第16話『不審行動の真実』
彼に声を掛けた後、一瞬で話は終わるはずだった。
そのはずが、何故…?
「君、もしかして今魔法使ってたりする!?すごく魔力を感じるんだ‥!」
ナ、naze‥?
きらきらときれーーーいな目を輝かせながら話してるんだ!挙動不審だったはずの男子生徒!?
どうやら、彼は自分を知っている人に対して
何かの警戒心を持っていたのか、私が全く彼を知らなかった事でどこか緊張が解けたようだった。
彼の正体も気になるけど、私にはそんな悠長に話をしている時間はない。
しかもさっき言ってしまった『綺麗』発言を
自然にスルーされていて、猛烈にこの場から去りたい…ーー!
「あ…えっと…あなたが何か困っていそうだったので声を掛けたのですが、な、なんか大丈夫そうですね!ではごきげんよう!」
人は時に強引にならなくてはいけないこともあるのだよ。
そう自分に言い聞かせて、早々と話を切り上げて、その場を後にしようとしたけれど…。
「ま…待ってくれ!」
とっさに腕を軽く掴まれる。
そして、私に少し潤んだ目で彼は言ったのだ。
「お恥ずかしい話だが、この機械の使い方が分からないんだ…よければ、教えてくれないか?」
どうやら彼は、先ほどから券売機の使い方が分からず、何かのギミックだと思い、券売機専用カードを持たずに小声で呪文を唱えながら、メニューが書かれたボタンを彼なりの計算式?に当てはめて、押していたらしい。
なんだそれ、面白いな!?
私は彼の前で思わず、思い切り吹き出してしまったのだった。




