味噌の謎
私とピエトルは今食堂にいた。
旅籠と酒場を兼ねたこの食堂は火の国程の刺激も、水の国程のラインナップもないが、私にとって最も忘れられない料理が出てきたのだった……
「というわけで味噌汁おかわりだ」
からん、と音を立ててピエトルの前に突き出される器。
その器のそこの方には赤黒い液体の残り汁が弛んでいた。
ピエトルの呆れた様な、阿呆顏がはっきりと写っていた。
「……お前、コレがいくらか知ってるのか?」
あん? 知るわけねぇがん、そんな事よりも味噌汁お代わりだ。
確かに、今思い出せばこれまでの旅のお勘定は全部、ピエトルに任せてきた。
だが、ソレがどおした!
目の前には味噌汁があるのだぞ! 飲まなければ、飲まなければならないだろうが!
「……はぁ…お前を、この食堂に連れてきたのは失敗だったな……」
そう言いつつもウェイターっぽい若い男を呼び止める。
ん? そう言えば私、こいつが女と喋っているのみた事ないぞ?
まさか、こいつゲイだったのか⁈
「その流れはおかしいだろうが!!」
む、なんだ、また私の心をナチュラルに読みやがったか。
全く罪深い男だな、次私の心を読んだらさっきのウェイターな兄ちゃんとお前が薄い本的展開を妄想してやるぞ!
……やばい、気持ちわるくなってきた。
「はぁっ~……馬鹿な事するからだ、ほら、お代わりがきただろ、飲んだらさっさといくぞ」
あ、ほんとだ、
うむ、ドワーフのお姉さんよありがとう。お礼に君が熱烈な視線を向けているこのイケメンを献上しようじゃないか。
☆
お勘定の時にピエトルがお財布から10ミン出していたのは秘密だ。
(100円が1ヨン、10ヨンで1ミン、100ミンで1シン。)
まさか、味噌汁2杯だけで一万円近くとはおもってもいなかったな!
ーーん?なんでこの世界に味噌汁があるんだろう?




