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絶対④
野口コーチも知らない円陣の掛け声。気持ちは痛い程に伝わってきた。無論、嬉しかった。同時にその嬉しさを掻き消す違和感。喜びよりも戸惑いが勝ってしまった。
今の4年生は度が過ぎるくらいに優しかった。後輩の面倒見はいいし、練習後のグランド整備も進んで手伝ってくれるし、学校の異なる4年生同士も非常に仲が良かった。乱暴な言葉遣いはほとんど訊かれないし、練習の姿勢は真面目の一言。話はしっかり訊くし、言われたことに全力で取り組む。怠けたりさぼったりズルした所を見たことがない。勝手に物足りなさを感じてしまうくらいの優等生。2年生と4年生を足して2で割れば丁度いいのに、なんてよく思う。そんな彼らが凄みを利かすかのような大声を上げてポジションについた。本来であればその姿勢に頼もしさを感じる場面かもしれない。現に正徳SCの応援席は、気合い満点の円陣を受けて盛り上がっていた。心強さを受け取ったに違いない。そりゃ、野口コーチだって。それでも・・・失敗した、隠し通すべきだった、濁し続けるべきだった、そんな後悔の念も込み上げてきた。むしろ後者の方が大きかった。




