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【第2章まで完結済】神剣のプロトコル ~底辺まで落ちた元S級最強剣士の俺が、錬金術師少女に『武器の臨床評価』とかやらされ、結果的に世界を救うまで~  作者: 深井立花 数白
第2章:クラウ・ソラスはかく語りき

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第12話:Process4[つよつよエニア無双です!]Flow1

 俺達の乗る魔力車が南の村に着いたとき、すでに魔物は村に到達していた。


 村の入り口付近では、武器を持って戦っている人が数人いる。村の自警団とかか、冒険者だろう。


 そして村に配備されている、ジーさんの工房の兵器。矩形の砲身から熱や光や雷の塊を撃ち出して攻撃するヤツだ。バリスタの魔法版のような感じ。それが時折魔物を吹き飛ばす。


 しかし、そこに殺到している魔物も数が多い。この辺りでよく見かけるゴブリンやロックワームに混じって、生息していないはずのブレイドビートルとかポイズンウルフもいる。


「リガル、いないはずの魔物がいるね……!」

「ああ、なんかイヤな予感するな……」


 そして車から飛び出す俺、クード、プリシラと、ちょっと遅れてヒスイ。


「プリシラは負傷者を治してやれ! ヒスイはその防衛だ!」

「りょーかーい!」

「ひぃ……わ、分かった」


 そして街を守る冒険者達を襲う魔物共の側面を叩きに突っ込む俺とクード。


「リガル! 身体は大丈夫かい!?」


 クードは俺の【棄却】が発現しているかが心配なようだ。


「問題ない! エニアの武器があれば、少し前の俺みたいなことにはならないって!」

「じゃあ大丈夫だね……って、この会話ちょっとフラグっぽいね」

「余計なコト言うなよ……」


 そんな会話をしながらも、俺とクードは瞬く間に魔物を数を減らしていく。

 俺達の暴れっぷりを見た冒険者は呆然としていた。


「すげえ……」

「強え……なんだコイツら……」


 なんて声も聞こえる。

 懐かしい。【神剣】だった頃は、よくこんな驚きと憧れの目を向けられたものだったっけ。


 その時だ。村の入り口の見張り塔から声が聞こえた。


「お、大きい魔物がくるぞ!!」


 見張りが指さした方向を見る。そこには見覚えのある紋様を額に浮かべた、黒い大型の豹のような魔物・ヴェノムパンサー。


 俺もクードも、その紋様の意味を知っている。


「あのときの……!」

「ウィリオンが売りさばいていたって言う強化型の魔物か!」


 それは一月ほど前にシデロの街周辺で現れた魔物の特徴だ。首謀者ウィリオンが【使役】の異能を使い、その後膨大な魔力を使って強化した個体。


「クード、アイツは俺が! 援護を頼む!」

「了解だ! ……悔しいけど、まだ僕の力じゃ通じないだろうからね……」


 そう、額に紋様を持つ強化型の魔物の特徴のひとつがその防御力だ。現に今も、ジーさんの兵器の砲撃をものともせずに突き進んでくる。


 戦っている冒険者にとって、それは恐ろしい光景であるようだった。


「工房の兵器が効いてないぞ!」

「ウソだろ……!」

「皆さん、落ち着いて! あの大型は僕たちで仕留めますので……」


 すでにヴェノムパンサーへ向かって走り出した俺の背後で、彼等にクードが指示を出しているのが聞こえる。きっとクードを中心に防衛線を張り直してくれるだろう。


 そして眼前に迫ってくるヴェノムパンサー。一月前の俺は、ここで武器が折れる恐怖から【棄却】を発現し、ファシエやクードを危険にさらしてしまった。


 けど、今は……!


「問題ないよな。ウチの看板商品さんよ」


 エニアの自信作であるロングソードを握り直す。

 俺は恐怖と向き合いながら、武器を信じる心を取り戻した。


 ついでに……自分自身も、だけどな。


 ヴェノムパンサーが毒に塗れた牙を剥いて飛びかかってくる。

 それを俺はスライディングで回避。すぐさま飛び上がりつつ、ヤツの首を一閃する。

 宙に舞うヤツの首。消滅していく身体。


 ……どうやら、ちゃんと俺も成長してるっぽいな。


 後ろを見ると、俺を見て頷くクードと、大きく手を振るプリシラ、ほっとするヒスイの姿があった。

 残りの魔物も片付いているし、これでよし……、


 と思ったその時に、【SABER(セイバー)】の通信魔道具に着信がある。ジーさんからだ。


「ジーさん、何かあったか?」

「小童、マズい! 工房の作業場の方にも魔物が出ておる!」


 最悪の知らせだった。


「何っ!? 戦えるヤツはいるのか!?」


 ジーさんのところの戦闘用メンバーは西の村に救護に言ってしまったハズだ。そして俺達も全員ここに来ている。

「一応、ウチのモンは全員、兵器の使い方は知っとるが、いかんせん素人じゃ! ワシの方はまだ少し時間がかかる! 小童、いけるか!?」

「こっちは終わったから大丈夫だ! すぐ戻る!」

「スマン、頼む!!」

「任せろ! あと、ジーさん、額に紋様付いたヤツは侮るな! 容赦なくぶっ放せ!」

「分かっとるわい!」


 そしてジーさんとの通話は切れた。俺はすぐオルデンブルクに戻るべく、クード達の方へ駆けた。


   ▽ ▲ ▽ ▲ ▽ ▲ ▽


 オルデンブルクへ戻る魔力車の中、皆エニアを心配していた。


「えにあ、大丈夫かな……?」

「工房の方達が兵器で応戦できるらしいけど……」

「もー! この車もっとスピード出ないのー!?」


 ついにプリシラは運転手に文句を言い出した。


「申し訳ありません、出せる最大のスピードまで出しておりますが……!」


 南の村からオルデンブルクまでは遠くない。しかし、到着するのに途方もない時間がかかったように感じた。もし俺が全盛期の状態だったら、迷わず自分で走っていただろう。


 そしてオルデンブルクが見えてくる。遠くからでも、作業場や試験場のところから煙が上がっているのが分かる。工房の職員が兵器で抵抗しているのだろう。


 エニア、無事でいてくれ……!


 そして焦りのあまり、【棄却】が発現しそうになりながらも、俺達の乗る魔力車は戦闘中と思われる試験場に突っ込んだ。


 そして、そこで見た。

 防衛用の兵器に混じって、小柄な影が戦っている。


 何かの武装と思しき機械を背負っており、肩や腰の部分から突き出した砲身からいくつものエネルギーの砲弾を放っている。まるでジーさんの兵器を小型化させて身につけているかのようだ。


 それらが放った砲弾が魔物の方に向かって曲がって飛んで行き、着弾。まとめて吹き飛ばしている。

 設置型の兵器に押し寄せつつある魔物も一体残らず撃破し、フォローまでしている。

 次々に倒れ、消滅していく魔物達。


 そして、戦場と化していた試験場の真ん中にいた、兵器を背負った人物は――


「あれえ? 遅かったですねー、リガルさん。魔物はもう全部倒しちゃいましたよぉ~」


 これ以上無いドヤ顔のエニアだった。

さて、ついに錬金術師エニアは戦う手段を手にしました。活躍する場面は出てくるでしょうか。


ここまでで少しでも面白いと思っていただけたなら、下にある「☆☆☆☆☆」を「★★★★★」にしてもらえると、作者の精神に強化魔法を付与することができます。


また、下にある「ブックマークに追加」をクリックすることでも強化魔法は付与できます。


あなたも付与術師として覚醒してみませんか?

ぜひとも、よろしくお願いします!

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