2-8 ゆーあーまいふぁびゅらすばるれ
お久しぶり、福寿草です。
1-4の消失などいろいろありましたが無事投下できました。
今回でのんびりな日常編は一旦終了です
それと、末永い目で見て下されば幸いです
机の上には、変な象の顔がついたヘルメット、いかにも貴族が使ってそうな宝剣、いまいちよくわからない四角い箱、綺麗な髪飾りに赤色の宝石の埋め込まれたネックレス、ほかにも魔術書?や胡散臭そうなドラゴン像などいろいろおかれている。
俺は取り敢えず、いろいろ装飾された魔導書を手にとり鑑定した。
・幽夢の書
著者は不明だが、かなり昔にかかれた魔導書である。
内容は主に幻惑系の魔法や、古代に廃棄された魔法とされる。
第一危険書類である
「それね、鑑定したと思うけど、第一危険書類だから封印されてるのよねー!でもー、その本に認められるなら読めると思うよ」
ミッシェルさんは付け加えるように言ったけど超いわくつきじゃん。てか読めない可能性があるのかよ!
そんなことを思いながらも、気になっていたことを聞くことにした。
「あの、『第一危険書類』って何ですか?」
明らかに怪しい。危険書類にかわりないが、一応きいておく。
「えとね、簡単に言うとー、トップシークレット的な?危険書類ッてあるけどー、本に危険とか殆どないしーまぁ、政府が知られたくないと思った内容が記述されてる本ねー」
何それ気になる!!
好奇心は時に猫をも殺すと言うが、なんかめっちゃ気になる。
ていうかそんなもの処分すればいいのに。
「今さ、処分すればいいとか思ったー?」
ギクッ
この人はエスパーかなんか!どっちかというと、魔法だと思うけど。そんな間にもミッシェルさんは続けて言う。
「その顔は当たりかな?まぁ、確かにその通り!処分で.き.れ.ば.いいわよねー」
「どういうことですか」
フウがきく。できればいい?どういうことだ?
「できないのよ。第一危険書類とまでなると、かなりすごい学者が書いてるわ。その場合、何かしらしかけがあるのよ。燃えないとかー、魔法で守られてるとか!この本の場合は管理人かしらー?」
「管理人って、手元離れてしまえばどうにもなりませんよ」
「ちがうわよー本に住んでるの」
「何それメルヘン!」
「多分ちょっとちがうよリオ君」
ここでナンシーも話にまざる。
「そう、ちがうわねーというかナンシーいたの!?あまりに影が薄くて気がつかなかったわ!」
「いたよ!フウちゃんとお茶してたよ」
「フウちゃんはずっといるわよー」
「私だけいないみたいにいわないで!?」
「まぁ、「無視すんな」本にすんでるっていうのは、その本に封印されているというかやどってるのよ。妖精や守護獣とかがねー」
「それで守っているんで...んすか?」
フウが口にスプーンをくわえながら言う。
俺が何度注意してもこいつの食べながらしゃべる癖はなおらない。いやさ、食うのあとでもいいよね!
「そう、リオくんならこの本読めると思うわ。どうー?」
「ここまで聞いといて買わないのもなんですし、かいますよ」
「はい、お買い上げありがとうどざいまーすー!残りの二品はなににするー?」
「じゃあ、そこの赤い石のネックレスと髪飾りください」
「今度は選ぶのはやいのねー?というか髪飾りは女物よー?」
「ああ、いいんです!フウにあげるので、いそうろうとは言えいろいろ手伝ってくれますし、うちの従者は有能なんでまだまだ働いてもらわないと困りますから」
「リオさま、大好きですー!ウグッッ」
フウがリオにとびつこうとしたのに、リオが蹴りを入れた。
でも、なんだかんだでフウはリオの自慢の従者なのだ。
能天気で天真爛漫、何時だって無邪気、それがフウなのだ。
「リオ君は優しいのね「はい」フウちゃんはリオ君大好きだもんねー」
ミッシェルの言葉にフウが即答する。
「リオ様を傷つけるものは誰であろうと許しませんから」
そしてまた、とびっきりの笑顔でフウが言った。
「リオ君も大変ね」
「ええお互い苦労しそうですね」
「「だけどあれでこそ、なんだよね(ですよね)」」
「「ん?」」
ミッシェルとフウが首をコテッとかしげる。それに思わずリオとナンシーはため息をついた。
天才はいつだってどこか変わっている。それが凡才にないものなのかもしれないとナンシーは静かに思った。
「じゃあ、商談もおわったし、私とナンシーはもう帰るねー。他にもなんかあるー?」
「あっ、できれば村の建て直しとかできればいいなと思っています。残りの必要なものは村の人に頼んだので平気です。でも商会でやる仕事じゃないですよね...」
「いいえ平気よ!ミッシェル商会はなんだって引き受けるわ。じゃまた今度、建設の時にねーそれとお菓子美味しかったわ」
ミッシェルは何ももっていなかった手から手品のように飴をだして食べながら帰った。
「なんだか、不思議な人でしたね」
「お前が言うか!?お前が」
「えー、一番不思議なのはリオ様だと思いますが」
「なんか言ったか?」
フウが何か小声で言ったが、いまいちよく聞こえなかった。
ただ、その時フウが遠く先を見ているような目だったのははっきりと覚えている。まるで最初出会ったときかのように。
だけどすぐにフウはまた能天気な笑顔に戻った。
「いいえ何でもありませんよ!それよりリオ様ネックレスつけてくださいー」
「それよりって」
「リオ様はやくー」
少しせかすようにフウは言った。
ネックレスも髪飾りも今のフウにはすこし大きくて、それでいてすごく似合っていた。
「えへへ、似合いますー?」
フウはクルリっと回ってみる。
いつもは食っているか、寝ているか、遊んでいるか、刀をふっているかの四択だが今の姿を見るとリオはフウも一人の女の子なんだなと改めて思い、少しだけ微笑ましいような不思議な気分になった。
「はいはい似合ってますよーあと夕飯にするけど何がいいー?」
「グラタンがいいですー!」
いや、前言撤回。やはりこいつはいつも通りだ。
まぁ、これでこそ彼女は彼女で、フウで、俺の自慢の従者なのだ。
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
そして本の中でも。
「ふふ、リオ・アルリアとフウ・メイデスですか。運命に従わない少年に血塗られた少女。姫様?私も物語に加わって差し上げるべきですか?もちろんやりたいようにやらせていただきますの。なので私もそろそろ動かせていただきますの。すべては姫様のために」
暗闇のなか一人祈りをささげる。
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描いてキャラがいましたらコメントしてくだされば、描くかもです。
みたいシーンやストーリーでも構いません




