第13話『ライズレインスカイ王国』
ー "ライズレインスカイ王国" ー
魔法が栄えるこの国には、優秀な魔法使いが数多に存在する。
魔法には、未だ解明されていないな不可思議な現象もたくさんあるが、不思議な出来事の多くは魔法使いが行使する魔法である場合が多い。
そして、そんな魔法を学ぶ分野の事を、この世界では魔法学と呼ぶ。
魔法学は、様々なジャンルに分けられている。応用魔法、攻撃魔法、治癒魔法、家庭魔法…。
個人が持つ属性によって使える、属性魔法…。
特定の対象を呼び寄せる、召喚魔法…。
また、念じる、祈る、特別な魔法陣を使う事によって発動する、特定の条件を伴う魔法は、特定魔法の部類に分けられる。
基本的な魔法を含め、優れた魔法を扱うことができる者達が、この学園にやって来る。
特に、この国では入学が極めて難しいとされる王立クレアスカイ魔法学園。
新入生の中から、たった一人だけ選出される特待生…。ましてや、推薦入学というのは、かなりの特例。
そしてなぜか入学前に、とても細かく情報が流れて噂されているその注目の特待生は今どこで何をしているのか…。
ーーーーー。
「もうすでに帰りたい…。」
ホームシックになっていた…。
学園に着くと、タルティア先生から今日から私が過ごす事になる学園内の自室へと案内をされた。
自室は生徒一人一人が個部屋となっており、部屋の中は広く、木製のベッドと机などの家具が整えられていた。
入学式が行われるのは翌日との事で、学園の説明を簡易的に受けた私は、タルティア先生から学園内を自由に探索していいと言われたのだけど…。
例の私の噂によって、学園内に到着するや否や、と・に・か・く様々な生徒から話しかけられて、少し疲れていた…。
他の新入生もたくさん見かけたけれど、周りから見ると、どうやら私は特に目玉つ存在のようで、皆話しかける時の圧が強かった。
「きょ、きょうはもう寝ようかな…。いやまだお昼だし…。準備しなきゃかぁ…ゔぅ…。」
案内された寮の一室で、部屋の隅に膝を丸めながら、もう何時間もこうしていると、ふと、脳内に私の中の天使と悪魔が現れ始めた。
【天使の私】
「ちょっとベル!暗い気持ちで居てどうするの!明日の入学式の準備は終わったの?明るい学園生活の始まりの鐘はもう鳴っているわ!現在進行形でね!さぁ!Stand Up!」
なぜか少しメルヘンチックな天使の私が、応援してくれている。
すると、すかさず悪魔の私も口を挟む。
【悪魔の私】
「いやいや、天使はんの言うことは聞きなさんな。ええか?このまま夜が更けるまでこうしてようや。大丈夫。大丈夫。さぁ、このまま寢んといて、さっき学園内で見たなんやうまそうなもん買うてきて夜食タイムや!」
なぜか私の知っている悪魔のイメージとはかけ離れているキャラの悪魔が、私を食べ物で誘惑する。
うん…。
とりあえずお腹が空いたのでなにか食べますっ!
気持ちを切り替えると、脳内に居た天使と悪魔はすぅーっと一言だけ残して消えていく。
【天使の私】「明るい未来はすでに見えるのよーーーー!!」
【悪魔の私】「たくさん食べるんやでーーーー!!」
さよなら…。私の中の天使さんと悪魔さん。
君たちは優しいね。またね…。




