しゅろ
「お…おい……」
バカの声が聞こえるな。
「おーい……?」
バカはほっとくのが吉だろうな。パパは確かに教養はなかったけどバカじゃなかったもん。話していて楽しい人だった。
まぁ、さすがに織田信長を殺した人が北条時正と言った時は引いたな。まったく、織田信長をおろした人といえば藤原道長だと云うのに。そんなことは小学生でも知っている。
「おーーい!」
だと云うのに、なんだこいつは、本当にパパの実子なのか! あぁ、こんな出来の悪い奴が息子でパパたったらかわいそうに。
何たってこいつは織田信長を殺した奴を明智光秀と云うのだ。
さらに、こいつは三平方の定理が
出来てしまうのだ。
数学で3以上とるやつとかもう人間じゃない。
「だから、待ってて! 良いのかよ、ほっといて!」
と、私がせっかく無視を決め込んでいたと云うのに、こいつってば全部ぶち壊しにしやがった。
こーきが私の肩をつかんで、無理矢理こーきの方に振り向かせたのだ。
突然にぶつかり合うわたしとこーきの視線。
こーきは若干にその目に怒りを称えていたが、私の顔をみて驚いたのか、僅かに目を見開いた。
なんて失礼なやつだ。
「ね…姉ちゃん、泣いてんのか?」
なに寝ぼけたこといってやがる。
「……べつに」
そう私はそっけなく返し、かるくこーきを睨んでやった。
こいつの方が背が高いから上目遣いになるのが悔しい。
「それより……どこ触ってんの……?」
私の意識はそれ以上こーきに留まる事はなく、こーきの背負うモノに向けられた。
で……こーきの手は、私の肩をつかんだ以外の手でそれを支えていて、ずっしりと、肉感の良いお尻が指の先から見えた。
「しょ…! しょうがないだろ! じゃあ、他にどこで支えれば良いんだよ!」
顔を真っ赤にさてわたしに向かって怒鳴ってくるバカ。
しらんよ、そんなことは自分で考えろ。
なんだか、こうもコウキがばかだとムキに成ってた自分がばからしくなってくるじゃないか。
ふん……
「せいぜい、傷でもつけないで運んでよね……」
コウキが背負うモノ……それは、火の国で私にレグルスに関して喧嘩を売って来たバカ。
雷の国の女宰相の体だった。




