闇の中.........
「成功したな」
暗い闇の中の中爆発した寮を見る黒い陰が二つあった。彼らの今回の任務は火の手をあげてこちらに周囲の視線を向けると言う、陽動である。そして彼らは寮が燃えるのを確認しその場を離れようとする。
そして後ろを振り返るとそこには、顔の上半分は奇術師のような仮面。服は、黒いフードが付いたコートを前を閉めずに、その下には黒い装飾された服を、足には黒く光るブーツを履いた少年が立っていた。
「チッ、見られたか」
と彼らはその少年を少し不気味に思い剣を振りかざす。だがその時には彼はもう生きていなかった。
体が腰から半分に切り倒され、数メートル下の地面に彼は落ちる。もう一人はその圧倒的な実力に魅入られ、ただただ呆然と立っていた。そして彼は首から上を両断。
そして彼も後ろに倒れ、数メートル下の地面に激突する。そしてその死体を見た住人は叫び声を上げるが屋根の上にいる黒いコートを着た少年には気づかなかった。
彼はコートを翻しその場を後にする。そしてそこに一人の人物が合流する。イケさんである。
「流石でございます」
と一礼し彼に近づく。イケさんの言った作戦の合図。それは今回の寮の爆発であった。敢えて相手の作戦の開始と被せる。だがそれが一番今回は対応しやすいのだ。そして次の瞬間各地が爆発する。これら全てが相手の陽動。
だがこちらが陽動だと知っている時点でそれは意味をなさない。なので今回は主人が自由に動ける、とイケさんは心で状況を整理する。
そしていつの間にか彼の主は消えていた。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
「第四地区の食糧備蓄庫も爆発されました!」
「第一地区の学園学生男子寮が全て爆破されました!」
「第二、第三地区の住宅街の一部も爆発されました!」
「しかしどれも事前に人員を退避させていたため人身被害はほぼゼロです!」
特別警察の捜査員たちが次々に被害報告をしていく。
そしてそれを特別警察の長の一人でもありセブンナンバーの一人、SS+ 忠犬 フェデスが報告を聞く。
「わかりました。さらに情報の収集をお願いします。それとこれが敵の陽動であることを忘れずに。」
「はっ!」
彼らの今回の役目は敵の陽動である爆破に人的被害を出さない事そしてもう一つは主の復讐の邪魔をしないこと。それが彼らに背負わされたミッションである。彼らはそれを命にでも変えて果たすつこりだ。
しかし現場は彼らが思うほど荒れていた。
「避難場所にも火の手が上がったぞ!」
「こっちもだ!」
「いや、もう首都中から火の手が上がっている..........」
「だが、次の避難場所がないと俺らには命令しかねるぞ?」
「どうする........」
「上層部から連絡が来た!」
「やっとか、」
「避難させる場所は、地下空間らしい」
「え!あの空間は極秘空間なんじゃ.........」
「だけどもう避難させる場所がないのも事実だ。」
「上も対応に遅れているらしい」
「何せ今回の指揮は四柱の皆様ではなくセブンナンバーの皆様が揮られるからな。」
「まあいまゴタゴタ言ってもしょうがない。俺らのやるべきことをやるだけだ。主様の為に!」
そして彼らは結束し、また仕事に戻った。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
さて、ここで話は急に変わるが皆さんに問いたい。
万能とはなんだろうか?
『万能』それはよく知られている単語でもあり使われている単語でもある。しかしこの言葉が正しく使われている機会はほぼないだろう。万能なものなど存在しない。
それが彼の仮説だった。
しかし彼が異世界に来て初めてその仮説を打ち破る存在に出会った。魔力、いや正確に言うと魔素である。
何が万能か?
いやすべてが万能だ。
この魔素は魔法として、行使する事でさまざまな物質に変わる、変換する事ができる。
魔素は火にも、水にも、肉体にもなんでもなることができる、まさに万能物質だ。そして彼はあるところに目をつけた。それはその物質が違う物質に変わるためのエネルギーである。
彼の予想ではそのエネルギーは尋常じゃない程大きく多いと考えた。
そして彼の仮説は今度は正しかった。
彼は魔素からエネルギーだけを取り出すことに成功した。
成功したが、そしてまたそこで面白いことが起きる。
そのエネルギーが消えたのだ。
彼は謎だった。そして彼は謎を解き明かす。
エネルギーが消えた理由。それは、魔素のエネルギーは魔素としてしか存在できないからである。
しかし更に謎のなのは、魔素は魔素としてしか存在できないことである。しかしそれは彼まだ研究中である。
そして彼はそのエネルギーが消えるのを応用する技を考える。
それがーーー。
◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
ルミナスはその足音を耳を研ぎ澄ませ聞いていた。
コツ、コツ、コツ、コツ、コツと一定のテンポでこちらに近づいてくる足音に。
そしてその足音は途中で止まる。話し声がかすかに聞こえる。それは彼らを誘拐したユーゴレス教師の声だ。
「お前、何者だ?」
しかし相手は答えない。
「おい、もう一度聞くぞ?お前は誰だ?」
「知る必要はない。」
それはルミナスが聞いた事のある様な声だったがそれが誰か思い出せない。
「知る必要はないか、じゃあ死ね!」
そして剣がぶつかる音が廊下を響く。それは強者同士の音だった。廊下の中で突風が巻き起こる。天井が崩れ壁にヒビが割れ、破片が飛び散る。そしてぶつかり合う音。これはどちらが死んでもおかしくない威力だった。
しかし飛ばされたのはユーゴレス。牢屋の目の前まで飛ばされる。彼は舌打ちをし言う。
「お前のこの圧倒的な実力。表に出れば忘れない程強力な力だ。だが俺は今日お前を、その力を初めて見る。これまで力を隠していたのか?」
「・・・・・」
少年は喋らない。答えない。
彼、ユーゴレスはこの国でも結構の実力者だとルミナスは思う。その彼が何もできず赤子のように弄ばれている。
この黒いコートを着て、顔上半分を隠している少年に。
ユーゴレスは言う。
「力を隠すことに意味はない!そして力の使い方を考えないお前に力をもつ資格はないんだよ!」
「力の使い方など知ったことか。自分の使いたい時に使う。自分の欲望の為に力を使う。それが真理だ。」
「お前みたいな奴が。何も知らないで平和に暮らしてた奴らを殺すんだよ!」
ユーゴレスは過去の光景を今でも鮮明に覚えている。
圧倒的強者による村の蹂躙。
そして自分の腕の中で息絶えた我が子。そして一人残った自分。
そのため彼は圧倒的な力を自分勝手に使うものを許せないのだ。
彼女は彼が味方か敵かわからなかった。見るからに怪しい格好。それと謎の実力。彼女には彼らの仲間割れにしか思えなかった。
その理由は先ほど挙げた2点ともう二つ。
それはルミナスはこの事件に黒幕がいると予想、いや確実に存在していると思っているからだ。まず今回ユーゴレス教師が彼女たちを誘拐してもほぼなんのメリットも存在していないのだ。
それともう一つ。それは、個人、それにいっかいの教師がこのような地下施設をもてるわけがないのだ。
これが残りの二つの理由である。
そして次の瞬間ユーゴレスの体が膨れ上がりさらに筋肉質な体型になる。そして頭には日本のツノ。それは人間ではなく、鬼人種の特徴だった。これには流石の彼も驚いたようだ。
彼、いや、仮に彼を黒の奇術師と仮称しよう。
その彼も仮面越しに目を見開く。そして次の瞬間ユーゴレスが腕を振る。そに瞬間凄まじい突風が巻き起こる。
これは先程の比ではない威力だ。
彼、黒の奇術師が廊下の入り口まで飛ばされる。
そして彼が飛ばされた方向とは逆の方から一つの足音が聞こえる。
ルミナスの予想は的中する、いやしてしまった。
黒幕である。
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