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彩りの天弓魔女  作者: 板雪みゆ
目覚め編

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第21話『二人現れた生徒会長』

 入学式で発表するスピーチと魔法の最終チェックを終えると、時計の針はタルティア先生から伝えられた集合時刻の朝8時になろうとしていた。


 コンコン…と部屋のドアがノックされて、緊張しながらも私がドアを開くと…。



??「おはよう!!!特待生殿(どの)!!私は生徒会長の メ(・)リ(・)ッ(・)サ(・)だ!よろしくな!お!!君かわいいな!」


 私より目線が高く、檸檬(れもん)色(いろ)の髪をポニーテールでまとめた女性が、元気よく私に声をかけた。

 そして突然、ぎゅっーーーと彼女に抱きしめられる。

……距離近くない!?すると続けて、不意に耳元で彼女に囁(ささや)かれる。


「…これから私が君を入学式が行われるエントランスホールへと案内するよ。入学式が終わったら、私と2人でお茶でもどうだい?」


「…あ、あぇ、よろしくお願いします!え…お…お茶?」


 抱きしめられているという状況を飲み込めず、加えて彼女の目が鋭(するど)く光っているような気がして、かなりか細い声で返事をしてしまう。


 すると背後から私からメリッサさんを剥(は)がす人物が現れる。



??「おぉい!!てめぇ!メリッサ!!さっさとその子から離れろ!」



 私をメリッサと呼ばれる女性から引き剥がし、目の前に立ったのは、栗色(くりいろ)の髪で眼鏡をかけた男性だった。



「痛いなク(・)ル(・)サ(・)君。君、ここに居るはずじゃないよね?私はこの子と密な関係になる予定なんだよ。そうだよね?」


 メリッサさんが私にそう振って、もう一度

私に近付こうとしたところでクルサと呼ばれる

男性が私を守るように手を広げる。


 そして、クルサさんは私に優しい口調で声をかけた。


「初めまして、ベルさん。俺はクルサ。俺が本当の生徒会長だよ。あいつはメリッサ…副生徒会長だ。可愛い女子が大好物なやばい女なんだ。」


「やばい女とはなんだ!私は可愛い女の子を全力で愛でているだけだ!」


「うるせぇ!てめぇこそがこの場にいるはずじゃねぇだろ!さっさと学園長の所に行って準備を手伝ってこい!」


「全く…君はなんてせっかちな奴なんだクルサ君。固まって動けない君の代わりに私がプリンセスベルをお迎えに上がったというのに。」


「俺を動けなくしたのはてめぇの魔法だろ!やっと土払(はら)ってきたんだぞこの野郎!」


 目の前で、長年の因縁を思わせるようなバトルが繰り広げられている…。しかも二人とも怖い…。

 いつまでも続きそうな2人の喧嘩に巻き込まれてしまった…。


 口を挟(はさ)むこともできず、どうしよう…と、私が2人の行く末を見ていると、クルサさんが私に小声で声をかける。



「…ベルさん…!後ろの窓から外に出てここからまっすぐ見えるあの黄の旗(はた)が下げられている塔(とう)の下の階へ向かうんだ。そこがエントランスホールだ。」



「黄の旗…。」


 そう言われて窓から外を見て、ちょうどまっすぐ見えたところに、学園の紋章が入っている大きな黄色の旗が下げられている場所があった。


「俺がこいつを引き止めている間にあの場所に行くんだ。こいつは付きまとうとかなりしつこいから、俺が止めておく!さぁ行くんだ!俺の風(かぜ)魔法で援護(えんご)するから!」


 勢いで言われるがままに、私は空間魔法でその場から箒を取り出し、跨(また)がると窓から飛び立った。



「あぁ!!こそこそ何を話してるんだ!クルサ君!プリンセスベルは私と…。」



 私はクルサさんが風魔法で援護する前に。




 そしてメリッサさんが何かを言い終わる前に。




 もの凄い速さで飛び立ち空を舞っていた。



  


 私、箒に乗るのはけっこう慣れたのです。




 そんな勢いで飛び出した私はその後…。




「すごいな…あの子。俺が援護する前に…。いや…あの速さを出しながら、軽々と箒に乗っていたように見えた…それも上級生でも数人しか扱えない空間魔法を使って…さすが特待生と言ったところか。」



「…あぁ…ますます好きになった…。」



 二人がそんな会話をしていたことを知らない。




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