Side Process[あの日の会話]Flow5
「なんですって!? 私に、犯罪者を隔離するのを手伝えと!?」
とんでもないことを聞いた、という様子の囚人。
「私には、貴公は囚われるべきでないものに囚われているように見えてならない。私の活動を手伝ううちに、それが見えてくるのではないかと思う」
「今の私に、見えないもの……」
囚人は、答えのない問いの答えを床の上に探すように目を落とした。
「貴公もいまは混乱しているだろう。部屋と食事を用意してある。すこし考えをまとめてみてほしい」
ジャケットの男はそう言い、何もない空間に扉を出現させた。
◇ ◆ ◇ ◆ ◇ ◆ ◇
囚人は少しばかり食事と水を摂り、身体を休めて考えていると、ジャケットの男が再び現れた。
「貴公、気分はどうだろうか」
「幾ばくかは落ち着きました。しかし、罪人たちを、元の世界から異世界に隔離するなど……」
ジャケットの男から目を逸らす囚人。
「納得がいかないか?」
「いきません。やはり罪人は裁かなければいけないと思います。しかし、昨日貴方が言ったように、罪人が罪を犯すに至った内的要因に対して、罰が重すぎることがあるというのは、自分も知っています……」
「うむ」
囚人は自らの両手を眺めて、言葉を発する。
「そして貴方の言葉で、確かに私は少し、救われた気がするのです」
「それならば良かった」
そして囚人は覚悟の宿った目で、ジャケットの男を見て、決意を口にする。
「……なので少しの間、自らの罪を客観的に見つめなおすために、自分がこれからどうすれば良いかを見つけるために、あなたを主とし、命を救っていただいた恩をかえすためにもその活動に協力してみようと思います。……バールーフ・アヴィティウス様」
「よろしく頼む。だが、これから貴公が転移する世界は、貴公のように青い肌の人間はいないのだ。幻覚魔術でごまかすこともできるが……ひとまず、貴公の肌を隠す鎧などを見繕わねばな、ライヒアルト・エルゴー」




