銀髪の剣聖
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僕はアルフスさん達と別れた後魔女の塔、内部に入る為に受付の列に並んでいる。そして僕の順番が回ってくる。
「ではまず初めに。あなたのお名前は?」
受付の女性が僕に聞く。
あ、名前か。名前、どうしようかな〜
僕はとっさに偽名を考える。
そして先ほどの会話を思い出し。
「えーとあなたの名前は『クロ』さんでよろしいですね?」
「はい」
僕は笑顔で頷く。そして定員さんが少し気まずそうに僕の顔を見る。
「あの〜、一応その仮面を一度、外してもらえないでしょうか?」
受付の女性は僕に言う。そりゃそうだ。
サテルスさんの反応を見て気づいたが僕は怪しすぎるのだろう。
それに今の僕は服装も黒いコートを着てるし正に不審者と言ってもいいだろう。
僕は少し考え仮面を外し顔を曝け出す。
その顔は僕とトリアが出かける時に使ったあの変装顔(素顔)の状態だ。
これで万が一にでも僕がルクスとバレることはないだろう。受付の女性は驚きの顔をする。
「ッ!オ、オッケーです。仮面をつけていただいて構いません」
「ありがとうございます」
僕はまた黒い奇術師のような仮面を顔の上半分を隠すようにつける。
僕はもう受付は終わったかと思い、塔の方に足を進めようとすると受付の人に止められる。
「待ってください」
受付の人はまあまあ大きな声を出す。近くの視線が僕に集まる。
「はい?」
僕は何で止められたのか分からなかった。受付の人はペンと紙を取り出す。
「入場料とこの誓約書にサインしてください」
あ、誓約書ってここでサインするのね。僕はてっきり塔に入る直前に誓約書にサインをするのだと思っいた。
そして僕は一番大事なことを聞く。
「あの、入場料は何ゼニ程ですか?」
「70万ゼニほどですね」
「たっか!!」
僕は絶句する。
おいおい、そんな金額ただの学生が払える金額じゃないぞ!
僕は財布を開け、中身を確認する。そして財布の中にはせいぜい4万ゼニほどしか入っていなかった。
僕は頭を抱え困り果てる。受付の定員さんがまた気まずそうに僕を見る。
そしたら後ろから少女の声が聞こえる。
「その方の入場料は私がお払いします」
その声は先程聞きたばかりの声だった。
「ん?」
僕は驚きながらも後ろを振り返る。そこには先ほど別れたはずのアルフスとサテルスがいた。
「わかり、ました」
受付の人は驚きながらも淡々と仕事をこなす。そして僕に入場券が発行された。
「アルフスさん、ありがとうございます」
「いえいえ、いいのですよ、クロさん。私たちも塔の内部に入る予定でしたから」
「え!アルフス様。この者と一緒に行くのでですか!?」
サテルスさんが驚く。
「はいもちろん」
「くっ!!.......クロさん一緒にチッ、よろしくお願いします」
「あ、はい」
こうして僕たちは一緒に魔女の塔を攻略することになった。
サテルスさんが全く乗り気ではないが。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「おおぉ」
と僕は感嘆の声が漏れる。
「すごい森ね........」
「そうですね.......」
普通に考えたらあんな細い塔の内部にこれほどの広い森が広がっているなんて想像できないだろう。
「じゃ、じゃあ拠点を確保しないと」
「そうですね」
僕はアルフスの案に頷く。
その時。
森の中から一つの影が。魔物だ。
「ギャウガウギャウガウ!」
と意味不明な叫び声を上げながら魔物はアルフスに飛びつく。
とその瞬間その魔物の胴と首が別れる。そして血はアルフスにかからず僕にかかる。
「うえッ!」
僕はそれを全力で避ける。
そしてその様子を見たその魔物の群れが一斉にサテルスに飛びかかる。
だがまた全て一撃。大した剣技だ。僕は少しサテルスに対して感心する。
「ありがとう、サテルス!」
「そ、そんな、メメメ、滅相もない!」
サテルスは頬を染めらせる。
やはりサテルス最初思った通りだけど結構強い。
エルフとはそんなにあった事がないから分からないけど、彼女、多分エルフの剣士の中でもトップクラスだと思う。
僕はさりげなくアルフスに質問する。
「サテルスさんとてもお強いんですね。何者ですか?」
「え!知らないの?」
アルフスは黄色い髪を揺らし僕の方を向く。
え、もしかしてそんな有名な人なの?
この銀髪のエルフの護衛さんが?
「サテルスは今のエルフの剣聖なのよ?」
「え、剣聖!?」
「もっと驚いてもいいのですよ?」
サテルスが鼻を高くして言うが僕はサテルスの言葉には反応しない。それどころではないからだ。
僕は困り果てる。
剣聖、ってなんだっけ?
それとめっちゃ異世界っぽい展開になってきた。
僕は少し興奮する。
あ、変な意味ではないよ?
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
剣聖。
それは1000年前人間が唯一魔女と対抗できる切り札的存在だった。
その力は7本の杖に選ばれた魔女たちをも凌ぐ、もしくは同様の実力を持っていた。
そして剣聖は人類の光だった。剣聖は代々人類を守り続けたが、剣聖は人類だけではなく他の種族も同様、平等に守った。たった一人で。
だがもちろん一人で守り続けるのは限界がある。
それは257代目の剣聖の時であった。
その剣聖の時代の時にはもう魔女は存在せず剣聖は人類の守護者としての象徴、もしくは戦争、政治の『道具』として使われていた。
そしてその剣聖はそれに嫌気がさしていた。
そして一瞬こう思ってしまった。
『人類はなんと哀れで惨めで、醜いのか』と。
そしてその瞬間彼は魔の者に転じてしまう。それは魔女たちからの剣聖への呪いだった。
いや剣聖へと言うより『剣聖』と言う称号を持つ人類に対して呪いをかけた。
人類を守ると言う心を手放した時、魔の者に転じる呪いを。
そしてその元剣聖は魔王と呼ばれる存在になる。そしてその存在が後に100年間続く部族大戦に繋がることになる。
そしてその時から人類だけに誕生していた剣聖は全ての種族から誕生する。
だがその力は元の剣聖たちと比べると十分の一程の力だった。
そして剣聖はほぼ名ばかりの存在になる。
それがルクスが生きる時代から400年前の出来事である。




