第10話『魔力と魔法属性』
異世界に来て、2日目 ー。
今日から、本格的な魔法練習に入ります!
…っと、その前に…。
「魔力測定…?」
「そう!今のベルちゃんの魔力を測って、ベルちゃんに見合う魔法を極めて練習しようと思うの。ほら、魔法の発表もあるでしょう?」
そうだった…。私には荷が重い一年生代表スピーチと、魔法の発表があるのだ。
正直、逃げたい…。
「たしかに…。魔力を測ってもらえたら、どのくらいの魔法が扱いやすいのか分かるね!ママ、ありがとう!」
「いえいえ〜♪それではさっそく測りましょうか!本来は、魔力測定専用の特別な水晶で測るのだけど、今回はママの魔法で測るわね♪簡易的なものになるから、多少魔力の数値にズレがあるかもしれないわ。」
そう言って、ママは目を閉じて呪文を唱える。
「プラズマ・ウェー・マジックパワー」
ママの呪文に反応して、私の体が淡く光り始める。そして測定が終了し、ママは目を開けてから息を吐き、口を開く ー 。
「…測定完了!…ベルちゃんやっぱり…魔力量がかなり多いわね…。」
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使う魔法によって、魔力量というものは実に関係してくるようだ。空を飛ぶ飛行魔法は魔力の消費が少ないけれど、精神の安定と正確な魔力コントロールをしなければならない。例えば極端な話、使う魔法の範囲が広範囲だったり、他者に影響を与えるような類いの魔法はそれなりの魔力が必要になるらしい。
「ベルちゃんの魔力量は…"約10000値"だったわ…うーん…。」
そう私に告げたママは、両手を組んで何かを考え込んでいるかのようだった。
「えっと…それってかなり多いのかな…?」
気になって私はママに尋ねる。
「うーん…多すぎるくらいなのよね…。これってやっぱり…。」
ママはぶつぶつと口にしてまた考え込んでしまった。
魔力量は、魔法鍛練をしたり、歳を重ねると増える事もあるらしいのだけど、何もしなければ大幅に変わることはないらしい。
そしてママいわく、私は…。
「魔法の天才!?」
「ええ。ベルちゃんは幼い時からどんな魔法でも、うまく使いこなしていたわ。魔力量もそうだけれど、魔法に愛されたのね。あの人のように…。」
ママがどこか悲しみを含めた、焦がれるような、懐かしい眼差しで言うので、私は思わず聞いてしまう。
「あの人って…?」
「…ベルちゃんと同じくらい大好きな…あなたのお父さんよ。」
お父さん…。そう言われてみると。ママのこともまだ詳しくは知れていないけれど、父親の事はもっと知らなかった。
そういえば、自宅に飾ってあったどの写真にも、ママと私の写真がほとんどで、父親らしき人が写っていなかった気がする。
「その…お父さんは、今どこにいるの?」
私は気になって、思わず直球に聞いてしまったけど、ママは優しく答えてくれた。
「…私も今は何処にいるか分からないの…ある日突然家に帰って来なくなってね。それから約10年間…何の音沙汰もないの。」
「…じゅ、10年…。」
10年という時の長さに、私は何と口にしていいのか分からなかった。
でもね、とママは続ける。
「私は彼を信じてる。待ってる。ずっと、愛してるから。」
そう言ったママは、いつもの優しい雰囲気ではなくて。
強い意志を持った、とても格好いい一人の女性だった。
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いつか、ママとお父さんの出会いの話を聞けたらいいな…。
この話の流れで、聞きたいとも思ったけれど、
ママから、『ママとお父さんのラブストーリーは長いからまた今度ね。』と言われ、今は自分のことに集中する。
とりあえず、魔力がいくらあったとしても、それは使いこなせなければ意味がない。
自分の魔力量を理解して、使う魔法を自分のものにすること。
それが重要なポイントだ。
それから、【魔法の属性】に関して、改めて大切なことをママから教えてもらった。
「火、水、風、土、雷が、いわゆる魔法の五大属性なの。その他にも、珍しいけれど、氷や毒、闇、そして光…様々な属性があるのよ。」
ちなみに、ベルちゃんは…、とママは続ける。
「ベルちゃんの属性は【光属性】よ。けれどベルちゃんは、生まれた時から様々な属性の魔法を使えていたの。もしかしたら光属性以外の可能性も考えたのだけど、属性判定魔法の結果は何度やっても、光だったのよね…。」
ママはそう私に説明してくれた。そうか、私は光属性なんだ…。
ちなみにママは、雷属性で、父の属性は、光属性だったという。
そして本来、私や父のように自分の属性以外の魔法を上手く使うことのできる人は極めて稀だという。
父は、私よりも様々な属性の魔法をどれも上手く使いこなしていたらしく、ママは私を魔法の天才だと言ってくれたけど…もしかしたら父は、飛び抜けた魔法の天才なのかもしれない。
そして、魔法を扱う時に、自分の杖をかざしながら、呪文として、【属性の言霊】を唱えなければならないという。
魔法使いは【自分専用の杖や箒】を持ち、魔法を行使する。
箒や杖は大半の魔法使いは縮小魔法を使って小さくして持ち歩いていることが多い。
しかし、もっと魔法を上手く扱える【上級魔法使い】という階級になると、空間魔法を使って、道具を自由自在に取り出す事が出来るという。
階級に囚われず、空間魔法を習得すれば、扱うことは可能だけれど、習得するのは空間魔法の正確な魔力操作を身体で覚えなければならないそうだ。
扱えたらきっと便利だから私も練習してみようかな…。
この箒や杖は自分の属性に合ったものを魔道具店で購入するのだという。
もしくは、なかなかに魔力を消費し時間を要するが、自分で杖を作り出す魔法使いもいるという。
(私とママの杖や魔法箒は、父が作ったという。お父さんすごいな…?)
「そして例えばね、ママは雷属性だから、属性の言霊は"プラズマ"なの。火属性ならファイア、水属性ならウォーター、風属性ならウィンド…などなどよ。」
「ほとんどの魔法には適正属性というものがあるの。例えば、"水を出す魔法"…。これは水と対極にあるような火属性の魔法使いが使おうとすると、発動しないことはないけれど威力がかなり弱まるの。逆もまた然りね。」
「杖をかざし、属性の言霊を唱えないと、大半の魔法は発動しないの。でも、もちろん例外はあってね、
【念じる】、【祈る】、【特別な魔法陣を使う】ことなどで発動する、限定された魔法もたくさんあるの。空を飛ぶ飛行魔法も、実は念じる魔法の類いになるのよ。」
覚悟していたつもりだけど、魔法というものは、奥深く、これからたくさん勉強していかないと身につかない知識ばかりだ。
『頭が痛い!勉強苦手!私は逃げます!あとはよろしくっ!!』
と、叫んで全力で逃げ出したかったのは少し…少しだけ思ったことなのですが。
魔法の事を知る時、魔法を使っている時は、なんだか心地よくて。
この異世界で生きていく為にって気持ちももちろんあるけれど。
私は、学園の使いの方が来るまでの残りの5日間。
いたって真剣に、しっかりと休みながら魔法の実技練習と知識の勉強に励んだ。
優しいママに甘えて時々(※←ほとんど毎日)おやつの時間を作ってもらって…。
クッキー…チョコレートケーキ…シュークリー…ぎゅゅるるぅうむ。
失礼しました。
シュークリーム!(効果音:キリッ(take2))
ママに魔法の事を教わり、魔法の知識と魔法を使う感覚を身に着けていったのだった。
練習の成果もあってか、飛行魔法は、ママにも驚かれるほど完璧に扱えるようになっていた。
…そういえば、昨日助けてくれたドラゴンにまたいつか会えるかな…?
あれから私の事を主と呼んでいたフレアの姿も見かけなくなり、私は頭の片隅で気にかかっていた。
ベルちゃんが 5歳になったばかりの頃だったかしら…突然家に帰って来なくなってね。それから約10年、何の|音沙汰《おとさ




