表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
【第三章完結】ゲーマーはゲームのような異世界に転生して最高の人生を掴むようです  作者: 星海亘
第4章 飛び立つ鳩と紫の花

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

121/123

第118話 暗躍




 ルクスたちのもとに合流したバートとヨナ。無事な二人の姿にルクスたちは喜んだ。

 バートはルクスにヨナの事情を簡単に説明した。


「で、ルクス」

「なに?バート」

「ヨナ様のお姉さんが今、どこにいるかルクスのスキルで分かる?」

「んー、聖女様のお姉さんのお名前は?」


 ヨナは一縷の望みをかけて、口を開いた。


「ブレアです」

「はい、検索してみます……。うん、現在地は、神聖オウル法国コットン村だね。詳細を見ると、ナダブ枢機卿にお金を貰った両親によって、監禁されている状態みたい。……助けたい?」

「うん、お願いルクス」

「わ、私からも、お願いします。ルクス様」

「了解。任せて。ちょっと、準備する必要があるから、王都に戻ってから、行くよ」


 ルクスは『自由の羽』で、王都アルヒに向かった。

 グラジュスの影の諜報員が集まる、酒場『亡霊たちの宴』にルクスはやってきた。

 珍しく賑わっている亡霊たちの宴に入るのを躊躇していたルクスは、背中を押されて、中に入ることとなった。

 ルクスが振り返ると、そこにはグラジュスの影の団長、モークスの姿があった。


「久しぶりだね、モークス」

「おう、久しぶりだな、ルクス。どうしたんだ、今日は?」

「モークスの方こそ、どうしたんだ?『亡霊たちの宴』にこんなに諜報員を集めてさ」

「ああ、定例会議だな。半年に一回、各地から集めた情報を纏める作業をしている」

「へえ、じゃあ、神聖オウル法国から戻ってきた諜報員もいるのかな?」

「ああ、いるな。ドナタス!」


 ドナタスは、三年程前にルクスがグラジュスの影の団長であるモークスに接触するために案内をしてもらった団員だった。


「あ、お兄さん」

「え、あ、あのときの坊やってことは、貴方がルクス様?」

「うん」

「あー、いつもお世話になっております」


 と言いつつ、ぺこぺこするドナタスを見たルクスは前世でサラリーマンをしていた自分の姿に似ているような気がした。

 ドナタスはスーツなんてものは着ていないが。


「お兄さんはドナタスさんで良いんだよね?」

「ああ」

「ドナタスさんは神聖オウル法国に入り込んで情報収集してるんだよね?」

「おう」

「じゃあ、俺を法国に連れて行ってくれるかな?」


 そう言って、ルクスは虹色の羽をドナタスに見せた。


「もしかして、自由の羽か?でも、自由の羽は一人だけしか使えない筈……虹色ってことは、まさか」

「そう、これは複数人一緒に転移できるアイテム──自由の虹羽だよ」

「ルクス様はやっぱり只者じゃないな」

「そう?ま、当然だよね。それよりも、早く法国に行きたいから、王都の外に出ようか」

「あ、うん」


 自由の羽は王都の中では結界によって使えないので、王都から出る必要がある。

 二人は王都から出て平原にやってきた。


「あー、これって、手を繋げば良いのか?」

「うん」


 大人であるドナタスと子供のルクスが手を繋ぐと、まるで、親戚のお兄さんと子供のようだ。


「法国のどこへ?」

「まずはコットン村に」

「了解。……【コットン村】」


 二人は光に包まれて、コットン村にやってきた。

 ルクスはマップを頼りに、村の端にある家にやってきた。

 木戸には錠前がつけてあり、鍵が閉まっていた。

 ルクスは高温の青い炎をイメージして、錠前を焼き消した。

 そして、ルクスは木戸を開いた。

 中には、黒髪に紫の瞳の美女がいた。


「ブレアさんですね?」

「え、えぇ」

「妹さんから話は聞いています。我々と一緒に、妹さんのいるアルヒ王国へ行きませんか?」

「でも……」

