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尊法 二十六

「てめえもとんだ悪党だ。てめえみてえな悪党は、オレの打龍鞭で頭なでなでしてやっから、お目目つむっておねんねしやがれッ!」

「ほざけぇッ!」

 第六天魔王叫べば、急降下し、香澄と源龍に襲い掛かる。

 くわっ、と大口を開けたかと思うと。炎が噴き出される。ふたり咄嗟にさける。それから上昇する。

「ふはは、どうした。威勢が良いのは口だけか!」

 第六天魔王は相手の得物が届かないくらいの高みにあって、香澄と源龍を嘲笑する。

「ちっ、やることがせこいぜ!」

「言わば言え! 勝てばよいのだ、勝てば!」

 大喝とともに、またも火焔が噴き出される。その勢い強く、駆けて避ける香澄と源龍を追う。中庭の草花や植樹も火焔を浴びて、燃えだす。

「源龍」

「おう」

 互いに頷き合うと、香澄は跳躍し、源龍は手をのばせば。その掌の上にひらりと、香澄は乗ったと同時に、源龍跳躍し、さらに掌の上から香澄跳躍する。

「無駄だ!」

 第六天魔王は火焔を噴き出すが。

「やあッ!」

 香澄の気合の声とともに、紫の珠の七星剣閃き、火焔を割った。

「むっ!」

 七星剣の切っ先が眼前に迫る。咄嗟に避けるが、右頬を少し切られる。それから香澄は七星剣を横薙ぎに払い、第六天魔王の首を跳ねようとする。

 しかし、後ろに上半身を倒し。その勢いのまま腹を見せながら回転すれば、腰の尾が、ぶうんと唸りをあげて下段より香澄に襲いかかる。

 咄嗟に香澄も後ろに回転し、そのままの勢いで頭を真下にするとともに、尾をやりすごし。その動作の中にあっても七星剣を繰り出し。背中合わせとなった第六天魔王の背の、蝙蝠の両の羽に切れ目を入れた。

「うおおッ!」

 羽に切れ目を入れられ、飛翔能力を損ねて、第六天魔王は落下する。香澄も同じく落下するが。源龍が肩で受け止め。それからひらりと身軽に地に降りた。

 どすんと、第六天魔王は着地し。勢いあまって片膝をついた。

「どうだ、ワニ野郎ッ!」

 源龍は得意に言い放つ。しかし香澄は硬い面持ちをほころばさない。

「やるではないか」

 羽を切られもう飛べなくなったが、しかし。それだけだ。

「羽を傷つけた程度で、図に乗るな凡夫どもめ!」

「うるせえ、てめえの石頭を叩き割ってやるぜ!」

 源龍咄嗟に駆け、第六天魔王も駆け、激しくぶつかり合う。ぶうんと打龍鞭はうなるが、その太い尾も同じくぶうんと唸り、源龍に迫る。

 尾を打龍鞭で受ければ、第六天魔王振り向きざまに火焔を見舞う。源龍咄嗟に避け、下段から横腹目掛けて打龍鞭を振るう。しかし鋭い爪のある脚での鋭い蹴りが繰り出され。咄嗟に後ろに飛び下がる。

 その間に香澄は後ろに回り込み、背後をうかがう。第六天魔王は後ろにも目があるかのごとく、尾を上手く操り、香澄を牽制する。

「最初からこうすればよかった! さっさと人間をやめれば、我が理想をもっと早く叶えられた!」

 源龍も香澄もそれには応えない。もう言葉のやり取りをする段階はとうに過ぎていた。

 火焔が源龍に迫る。

「あちぃ」

 咄嗟に身をかがめてかわして、下段から横薙ぎに横腹へと打龍鞭を振るう。火焔は消えた。打龍鞭は左手で掴まれ、刹那に伸びた右手は源龍の顔面を掴んで、持ち上げた。その足が少し浮き。打龍鞭が落ちる。

「源龍!」

 香澄も少し焦りを覚えたか、一瞬隙を作ってしまい。迫る尾を避けきれず。少し跳躍し、力を逃がしながら尾に当てられ、飛んだ。上手く着地出来ず、左肩から落ちてしまった。

 どうにか七星剣は手放さずに済んだものの。急いで起き上がって第六天魔王に迫るが、尾を巧みに操り、香澄を牽制する。

「小癪な人間ども、いや人間以下の、愚図め!」

「うおおぉぉぉ……!」

 源龍の顔面を掴む手に力を込める。このまま握りつぶしてやる、と。

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