彼女達は、ただただ友達が欲しかった(コミ障かな?)
その空間はただただ白かった。
真っ白と言う言葉が似合うだろう。
しかしなぜか足は地面に付いており、そのお陰で酔ったりはしていなかった。
歩き出す。
一歩一歩進んでいく。そして僕の前に女性が一人。彼女は紫の髪に赤い目をした女性だった。僕は声をかける。
「やあ」
「ああ、あなたね」
と彼女は残念そうに言う。
「露骨にガッカリしないでいただけると嬉しいな」
僕は少し困り顔を作り彼女に言う。
「私は最近あなたとばかり会っていて、もうこの顔は見飽きたの」
「それは手厳しいことで」
「そうね」
僕はなぜ彼女がそうねと言う言葉を用いたのかは分からなかったが僕は話を続ける。
「それで、彼女達の様子はどう?」
「彼女達はこれを止める気はないそうよ」
「そうか無いのか」
と僕は少し残念がる。
「それで、どうするの?」
「僕、個人としては止めなくても良いんだけどこう言うイベントは止めるのがテンプレだから」
「テンプレ?何その?法則」
「まあ、法則と言えば法則かな」
彼女は僕を見る。僕は目を瞑る。
「じゃあ、あなたは」
そして彼女は言葉を続ける前に息絶えた。僕の刀には彼女の鮮やかな血が付いていた。
そして白い空間が割れ、どこまでも黒い空間に変わる。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
僕は眼が覚める。
昨日は確かアルフス達と別れた後ホテルに戻り風呂に入り寝たはずだ。
僕はベットから飛び降り自分の状態を確認する。おっと、ちなみに僕はベットの上で飛ぶ派である。
僕は部屋についている洗面所みたいなところで髪を整える。そして髪を整えている手とは逆で歯を磨く。
これはかなりの技術力が必要になる作業だ。ちなみにこれを習得するのに僕はまるまる一年かかった。
気になる人はやってみて欲しい。
そして僕は外着に着替え朝ご飯のために食堂に向かう。
今回このホテルには僕一人しか泊まっておらず静かでいい。まあホテルは人が大勢いることが醍醐味なんだけどね。だけどこう言う宿泊も悪くない。
「おはようございます」
「おはよ」
と僕は店員さんの挨拶に対して適当に返す。僕は階段を降りながら今日の予定を考える。
別に今日ぐらい動かなくても良いんだけど、異世界的には面白いイベントを逃すわけにはいかない。
とても難しいところだ。
そういえば今日変な夢を見た気がするが思い出せない。なんか白い空間で僕が突っ立てて........だめだ。
やはり思い出せない。
まあそのうち思い出すでしょと考え、僕は食卓の席につく。そして僕の机にディオも来る。
「主様、おはようございます」
「うん、おはよう」
僕はディオには少し丁寧に挨拶をする。僕は止めてもらってる身分だからね。
僕は最初に食パンを食べる。ディオが僕に気を計らい話しかける。
「主様、魔女の塔内部はどうでしたか?」
「いや凄かったよ」
僕はその後、言葉を続けようとしたが喋れなかった。原因はわかる。
「魔女の誓約書か」
「例のアレですか」
「うん。確か誓約には塔内部のことは喋れないみたいな条件があったはず」
「他には?」
「えっと、誓約書を他人に見せない、あとは誓約を破らない、とかだった気がする。」
「なるほどなるほど」
ディオがどこから出したのかメモ帳に僕の話をメモしている。
「それと誓約書にサインをしなくても塔の内部に入れると思いますか?」
おっと急に凄い質問が来たなと僕は思う。僕は素直に答える。
「多分入れるよ。塔自体に魔法や呪術的効果はないと思う」
「そうですか。主様、貴重な情報ありがとうございます」
ディオは丁寧に深々と頭を下げる。
「いや、そこまで頭下げなくても良いけど.......」
と僕は引き気味に答える。そして僕は朝食を食べ終える。
今日何しようかな。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
アルフスは最高級のレストランで朝食を取っていた。しかし先日の紳士の事が頭に残る。
アルフスはそれを忘れる為に水を一気に流し込む。
そして一緒に食事をしているサテルスを見るが彼女は多分あの紳士のことなど頭になく、新聞に目を通している。
アルフスはそんな彼女を少し薄情に思うが確かにサテルスの言うことには理が通っている。
王族であるアルフスが一個人と親しい関係になってはいけないのだ。
今はアルフスが王位継承争いではトップでも少し不祥事があればライバルには追い越される。
それをサテルスが危惧してくれているのだ。
だからサテルスには感謝しているが彼女は同様にクロにも感謝していた。
彼女は王族という肩書を持っているため平民には羨まれるか、利用されるかのどちらかだった。そんな彼女に久しぶりに対等に接してくれる人物。
そんな彼にまだ社会経験が少ないアルフスの心が揺れないわけなかった。
しかしそんな彼とも別れまた継承戦争いの日々。
彼女はなぜ自分が王になろうとしていたのか。今ではその理由さえ忘れ気力がなくなっている。
だからこの地に旅行に来たのだ。
しかし彼女の心はまだ立て直されてはいなかった。
アルフスはただただ友達が欲しかった。
友達が欲しいだけなのだ。
そしてアルフスは後ろの席をふと振り返る。
そこには身なりが良い同い年ぐらいのオレンジの髪の人間の少女が座っていた。
そして彼女もこちらに振り向いてた。彼女と眼が合う。
アルフスにはその出会いが運命だと直感した。
彼女と話してみたいと思った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ルミナスは最高級のレストランで朝食を取っていた。
部下に進めれ来たまでは良かったが特に予定もなく、貴重な夏休みをぼんやりと過ごす日々。
頭には数年前に亡くなった姉の事と最近友達になった彼のこと。
夏休みで友達が何をしているのか気になるのは学生あるあるだと彼女は謎理論で自分を納得させる。
しかし彼女はそんなことを考えている時間は正直ない。
今彼女が飲もうとしているコーヒーに毒が入っているかもしれないし、注文して出てきたサンドイッチに毒が入っているかもしれない。
と彼女はここにきてからそのような警戒ばかりをして、少しナイーブになっていた。
部下が立ち歩く度にどこにいくのか気になり目で追ってしまう。
しかし今のところ彼女の食べ物に毒は混入されていなかった。
だが彼女に取ってその結果が逆に不気味であった。
あの兄がこの旅行先で何もしないなんて考えられない。彼女は兄がこの地で自分を始末させるために彼女のの部下に旅行を勧めさせたと考えていた。
そのような考え方をしていたらナイーブになるのも当然である。それに相談できる相手もいない。
彼女の心はもう壊れかけていた。
その時ふと、彼女は後ろを振り向きたくなった、なぜかは分からない。
だけど振り向かなければいけない気がした。
そしてルミナスは振り向いた。そしてそこには黄色の髪をした身なりのいいエルフの少女が席に座っていた。
彼女もこちらを見ている。
ルミナスは少し彼女と話してみたいと思った。




