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絶対⑨

 順也のハットトリック発言に触発された訳ではなかろうが、この第2戦、要が躍動した。全3試合の中でこの暁星戦が山であること理解し、行動で示す。前の試合は手を抜いていたなんてことはないが、それでも明らかに動きが、スピードが、ドリブルが別物だった。一段、二段、ギアに余裕があるようだ。正徳が得意とするポストプレーを挟んで番号を叫びながらスペースに送られるパスに対して、誰よりも素早く駆け寄って自分のボールにした。追いついたディフェンダーを得意のドリブルでかわしたり、距離を詰められる前にサイドをえぐってセンタリングを上げた。対する暁星だって勝つ為の練習を積んできた。シュートチャンスを作るべく前線にボールを送ろうとするのだが、そこに立ち塞がるのがフォワードであるはずの順也。どこにでも現れて、とにかく邪魔をする。同い年の中にあって一回り体の大きな順也はパワーも規格外。競り合いで負ける場面はまずない。暁星の心を折らんとするように攻撃の芽、攻撃の起点を潰していく。フォワードよりもハーフに近い役割だった。チームの為に身を粉にする。親友の献身性に要が呼応しないはずがない。要は前半でハットトリックを成し遂げた。

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