「貴女は実の両親に監禁されている。今、この機会を逃せば二度と助けは来ないかもしれませんよ?」


 少し思案したブレアは決意した様子で、顔を上げ、頷いた。


「アルヒ王国に行かせてください」

「はい、じゃあ、ドナタス、ブレアさんをお願いね」

「おう」


 ドナタスはブレアをお姫様抱っこで抱き上げた。


「じゃあ、アルヒ王国に帰るよ」


 ルクスは自由の虹羽を取り出し、ドナタスの腕を掴んだ。


「【王都アルヒ】」


 ルクスたちは光に包まれ、王都アルヒの城壁近くに転移した。

 ブレアは目を白黒させている。


「とりあえず、俺の屋敷に行こう」

「あ、あの……」

「なんです?」

「私、歩けます……」


 ドナタスはそっとブレアを降ろしてあげた。


「じゃあ、俺の屋敷に行こう」


 ルクスとドナタス、ブレアは職人街にあるルクスの屋敷にやってきた。


「ベネディクトゥス」

「ルクス様。……そちらの方は?」

「実は……かくかくしかじか」


 かくかくしかじかでは全く伝わらないので、ルクスはちゃんと説明した。

 そして、ブレアをベネディクトゥスに任せた。


「じゃあ、よろしくね。行こう、ドナタス」

「ルクス様、もう日が暮れます。今夜はこちらでお休みになっては?」

「いや、夜になったらやりたいことがあってね。じゃあ、行ってくる」


 ルクスはドナタスと一緒に王都を出て、自由の虹羽を取り出した。


「じゃ、ドナタス。法国の法都に行こう」

「へいへい」


 ドナタスは自由の虹羽を受け取り、ルクスと手を繋いだ。


「【法都オウル】」


 光が二人を包み込み、いつの間にか、法都の近くにいた。


「さてと、ナダブ枢機卿はどこにいるかな?」


 ルクスはマップを起動して、法都を検索して、ナダブ枢機卿の居場所を見つけた。


「ふうん?貴人街ってところのお屋敷にいるのか……」

「ルクス様、俺にも作戦を教えて貰えませんか?」

「ああ、神殿とナダブ枢機卿の屋敷の中を探して不正とか罪の証拠を握るつもりなんだ。作戦は特にないよ」

「特にないんですねぇ……」


 ドナタスは呆れたような表情を浮かべた。


「じゃあ、俺は中に入るから、ドナタスは先に戻って良いよ」


 ルクスは自由の羽をドナタスに渡して、認識阻害の魔法を自身に掛けて、飛翔した。

 マップを頼りに神殿にやってきたルクスは、三階のバルコニーから中に入り、ナダブ枢機卿の部屋にやってきた。

 金庫があったので、金庫の鍵を見つけ出し、鍵を開けたルクスは、金品以外の不正の証拠らしき手紙や書類をアイテムボックスに入れた。

 ついでにナダブ枢機卿の屋敷にこっそり潜り込んで、隠し部屋らしき場所にあった書類やら手紙やらもアイテムボックスに入れた。

 ナダブ枢機卿の屋敷の地下には人身売買を目的としているのだろう、多くの幼い子供が収容されていた。

 カチンときたルクスは黒い仮面を被って法王の部屋に直撃した。


「何者かな?」


 優しげな老人が柔らかな声でルクスに語り掛けた。


「通りすがりの正義の味方です。これを」


 ルクスはアイテムボックスからナダブ枢機卿の悪事が分かる書類と手紙を纏めて法王らしき老人に渡した。

 老人は書類に目を通した。


「ふむ、ナダブ枢機卿がこのような……なにか裏がありそうな男だとは思っていたが……」

「それだけではありません。彼の屋敷の地下には何の罪もない子供たちが大勢牢に閉じ込められています。恐らく人身売買が目的でしょう」

「そのような非道なことまで……すぐに、聖騎士や神殿騎士たちを動員して、制圧しよう」


 法王らしき老人は、机の上にある小さな鐘を鳴らした。

 足音が廊下から聞こえてきたので、ルクスは窓から出ようとした。


「待ってくれ、君の名前は?」

「名乗るほどの者じゃありません。では」


 ルクスは認識阻害を使って、姿を眩ませ、飛翔して、法都を離れた。

 そして、自由の羽を使って、バートたちのいるアルヒ王国西部に向かった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