Side Process[あの日の会話]Flow4
「人に自由な意思は存在しない? そんな、馬鹿な……」
囚人は唖然とした。目の前の男が、そんな主張をすること自体が信じられなかった。
「しかし、貴公にはわかるのではないか? 貴公を味方殺しに走らせた原因、そのうちに、本当に貴公の内的要因はあっただろうか? 全てが外的要因であったとはいえないか?」
「……私の口からは、とてもそんなことは申し上げられません。」
囚人は真面目な男なのだろう。「自分には何の責任もない」と言うようなことはできないようだ。
「だろうな。しかし、私は内的要因の大きさと罰の大きさが極端に大きい例を無数に見てきた。そして、思った。彼らを助けることはできないか、と。」
「罪人を、助ける? 貴方はなにを?」
罪を犯した人物に向かって「助ける」というのが、どういうことか囚人は理解できなかったらしい。
「私は無数にある世界を自由に行き来できる。あるものを異世界や隔離空間に移すことができる。それを使い、内的要因に対して重すぎる罰を負わされたものを隔離し、元の世界が、犯罪の原因をしっかり考え、特定できるようになるまで匿っているのだ」
「なんてことを……そんなことを、貴方ひとりで決めていいと思っているのですか?」
囚人が生きていた国は、民主主義による法治国家だった。ゆえに、そのような疑問が口をついて出たのだろう。
しかしジャケットの男の答えは、囚人の予想を超えていた。
「集団で考えて、間違った答えをだす大衆よりよほどましだと思っているが」
「なっ……」
その考えが理解できず、囚人は絶句した。
そして囚人に、さらに理解できない言葉が掛けられる。
「貴公、私の活動を手伝ってみないか?」




