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彩りの天弓魔女  作者: 板雪みゆ
目覚め編

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第14話『腹ごしらえの為、学園内を探索です!』

- 王立クレアスカイ魔法学園:3階:cook rest(クックレスト) -


「はぁ…やっ…やっと着いたっ…!それにしてもこの学園広いっ…!!…で、でも、すごくいい匂(にお)いがするっ!」


 王立クレアスカイ魔法学園は、とにかく広い。

 一体どのくらいかというと案内された2階の寮から、3階の学食エリア〈通称:cook rest〉に辿(たど)り着くまで、持久走(じきゅうそう)をしていたかのよう。


 甘く見ていましたぜ…この学園の地図を。

なかなか手強(てごわ)いぜ…こ·の·が·く·え·ん·の·ち·ず!

…私は決して方向音痴(ほうこうおんち)ではないのですよ…?


 エリアごとに廊下がどこまでも続いていて、様々な部屋が並んでいる。

 学園に着いてからすぐに、



「では、ざっと案内をさせていただきますね〜。」



と、タルティア先生は学園内の案内を簡易的(かんいてき)してくれたのだ。


 この学園は5階建ての構造で、


一階:エントランスホール&魔法学授業:実技(じつぎ)エリア:each(イーチ)


二階:寮エリア:peace(ピース)


三階:学食エリア:cook rest(クックレスト)


四階:生徒ワークエリア:lively(ライブリー)


五階:魔法学授業:座学エリア:time(タイム)


となっている。それぞれエリアごとに、名称がついているのだ。



『明日の朝8時にベルさんの寮部屋に、現(げん)学園生徒会長が迎えに行く手筈(てはず)になっていますので、それまでは学園内を自由に過ごして大丈夫です。』



 そして私が、なんとか学食エリアに辿り着いた現在の時刻はなんと…。


「あ…もう14時なのか…。」


 思ったよりも寮の部屋内で停止していた私の時間の長さを時計の針が表している。

 だって、だって、なんか色々な圧に負けそうで…いやすでにちょっと負けてる…?


…気を取り直して私!

明日に備(そな)えてご飯を食べるわよ!

ネガティブな気持ちを切り替えて、

注文するカウンター前へと向かうことにする。


 この学食エリア”cook rest“は24時間営業で、いつでも利用可能とのこと。


 学食内では、生徒達一人一人に配られる【学食券売機(けんばいき)専用(せんよう)カード】を使い、自由にいくらでも食べる事ができるとの事だ。す、すごい…!


 この専用のカードが存在するのは、学食のメニューの売れ行きと新たな学食を作る際に役立てる為なのだそうだ。

 使い方はとてもシンプルで、カードを券売機のカード読み取りポイントにかざすだけだった。


 ちなみに、生活用品などを販売しているエリアは一階のエントランスホールにあり、こちらも別に配られた【生活カード】を使って自由に購入していいとのことだった。


 先生や生徒達の為にこの学食エリアのイートインスペースはすごく広い構造になっている。

 なにかのコンサートステージのような広さと席数だ。


 また、このエリア内で買った学食は寮部屋に持ち帰り、食事することも可能らしい。



…もちろん私は持ち帰りをします!



    - 学食エリアに着く前 -


 先程、部屋から出た時は、危ないところだった。学園内で少しだけ…なぜか目立っていることを忘れていた噂の特待生は、自室を出て歩いてすぐに…。


「おぉ?あの子っぽいよな!?話しかけようぜ!!」


「おぉい!そこの女子!」


 と、少し怖そうな男子生徒2人組に追いかけられた。

 


「クリア・トランスペアレント!」


 空間から杖を取り出し、対象を自分に向け呪文である属性の言霊(ことだま)を放つ。

 その場で自身が透明になる魔法を使い、咄嗟(とっさ)に逃げ切ることに成功する。勢いで逃げ切ったのでその後の2人の反応は分からなかったけれど…。

 実はママと魔法練習をしている際、杖を空間から取り出す空間魔法を密(ひそ)かに私は習得していた。


 学園に入学する前に、自宅にあった魔導書(まどうしょ)を読んで、いざとなった時に使える魔法を覚えていた私を盛大(せいだい)に褒(ほ)める。さすが私!!

 魔法を覚えるのは楽しいので、これからもたくさん覚えていきたい。


    ーーーーーーーーーーー


 また、扱うことが難しい上級魔法というものに、  容姿を変える魔法というものがある。この上級魔法は自身の魔力と属性の付与をして発動する魔法だ。


 男子生徒から逃げていた時に、魔導書の中からこの魔法のことをふと思い出した私は、それから試しにこの魔法を使ってみたのだ。


「ダーク·グレント·ミラー…チェンジ!」


 正直、発動するかどうかは運だったのだけど…。


 付与した属性は、闇(やみ)属性。

 私が一瞬にして、真っ黒に染まる。


 廊下の窓ガラスに反射した自分を見て、驚く。髪色も目の色も黒く、噂の特待生の面影はない。


 奇跡的に魔法が成功したのだが…感覚で分かる。魔力が削(けず)られていく感覚…魔力操作がうまくできていないのかも…?


 これはあと少しで解(と)けてしまう!!


 魔導書に上級魔法と書かれていた為、今は使うことはないだろうと思っていた。


 それに、入学式で発表する魔法を猛練習していたのもあるし、魔導書の中からしっかりと覚えた魔法は、さっき使った透明になる魔法だけだった。



私のミッション…。



☆急いで学食を注文し、すみやかに寮部屋に帰ること!


 元の姿に戻れば、また、誰からともなく追いかけられるかもしれない。

 自意識過剰(じいしきかじょう)でもいい。だってこの学園に着いた時から声をかけたり追いかけたりしてくる人の目が怖いのです。圧がっ…!

 今日は明日に備えて早く寝たいのだ。明日からちゃんと人付き合いするからぁあ!


       


     ーーーーーーーーー


 ということで変身して闇属性の女生徒となっていた私は、それからなんとか学食エリアのカウンター前へと到着していた。


 券を購入した後は、カウンターに出す仕組みだ。券売機の数自体は見たところ5台ほど設置されていた。お昼のピークは過ぎた様だけれど、生徒達はエリア内にたくさん居た。

 は、早く部屋に戻りたいっ…けど、どれもおいしそう…!じゅるり…。

 カウンター前には料理の写真付きのパネルがずらり綺麗に並べられていて、私の食欲をそそる。あっ、オムライスがあるっ…!トマトスープの付きセットにしようかな…!


…ママが作ってくれたトマトスープ…また食べたいなぁ。






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