魔女との舞踏
熱が出たので明日更新ができるか分かりません。
魔女。それはこの世界で龍に次ぐ絶対的存在である。約1000年前この世界は魔女と龍が支配していた。
そこで彼女たち魔女は平穏に暮らしていた。
しかしその平和は突如として終わりを迎える。7つの杖に選ばれた魔女たちが反乱を起こしたのである。
彼女たち7人は自分が世界で唯一無二の存在だと疑わなかった。そして彼女たちは破壊の享楽に目覚めてしまい、各地を破壊して周り最後には杖の保持者同士で殺し合った。
そして最後に残った魔女は自らの行いを悔いて自ら命をたち、そして魔女は絶滅した。
残ったのはその文明の跡だけだった。
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ルミナスが黒の奇術師と仮称した男とユーゴレスが魔女として召喚して女が向かい合う。
両者とも先ほどから動いていなかった。男の腕が少し動く。その瞬間魔女が魔法を放つ。
それは男は華麗に避けていく。それはまるで踊りのようだ。
魔女はさらに攻撃の速度を上げる。それは常人にはその攻防が全く見えないほどの速さだ。
しかしこの男は常人にあらず。魔女の攻撃を余裕に避ける。彼女はさらに攻撃の量と質を上げるが彼は避ける。
ただただ避ける。それを彼らは楽しんでいるようだった。
両者とも最近はこれほどの実力者とは戦えていなかったのだ。彼らは素直に戦いを楽しんでいる。
そしてついに彼が攻撃を仕掛ける。彼女の身体中に刀による切り傷ができる。
しかしそのどれも致命傷ではない。これらの攻撃は全てあいさつ程度なのだ。お互いに。
彼は魔女の魔法を刀で弾き返す。しかし先に限界が来るのは刀の方だ。
それを彼は感じ取った。その為彼は魔法を発動させる。
「アイスソード」
と彼はいい無数の氷の柱が顕現する。そしてそれらは魔女の魔法を相殺する。魔女は驚きの顔を見せる。
それに魔法は相殺されていなかった。数本の魔法が彼女の方まで飛んできていたのだ。
彼女は新しい魔法を出してそれらを相殺しようとする。
この通り二人の戦力差は圧倒的だった。
魔力だけで彼女の全力と対抗に戦える存在を彼女は今日初めて見た。
それにそんな彼が魔法を使い出したのだ。もう未来はわかっていた。彼は彼女のほんの一瞬の隙をつき距離を詰める。
彼は言う。
「さよなら」
先程までの情熱的な戦いの締めには似合わない簡素な言葉で戦いは締めくくられた。
彼は魔女を切り伏せた。彼女の体から魔力が漏れ続け最後はチリとなり消えていった。
それを彼は寂しげな目で眺めていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ルミナスは目が覚めた。
そして自分の今の状態を的確に判断する。引きずられている。それが今の状況だった。
手足は麻酔薬でも使われているのか動かなく、意識だけがあるような状態だった。
誰かが引きずっている。それはもちろん黒幕であることは彼女にはわかっていた。
問題はそれが誰か?
彼女は黒幕の顔を覗き込もうとするが瞼が重く半分しか開かない。しかし驚くべくものは見た。
服の袖の部分にフソーラ王国王族の家紋が書かれていた。ルミナスは息を呑む。
それが聞こえてしまったらしい。
「あ、あれれ?お、起きてるの?ちゃ、ちゃんと眠、眠らせようと、し、したのに?お、おか、しいな?」
この独特な口調。彼女は覚えがあった。一回ほど社交の場で喋ったことがある。彼女は震える口で彼に言う。
「あなただったのですね。犯人は。フソーラ王国第八王子のフェニクス王子!」
その王子の顔は狂気に染まっていた。
彼は自分のまつ毛を一本抜き取る。彼は紫の髪を揺らしながら答える。
「ふ、ふ、よ、よくわかった、ぼ、ぼぼ、僕がはんに、犯人っ、てて。」
彼は生徒たちを引きずるのをやめる。そしてルミナスのオレンジ色の髪の毛を引っ張る。
「興味ぶ、深いじ、実験た、体だ。ひっ、っひ、ひひひひひ。」
「実験?何のですか?」
ルミナスは彼の異常性に驚きながらも会話を進めていく。
「じ、人工ま、魔石の、のだよ。」
「人工魔石の!?」
「あ、ああ、あれはに、人間の命を、を使ってつ、作るんだ。さ、最近材料が、が足りなく、なったからと、取りにき、来たんだよ。」
ルミナスは衝撃だった。彼女がつけていたペンダントや生活の中で今では当たり前に使われていた人工魔石が人の命をすり減らして製造しているものだったのだ。
それは命への侮辱、そうも取れる行動だった。
「あなた、人の命を何だと思っているの!?」
「う、フヒ、ひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひひ」
「な、何がおかしいの!?」
「人間の命?それも実験のど、道具さ!」
彼女は一瞬彼が初めて噛まないと少し期待したが最終的には噛んでいた。彼女は話を続ける。
「あ、あなた良心とかはないの?」
「それが実験に必要か?」
彼は冷たく言い放つ。初めて彼は噛まなかった。それが彼の感情を表現している。彼はニヤリと笑う。
「つ、次の、の魔石は、はお、お前らだ。イヒ!」
「ッ!」
彼は言い切った。それに彼女は恐怖した。抵抗をしたいがそれはできない。
彼女たちは絶体絶命だった。
彼女は姉に祈った。
『姉様、我儘な願いだけどお願い、力を貸して!』
そう彼女が願った、その時、廊下中に突風と規格外の魔力が溢れ流れ出した。
それは一人の人物から発生していた。
「こ、これは、な、何だ、だ?」
フェニクス王子はあからさまに動揺する。これは彼の思惑通りではなかった。
そして一人の人物がこちらに近づいてくる。コツ、コツ、コツ、と一定の速度を保ちつつソレはこちらに近づいてきていた。彼はブーツを音をたてながらこちらに近づき一定の距離で止まる。
その人物は先程ルミナス王女が黒の奇術師と仮称した人物であった。
その人物がこちらに近づいた時にルミナスの意識は落ちた。彼女は深い眠りについた。
そんな彼女をよそに彼は王子と話をする。
「久しぶりですね」
「お、お、お前は、はだ、誰だ、だ?」
その時奇術師は少し拍子抜けな顔をした。
「あれ分かりませんか?」
彼は手で自分の仮面を取る。フェニクス王子はその顔に見覚えが微かにあった。
「ま、まさか、ルクスか?」
「フッ、9年前の復讐に来ましたよ」




