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記憶を辿る

 僕はその日久しぶりにイキオとメガネと登校した。二人の謹慎処分が解かれたのである。


 僕はどうせなら退学にした方が良いのでは?


 と思ったがもちろんそんなことは口には出さない。二人の反応がめんどくさいからである。


 それに今もめんどくさい。


「で、したんですけ?してないんですか?」


 メガネが眼鏡を指で押し上げながらいう。


「いや、どっちでもいい。まずまずお前がルミナス王女と付き合ってるのが許せねえ。俺が殺してやる。」


 イキオがイキオスマイルで言う。僕は今まさに肩身が狭いと言う言葉が似合うだろう。


「何もないに決まってるだろ?あんな性悪王女」


「何言ってるんんですか?学園の ”エンジェル〟 に向かって」


「そうだぞ、ルクス。お前なに言ってるんだ?あの天使が性悪王女なわけないだろ?」


 そう言えばそう言う感じの設定だった。


 僕は彼女の学園での評価を思い出し苦笑する。


 そう僕は学園のエンジェルの裏の顔を知った悲しき人間なのだ。


 まあエンジェルとは前から思ってはいなかったが。だがどうせなら裏の顔を知りたくはなかったかもしれない。


 と僕は確認したがどうでもいい。


「で、したんですけ?してないんですか?」


 また話が最初に戻った。


「だから何もないって」


 と僕。今日も平穏で退屈な日々だ。


 だがもしかしたらやはりこれが僕の求めたスローライフなのかもしれない。と再三思うがそれは違う。


 違う違う違う違う違う違う。違うー!!


 そうじゃないんだよ!!


 異世界スローライフはそうじゃない。


 農業とかやったり、狩りをしたり王都からの使者を突っぱねたり、仲間と暮らしたり、国が危険になったらしょうがねーなと言って助けたり、でその時過去の異名が明かされたり、そんな事をやりたいんだよ!


 断じて学業にめり込む物ではない。


 それと自分のガチャから出た仲間たちに仲間外れにされたり現実はいい事が全くと言って良いほどない!!


 とそんな事を考えていたらもう学園の近くにいた。そしたら校門の前が詰まっていた。


 また手荷物検査だろうか?


 隣を見たらイキオとメガネの冷や汗がすごかった。トラウマになってしまったのか。


 だけど今回は手荷物検査ではないと思う。僕らは校門前に近づく。


 簡単に言うと学園が立入禁止区域になっていた。


 教師が校門前で説明している。今日は休校らしい。


 僕ら生徒は校門前で大喜びしたかったがそれは少し気が引けた。


 学園で事件が起きたのである。


 それも3年前と同じような失踪事件である。



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



「それにしてもこの後どうしますか?カフェでお茶しますか?ルクス君の奢りで」


 カフェで僕の奢りで買ったコーヒーを啜りながらメガネが言う。


「そうだな、そうしよう。それにしても誰が失踪したんだ?」


 イキオがまるで僕がコイツらに次もカフェに行ったとき奢ることは確定のような感じで話を変える。


「いまは調査中だってさ。」


 と僕。ちなみに調査中かどうかは知らない。なんとなく言っただけだ。知らない。知ろうとも思わない。


 多分僕には関係ない。まあアイツには関係あるかもしれない。


 ?


 そして僕らはカフェを出た。ちなみにここはある商会が運営しているカフェだ。なぜか僕らの代金は無料だった。


 僕らは適当に街ブラをした後別れた。そして僕はあいつと待ち合わせがあったような気がして噴水前で待つ。


 ??


 だけどあいつは来なかった。


 ???


 あいつって誰だ?



◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇



 僕は謎の人物との謎の待ち合わせがなかった後ある商会に行った。


 そう言えば前回は名前を言っていなかった。その商会の名前はテトデナ商会。


 表向きは株式紹介だけど本当は国営だとトリアが言ってた。そして僕は定員さんに声をかける。


 定員さんは少しびっくりしたような顔をして僕を案内する。ちなみに商会内のルートはもう覚えた。


 そして大きな扉が開く。


「主様。今日もよくお越し下さいました。」


 トリアが目を輝かせながらいうが次の瞬間目を曇らせる。


「主さま。失礼ながら魔法がかけられております」


「え!本当?僕が気づかないなんて。もしかしてまだ修行が足りないのかな?」


「いえ主さまほどの魔法に対しての体質を持たぬ人間がこの魔法をかけられれば他者も魔法をかけられた本人も魔法をかけられた事をを認識できないと思います。」


「つまりほぼ僕以外は魔法をしっかりかけられちゃうのか」


「そうだと思います」


 トリアは頷きながら言う。


「解除しますか?」


 トリアは僕に聞く。


「うーん、あ、少しお願いしたい事があるんだけど」


 と僕が言うとトリアが目を輝かせる。


「はい!なんでもお申し付けください。」


「じゃあこの魔法の発動者を僕たちが認識する事はできる?」


「それは..........」


「あ、できないなら無理しなくても良いけど。」


「いえ!できます。ですがもしそれをするなら.............ディオの力を借りることになります」


 そうだった。


 ルクス四柱 二忠のディオは僕のカードから二番目に出てきた天才科学者兼最高峰の魔法知識保有者だ。


 異世界での科学者はマッドサイエンスシストが多いけど彼女は非常に温厚だし社交的な人間だ。


 だけどプライドの高いトリアとは相性が悪くトリアは少々乗り気ではないようだ。


 まあ今はディオに頼るとしよう。


 その後僕トリアの商会の地下まで案内される。


 そして普通の大きさの扉が目の前にある。そしてトリアがそれを開く。


「こちらの地下通路は我々の本拠地まで続いています。」


「本拠地」


 僕は言う。そんなものいつの間に!


 いや昔連れてってもらったか。どこかは忘れたけど。


 「そこでディオにお願いすれば良いと思います。」


「ありがとうトリア。じゃあ行ってくるわ」


 と僕はそう言い地下通路に足を踏み入れる。一言でその地下通路を表現するなら真っ暗だ。


 僕は魔法で光もとい小さな炎の塊を作り出す。それが辺りを照らす。


 そして僕は歩き出す。ちなみに一人僕に定員さんがついてきてくいれている。トリアが見送っている。


 そして僕は思う。


 何かを忘れてしまっている気がする。

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