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トリアの休日

うーん。今回の話、日常すぎる。

 テトデナ商会の会長であるトリアの朝は早い。


 寝起きで部下に今朝の株の動きや為替の動きを資料で確認し朝食はきのう冷凍しておいたサンドイッチを温め食べる。


 そして会議室に向かい商会の幹部たちと顔合わせ、そしてこれからの商会の指針や目標について確認し、様々な有名企業の会長や社長、代表取締との食事、会談。


 そして求婚の断りなどなどやる事はたくさんあるのだ。


 しかしそんな彼女にも休暇はある。そして今日彼女は休暇である。それも予定の入った。今日は彼女の主と街ブラもとい『主の視線私(わたくし)に大集中大作戦!!!!!!』をする予定である。


 その為彼女は今日気合を入れている。そして彼女は部屋を出る。


 作戦開始。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 僕はカーテンの間から漏れる光が顔に当たり目が覚める。突然だけどショートスリーパーって便利そうじゃない?


 それに言葉の響きがなんかカッコいい。


 だから僕は異世界の魔力パワーと魔法パワーでショートスリーパーになろうと思ったけど不可能だった。


 だから少し自分の脳を魔力でいじってみた。


 もちろん手とかで直接じゃなくて魔力で少し干渉するみたいな感じ。


 あ、安心して。僕は前世で色々な専門学、例えば医学系や脳科学系とかは片っ端から学んでいるから一応手術もやろうと思えばできるから。


 だけど流石に自分の脳、いや脳自体を弄るなんて経験やった事ないから一応ディオとかに見守られてやったんだ。


 結果は成功。


 おかげで僕は普通に人類の限界を超え、30分も寝れれば普段と同じように活動ができるようになった。


 でも前世で聞いた話だけど本当に30分寝ただけで大丈夫だった人がいたらしい。あくまで噂だけどね。


 まあ今はそんな事はどうでもいい。せっかくの夏休み初日だ。夏休みという恩恵を体全体で感じようと思ったが残念なことに今日は予定が既にあった。


「あ、トリアと出かける約束だった。」


 それは前回食べさせたチーズケーキのお礼でお茶をする約束だった。


「でもなーこの格好で出かけると学園の関係者と出くわすと面倒なことになりそうだな。」


 そういえばそれはもう経験済みだった。


 しょうがない。少し整えますか。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 トリアは少し高級なカフェ(商会系列店)の待ち合わせていた席に座っていた。


 そしてそこに平凡な少年とは全く程遠い黒髪の美形な少年、というには少し大人びた雰囲気を纏った人物が一人やってくる。彼は店中の女性の視線を釘付けにしている。


 反対に待ち合わせの席にいる白い髪に金色の瞳をこれでもかと見せつけお淑やかな雰囲気を放っている女性は店中の男性の視線を釘付けにしていた。そして次の瞬間彼女ら彼らの視線はその二人から外れる。


 しかしその二人は相変わらずその場に存在していた。


 ならなぜ急に店内の人間たちの視線が外れたのか?


 それはその席の周りに認識阻害の結界が付けられているからである。


 なので普段は目立つのが嫌いな平凡な少年がその仮面を剥がし彼本来の顔、つまり現在の美形の顔をして現れたのである。


 その顔にトリアはいつも以上に見惚れてしまう。だが別にトリアは主のこの容姿淡白な顔が好きという訳ではない。


 主という存在自体が好きなのだ。そして彼の主は言う。


「うーん少し髪型や顔の色、少し化粧をしただけでこんなに変わるなんて自分でも驚きだけど、もっと僕にとって驚きなのは周りの反応だよ。人間性や性格は変装前と全く変わっていない。なのに外見を変えただけどこの反応。やっぱり所詮人間人の素晴らしいところは内面だ、とか言ったりしているけど、最初の出会いや近づきたいと思う気持ちは外見からと言うのがまさに今の反応で実感するね」


 トリアは頷く。


「そうですね。人間は正しいことを言って他人の評価を獲て満たされたい承認欲求の塊ですからね」


 彼女たちは先程までの気持ちの悪い視線をそう皮肉くくり、最初の話を終える。


「それにしても主様。今日主様の外出に私の様な者をお呼びして下さりありがとうございます!」


 トリアは先程の会話とは全く違うテンションで話を進める。


「まあ前回チーズケーキを奢ってもらったしね」


 とルクスは飄々と答えトリアとは反対側の席につく。


「それで何かお食べになりますか?」


「ん?適当にコーラとかでいいよ」


 彼は適当とか言っておきながら、ちゃっかりと自分の飲みたいものを注文する。


「コーラですね!わかりました!」


 そして定員に注文を終えた後彼女は突然席から立ち上がる。そしてルクスの後ろに行く。そして彼の肩に肘を入れる。マッサージである。


「お、トリアのマッサージ久しぶりだね〜」


「そうですね。主様がまだ小さい時は毎日こうやって二人の時間を楽しんだものです!たまにあの露出狂が割り込んできましたが」


 と彼女は吐き捨てる様にいう。露出狂はディオのことだろうとルクスは予想をする。


 そして彼女は店を出るまでマッサージを続けた。彼らは店外に出る。


 結構長い間カフェで雑談をしていた為あたりは少し暗くなってきている。オレンジ色の光が空を覆う。


 しかし彼らはまだ解散をしなかった。そして彼女たちはその後、カラオケに行き、適当に時間を潰す。


 だがトリアにとってはその時間は人生で至高の時間だった。そしてあたりはとても暗くなっていた。


 彼らは夜道を歩く。なぜ彼らがカラオケで時間を適当に潰していたのか?


 それは何者かに付けられているからである。そしてその者達が何者かトリアには大体わかっていた。


「おい止まれ。男の方に用はないが女。お前は坊ちゃんがおよびだ」


 それはトリアが先日求婚を断った大きな財閥の会長の息子の手下である。


 彼は執念深く欲しいものはなんでも手に入れようとしたのであろう。しかし今回ばかりが標的と時間を間違った。


 そしてその瞬間彼女の主の服装が魔法で一瞬で変わる。それは巷で有名の黒の奇術師と酷似している見た目だった。手下達は腰を抜かす。


「な!前回の放火犯達の仲間かもしれない黒の奇術師がなんでここに?」


「殺さないでくれ!」


「それは無理なお願いだ。なぜなら君たちは僕の顔を見てしまったんだから」


 その翌日その手下達と財閥の息子とその関係者たちが行方をくらませた。


 しかしその事件はそれほど大きな話題としては盛り上がらなかった。

どうでしたか?番外編。明日から本編の投稿に戻ります。どこが舞台で誰が暗躍しルクスはどう行動するのか!ぜひお楽しみください。

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