う…ん?
『キミは……何者なんだ?』
その言葉はさっきまでの青年の軽いノリなどとは全く無縁の……どこか、このレストランさへ氷つかせてしまう様な冷たさを抱擁していた。
私は、そんな突然の彼の雰囲気の変化と、唐突に問いかけられた言葉で殆ど身動きが取れなく成っていた。
「え……? どういう…意味?」
私は、しっかりと自分の中での不安や狼狽えを見せない様に冷静なつまりで聞いた。
しかし、私如き小娘の小芝居など通じるわけもなく、アッサリと私のジェリコの壁は崩壊した。
「なんのことか、なんて君が1番わかっていることじゃないのかな?」
青年の目つきが俄かに鋭くなる。
よくみれば、彼の瞳は特徴的りな金色をしていた。
私は、そんな彼の不思議な瞳に飲み込まれて行く錯覚を覚えた。
ッ……!
「べ…別にあんたに話す必要、ないじゃん……」
私は精一杯の強ごり込めてそいつにいってやった。
が、結局半なものは私の独りよがりな強がりにすぎなかった。
再び金色瞳で睨みつけられておびえて身を縮める私……惨めだ、あまりにも惨めだった。
「いや……関係あるね、だって…キミは、僕を……この光の国の王子を惚れさせたんだから!」
なんだ……こいつも結局バカだったのか。
☆☆☆
僕は目の前で怯えた様に震える少女の姿を見て、自分自身の非力さを呪いざるを得なかった。
なんて……僕はダメな奴なんだ!
好きになった女の子1人笑顔にできない。 いや、それどころか彼女を怖がらせてさえしまっている。
歯痒かった……あった時からずっとそう、ずっと僕に……いや、どんな人にも心を開かないで、頑なでいる彼女を……
だからきっと、僕は彼女のことが好きになったんだと思う。
生まれた時から王子として、この国のせいとうなる後継者として愛にも女にも不足していなかった僕……
だからこそ、周りのそんな空気が耐えきれなかった、そう……だから、だから彼女があまりに新鮮だった。
僕は、いつも自由と、ほんの少しの反抗心で旅人の振りをしてこの国都の周りをウロウロするのだけれど、今日、始めて彼女のようにこの街を前にして眠っている人を見た。
ふつう、眠るんだったらせめて街の中に入って眠るものなのに……
そう思った僕の行動は早かった、今思えばきっともうあのときから僕は彼女のトリコになっていたんだと思う。
吸い込まれるような黒の髪と瞳……
そのとき、僕はきっとおかしくなっていたんだ、だから……
ゆっくりと彼女の顔が近づく、
彼女の顔は驚愕で歪められていて、その瞳には恐怖がありありと浮かんでいた。
そして、そんな彼女の瞳の中に映る、熱っぽい顔をした僕自身の顔……
ついに、僕と彼女が密着する!
そのしゅんかんだった、僕が、本当の意味で彼女の真の感情を知ったのは……
「……探したぞ、カスミ」
「ブサ男……⁈ なんでこのタイミングでくんだ‼ 」
久々のブサ男くんでした♪




