ふっぷ、気持ち悪い
イオナズン!
ふっ……今私は、馬車の外の景色を眺めている、なるべく遠くをだ。
じゃないと吐くんだよ!
なんだこのデコボコ道は!補整しとけ! 酔っ払いが乗ったらそく昇天するわ!
「はぁ……この世界で馬車に乗り慣れてないのはおまえぐらいだよ……」
わたしの隣で王子っぽい人が苦笑する、なんだその顔は、ってか名前なんだっけ。
えーと、そう、あれだ!
「レグルス……?」
たぶんこんな名前だ、
ふふふ、コレでも私は暗記教科の方が得意なのだ。
ふ……何故テストにはサブカルチャーの単位が無いんだ!
「な、なんだ?」
ん? なんだとはなんだ、
私はなんにも言ってないぞ、頭イカれたか?
ってか話しかけるな、
吐く。
「…………」
馬車の中に沈黙が降る、
どうでもいいがペーターとブサ男はこの馬車にはいない。
ってかこの馬車は御者すらいない、まほーで動いてんだってよ、すげーね!
「あ……タンポポ」
私は、遠くにもって行っていた視線をふと戻すと、そこに黄色い、小さな花が咲いていた。
「あぁ……本当だな……」
と、すぐ背後から声がした。
……って、なんだ貴様!
私のすぐ背後にレグルスが身を乗り出してタンポポを覗いていた。
耳のすぐ上あたりにレグルスの吐息がかかる。こそばゆいわ!
とかなんか色々考えていたら地面味過ぎてて気持ち悪くなった!
ぐぉ~!頭がグワングワンする!
不意に暗転する私の視点、
最後に見た物は遠のいて行くタンポポの小さな黄色だった……
☆
目、覚めた。
そこで見えた物は、なんと、馬車の天井と、心配そうに覗き込むレグルスの顔だった!
後者はともかく前者だ!
いわねば! あの名台詞を!
「知らないてんじょ……」
「大丈夫か⁈ カスミ!」
被せんなや!
てめぇのでけぇ声のせいで余計気持ち悪くなっがや!
「う~ん……きもちわりゅい……」
どうやら私は横になっていたらしい、
しかも胸の方をしたにして。
「れぐるす!なんてことしてくれた!」
ただでさえ凹凸の少ない私の胸が更に……!
「れぐるすなんかきらい!」
ーー異世界 乙女、嫌いな物は馬車と巨乳、そして美男子




