の驚きように。僕はまず前世から修行をしていたモノを解放する。


 僕は魔力を少しだけ解放する。だがその少量では通常は考えられないほどの現象を起こす。


 これが僕が前世から修行を積んできたモノ。


 『波動』だ。


「な、何なのですの!この振動は!」


 とメアリーが目を見開きながら驚く。


「これが、その量の魔力だけで起こせるモノだと言うの?」


 とエリシャが驚く。


「魔力は量ではなく使い方、魔力回路の仕組み、などの様々な工夫が重要なのさ」


 と僕は言う。


 だが二人の顔はそれは知っているよと言わんばかりの顔だった。


 そういえば学校の教科書でこう書かれていた気が.........


 今の僕は学校で習った知識でマウントをとっている嫌な奴みたいになっている。


 しょうがない。


 僕がマウントだけの男ではないところを証明しなくては。僕はさらに魔力を解放する。


「この魔力量は!?」


「これが人に許された力なの?」


 と彼女たちの驚きよう。


 だけど僕自身の魔力はまだ半分、まあ7割ぐらいしか解放していない。


 それなのにこの驚きよう。


 二人は結構魔力量に関しては世間知らずなのかもしれない。


 これくらいの魔力量を持っている人は世界にもゴロゴロいるでしょ、と僕は考えている。


 そして僕は限界まで魔力を解放する。


 すでに『波動』は使っていないが空間が振動している。


 これはエナ達にすら見せていない超とっておき。


 彼女達はもうすでに一言も発していない。メアリーなんて尻もちを付いている。


 そして潮時と判断した僕は魔力を徐々に徐々に減らしていく。


 そして空間の振動は終わった。僕はここに人が集まる前には移動したかったため、彼女達に声をかける。


「そろそろ行こうか」


 と僕は言う。僕らは森を抜け出した。


 街に戻ったら騎士団達が慌てふためいていた。


 その様子がなんとも面白かった。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「フラウス、あなた本当はとんでもない実力の持ち主なんじゃない?」


「いやいや、そんなことはないよ」


 いやいや、そんなんことはあるよ、と僕は僕自身の言葉を否定する。


 現在僕は女性二人から追及中。


 ちなみに街の騎士団達は僕たちがいる森に向かっていた。


 その中には人間の剣聖であるアペクスの姿もあった。残念。もうその魔力の持ち主はカフェにチーズケーキを食べている。


 一足遅かったね。


 僕はチーズケーキの深いコクと味を感じながら思う。これぞ優雅なひと時。


 最高だ。


「しかし驚きました。フラウスさんのその魔力量は剣聖の一人であるアペクスさんに匹敵しますよ」


「そうですか?」


 と僕言う。


 僕は『謙虚堅実をモットー』に生きていくようにしているからね。


 そこでメアリーから一番嫌な質問が。


「ねえ、フラウス。あなた何か隠していない?」


「ブッ、!」


 と僕は少し啜っていたコーヒーを肺に詰まらせる。


 僕は少し大きめの咳をする。


「な、何を言い出すんだい?隠し事なんてないよ」


「そう?」


 疑いの目線。まあ仕方がないか。


 だけどここで僕の正体がバレる訳にはいなかい!


 ここで僕は『フラウス・メンダック』と言う人物の過去を妄想する。


「フッ、色々あったんだよ」


 と僕は虚しげな目で言う。これにはメアリーも何かを感じたらしい。


「フラウス.......」


 と彼女は押し黙る。これ以上彼女からの追及はなかった。


 こうして僕たちとエリシャさんは同盟を結べた。


 これで予選突破に一歩前進した。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「状況は?」


 その声に返事はなかった。


 彼はもう一度言う。


「状況は!」


「あ、はい、アペクスさんすみません」


 若い騎士が謝る。彼らは森の入り口にいた。


 しかしそこでもむせ返るような魔力。この先にどんな怪物が待っているのか。騎士達は戦々恐々としていた。


 しかしそんな状況だからこそ、英雄は際立つ。


 皆の注目は人間の英雄、この世界で最強の存在、アペクス・スペス・マクシシムに集まっていた。


 そして彼の取る行動はもちろんこの場にいる心細い騎士たちが期待する行動。


 それは漢気。


「みんな僕について来て下さい!」


 と彼は赤い髪を揺らしながら振り向き圧倒的な魔力量に呆気を取られている騎士達に告げる。


 士気は爆上がり。


 そして彼らは隊列を組み森の中に突入。しかしそこには空間に漂う異質な魔力しか残っていなかった。


 彼らは辺りを見渡しながら少し歩く。


 そして不運にも一人の若い騎士がその魔力の発生源と思われる場所に行き、吐いてしまう。


 それほどこの魔力量は異常だった。


 そして彼らは辺りを見渡す。少し暗くなって来ている空がその不気味さを一段と輝かせていた。


 彼らは無意識に剣を構える。


 しかしそんな状況でも一人だけ冷静な人物が。それがアペクスである。


「この魔力量........ここ王都近辺にこれほどの魔力を持つ魔物は確認されていないはず」


「それじゃあこれは何なんですか?」


 アペクスの言ったことに騎士団の新人が震える声で問う。


 アペクスは空を見上げる。


「これはあくまで僕の予想だけど........WKCに出れば全てがわかる」


「それはつまり、この魔力の持ち主が大会に出場していると言うことですか?」


「あくまで僕の予想だけどね」


 二人は空を見る。空にもむせ返りそうな魔力が広がっていた。


 剣聖は拳を強く握る。


 それぞれの思惑が絡み合う。


 大会が始まる。

風邪をひいてしまいました。熱は37度7ぐらいです。そのせいで昨日は投稿できませんでした。申し訳ありません。これからもできる限り投稿していきたいです。よろしくお願いします。

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