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間奏の便り~追憶と追跡②
【間奏の便り~追憶と追跡②】
自転車に乗っていた、休日にのんびりと。天気の良い穏やかな昼下がりだった。暑くもなく寒くもなく風もなく、目的地もなく、急ぐ理由もなく、ゆっくり歩道を走っていた。もしもお回りさんの言う通り歩道を自転車でという行為が事故の根源というのならば、日本全国自転車を利用している人間全てにその旨、いついかなる時も車道を走れと指導しなければ不平等。やってみろ、事故が多発して収拾がつかなくなる。
車が美容室の駐車場から飛び出してきて、俺とぶつかった。幸い、発車直後だったので大怪我には至らなかったものの、車に当たった俺の右半身は少なからずダメージを受け、転倒した。後の医者の診断は右肘が打撲で、右足首が捻挫。運転手と彼女を見送っていた店員は即座に駆け寄り、声を掛けてくれた。衝突直後、腕はさほど問題はなかったが脚には鈍痛が残り、すぐに立ち上がることはできなかった。けれども過去に靱帯を損傷した時とは痛みの種類が違った。救急車は不要と伝え、警察を呼んでもらった。ドライバーと店員は一旦店内に姿を消し、すぐに白バイがやってきた。




