↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
彩りの天弓魔女  作者: 板雪みゆ
目覚め編

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
15/29

第15話『太陽の光』

 私が料理を待っている間、とある券売機の手前で固(かた)まっている一人の男子生徒が目に留(と)まった。


 どうしたんだろう…?

 その男子生徒はどこか辺りを見回しながら、何故か券売機の前から動く様子がない。

 すると次の瞬間、私は予想外の場面を目撃(もくげき)する。


 挙動不審(きょどうふしん)な男子生徒「…クリア・ソール…。」


 彼はスボンのポケットから魔法の杖を取り出したのだ。

 そして、拡大魔法で杖を大きくすると、券売機に向かって何かの呪文を唱え始めていた。


 

 (!?あ、あの人…明らかに怪しいよね…!?)


 早く寮部屋に戻るはずだったけれど、気付けば私は駆(か)け足で彼に近付き、彼に声を掛けていた。

 


「あの…どうかされました…?」


 「ひぃ!!えっと…。」


 彼は驚いた様子で手を止め、一瞬だけこちらに視線を向けてから、すぐに目を逸(そ)らしてしまった。


 けれど、その一瞬の間に見えた瞳の色が。


 まるで、太陽の光のように輝やいていて。


 私は無意識に言葉を口に出していた。

       


       「…綺麗(きれい)。」




         「!?」


 彼はまた驚いたような動きを見せる。


あれ…私今口に出して…?ん、、?


大丈夫、大丈夫。心の中で思っただけ…だ、よね…?


 彼が興味ありげに、じーっと見てくる気がするけど気のせい、気のせい。


 心の中でぶつぶつと呟(つぶや)く私の声に反応するように、彼が応(こた)える。



「君…もしかして僕のこと知らない…?」



彼の口から初めて聞いた言葉は、私の想像していたものではなかった。


てっきり、“さっきの口に出したかもしれない発言”を指摘(してき)されるのかと思ってしまった。



…って!

やっぱり私、声に出しちゃってたのかな!?

だとしたら恥ずかしすぎる!


なんて、またぐるぐると考えてしまいそうに

なりながらも、彼の質問に私は正直に応える。


「えっと…すみません…存じ上げなくて…。あっ、もしかしてゆ、有名な方なんですか?」


そう私が正直に応えると、今度ははっきりと

彼が驚くのが分かった。


それと同時にどこか嬉しそうに、くすっと少しだけ笑った気がした。


      一瞬だった。


 彼の長い前髪で隠れていた瞳(ひとみ)がはっきりと見えたその時。

 気持ちが、まるで海の波のように流れてくるように思ってしまった。やっぱりとても…。


        とても、


        とても…!!




        「綺麗っ!」




         「!?」



 口に出してから何かと葛藤(かっとう)するように頭を抱えてその場をくるくると回り出した私に、彼は太陽の光のような笑顔を向けてくれた。




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。