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絶対➅


 試合開始直後から正徳が流れを掴んだ。可愛そうに保佳の子供達は飲まれてしまった。まずは、声。試合前の円陣、そして試合中、順也の声の通ること、通ること。味方選手にとってとても心強い後押しである。釣られるように他の選手も声が出る。己を鼓舞し、味方を支え、相手を威圧する。その声が動きにも影響を与える。1対1の負けん気、ボールへの寄せ、セットプレーの集中力。気迫に押され弱気になれば隙が生まれ、敵はそこを突いてこよう。気持ちで負けるなというのは、そういうことである。引けば取って喰われるぞ。弱体化した精神状態ではチャンスが訪れても咄嗟に身体が反応しない。練習通りに動いてくれない。千載一遇の好機を悔しい形で逃してしまっては尾を引いて、切り替えが難しくなる。個人、複数、さらにはチームが飲まれてしまえば勝負は決まる。5ー0で正徳が緒戦を物にした。圧勝というよりも圧倒。技術云々に差があったというよりも、試合の入り方の問題。開始直後から終了のホイッスルまで、保佳は流れを取り戻すことができなかった。試合時間が短いとこの辺も難しいよな。

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