Side Process[あの日の会話]Flow3
「世界で起きる出来事には、全て原因がある。例えば、古来は神の怒りと考えられてきた雷も、現在は起こる原因を外部に持つ気象現象だと分かっている。人の意志も同じなのだ。何かをなそうとかんがえた時、そこには外部からの原因があったことと、それに対する反応しかない」
「つまり貴方は、私が味方を殺そうとした原因は私にはないと……」
粗末な服の男・味方殺しの囚人は、信じられない、というような表情を浮かべる。話の内容は自分に有利なもののはずなのだが。
「むろん、全ての原因が貴公の外側にあったわけではない。過去の貴公の行動も、現在の貴公の行動を決定する原因になるからだ。それは内的要因と呼ぶべきだろう」
「では私は、やはり裁かれるべきで……」
がっくりとうなだれる囚人。やはり心のうちにどうしようもない罪悪感を抱えているようだ。
彼に対し、ジャケットの男は冷静になることを促す。
「結論を急がないでほしい。確かに貴公自身が、貴公の犯罪の原因であると言った。しかし、その内的要因は外的要因に対して極めて小さいと考えている。内的要因もやはり外的要因によって作られたものだからだ」
「え、それでは……ま、待ってください。あなたは何を言おうとして……」
囚人は、嫌な予感でも感じたかのように、ジャケットの男を仰ぎ見る。
ジャケットの男は、
「極論ではあるが、最早……」
やはり端的に告げた。
「人間に自由意志など存在しない」




