魔女との会合
僕は海の階層つまり二階層攻略し階段を登り三階層に到着した。僕は三階層を見て目を見開く。
そこはただただ白いどこまでも続いてそうな空間だった。僕は驚きながらも辺りを見渡す。だが何も起こらないし、何もいない、存在していない。
「まあ歩きますか」
と待っていてもイベントは進行しないよ精神で、僕はそう呟き歩みを進める。
僕は進む。
そして遠くに黒い人影が見える。それは進めば進むほどハッキリ見えてくる。
それは小さな品格がある少年みたいな見た目だった品格のある上級精霊だった。
「ようこそ、記憶の間へ。魔女が御招待されてますよ」
「ああ」
と僕は簡潔に。この応え方で圧倒的強者感が出て話を優位に進めることができる。
たぶん。
「こちらです」
彼はお辞儀をし、手をある方向の方へ向ける。
「ついてきてください」
僕はそう言われたので彼の後を歩くことにした。空間はまだ白いままだ。
それとさっき魔女が招待とか言っていたけど、まずまず魔女なんてもう1000年前ほどに絶滅している。
つまり今回の相手は自称魔女ということだ。
だけどそんな相手でも差別することなく対等に接するのが僕のポリシーだ。偽者でも雰囲気が出るならそれで良し。
全ては僕が満喫できる異世界ライフを送るためだ。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
僕の目の前を先導する精霊さんが足を止める。
だがそこには何もなく、ただただ白い空間だ。しかし次の瞬間僕の目を疑うことが起きる。
突然目の前に椅子と机が現れたのだ。別にそれだけなら驚くような物ではないが僕が驚いたのは魔力が使われていないということだ。
もしかして偽者の魔女さんは結構の実力者なのではないかと、僕は少し緊張する。
そして前方から誰かの人影が見える。推測だが人影の形は女性だと思う。
その女性はどんどん近づいてくる。その女性の髪色は紫、目は赤かった。
なんかどこかで見たことがあるが思い出せない。ああ、なんか鬼人の人が召喚していた人か。と僕は思い出す。
それ以外でもあっている気がするがもう片方は思い出せなかった。
「久しぶりだね」
「久しぶり?」
彼女はなぜか僕の言葉に疑問形で返した。
「あれ?一回戦わなかったけ?」
僕は想像したことをそのまま口に出す。
「勘違いじゃない?」
彼女は適当そうに答える。彼女は椅子に手を掛け座る準備をする。
「でも君とそっくりだったよ?」
僕は辛抱強く彼女に質問する。
「さあ?他人の空似じゃない」
彼女は素っ気ない態度で僕と会話を続ける。彼女は先ほど出現した椅子に腰を落ち付かせる。
彼女は本当に僕を招待した気があるのか、わからない。
「それで、なんで僕を招いたのかな?」
僕は簡潔に彼女に聞く。「それはあなたにお願いがあるから」彼女は何も躊躇わずに僕の問いに答える。
僕は呟く。
「お願い、か........」
こうやって文章を切るとなぜか雰囲気が出るよね。
「そう、お願い」
彼女は深く頷きながら僕を見る。
僕は少し精霊の少年について聞こうと思い辺りを見渡すが精霊の少年は気づいたらこの場にはいなかった。
「そのお願いを受けるかどうかは内容によってかな?」
僕は彼女にお願いの詳細を教えろアピールをする。彼女は僕に聴こえるほどの大きさのため息を吐く。
なんかめんどくさそうな事に巻き込まれている気がする。
「簡単な事よ。そうね.......一種のカウンセリングとでも言うのかしら?」
「カウセリングね。まあ少しは聞いてあげるよ」
僕は彼女にそう伝える。その時彼女の表情が少し明るくなった気がした。
「じゃあ旅立ちましょうか」
「旅立つ?どこに?」
彼女はニヤリと笑う。
「過去、そして未来へ」
その瞬間、空間全体が白い輝きを放ち前が見えなくなった。
僕はこのような光を前世の最後に体験したことを思い出した。
そして僕たちは経験した、過去を。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
紫の髪をした少女が川辺を歩いていた。
少女の目線は川に固定されている。そして少女は足止めしゃがみ込み川を覗き込む。
川は綺麗で透明で澄んでおり小さな魚が泳いでいるのがよく見える。
これが彼女にとってのこの道を歩くときのご褒美らしい。
そして彼女は一定の時間川の中を見た後立ち上がりその場を去った。地面には足跡が残る。
だが彼女はそれに気づいていない。
そして彼女はその川から一定の距離移動し彼女が住んでいる村に辿り着いた。彼女は早速家に帰る。
だがどこに言っていたのかは答えない。
この村の掟ではとある人物たち以外の村の住人は村の外から出てはいけないのだ。
だが少女は村の外が気になり出てきてしまった。その事は家族には喋らない。怒られるのが怖いからだ。
そして彼女は隠蔽工作のために積んできた花を親に見せる。
「お母さん!かわいいお花みつけた!」
彼女は母親の所に駆け寄り花を親に見せる。
「あらホントねー」
と彼女は母親は頷きながらしゃがみ花をじっくり見れる目線まで姿勢を変える。
「それで、どこのお花畑に行ってきたの?」これは少女にとって予想外の質問!ではなくキチンと彼女は対策をしていた。「このお花はフルーゲンのお花畑で見つけたの!」
彼女は元気一杯にそう答える。まだ太陽が上がり始めたばかりだ。
なので彼女はサプライズのためにお花を摘んできたと説明する。ここもしっかりと彼女は答える。
そして彼女の母親はまんまと騙され、「えらいねー」なんか言ったりしている。
そしてその時家の外から玄関の扉をノックする音が聞こえる。だがこれもいつも通りだ。
彼女の母親は
「はーい」
と返事をし扉を開ける。そしてそこには彼女の父親がいた。
彼女の父親は狩人で朝早くから出かける。なので彼女にとっては外出に関しては一番の強敵だった。
だが彼女は父親の行動も全て予測しており出かけた。見つかる可能性はゼロだ。
そして父親も彼女が摘んできた花を見る。
「綺麗だね」
そういい彼女の父は2回目の睡眠を取るために寝室に向かった。彼女の作戦は成功した。
これらの状況は微笑ましく穏やかな日常だと思った。
だが束の間にしか幸せは存在できなかった。




