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ぶいちゃ!  作者: 藍雨ゼラ / 松木秀憲 / emu-v
第1章 初期アバター!?

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第2話 「……首都高通勤は無理だな」

※本作は執筆ストック40,000字以上を確保しており、毎日安定して更新いたします。

急ぎ気味に家の前から車を出した慎太郎は、しかしすぐ近所のコンビニに寄った。妹から逃げるようにして出てきたのでナビの行き先を設定していないのだ。


コンビニに入ると駐車場代の気持ちでコーヒーを買う。

外回りが基本の営業の職に就いて以来、慎太郎は先輩の影響もあってコンビニコーヒーをよく飲むようになった。先輩からの「砂糖入れるとあっという間に太るぞ」という忠告に従って、機械が淹れてくれたコーヒーを取り出すと何も入れずにフタをする。


車に戻った慎太郎はエンジンをかける。

コーヒーを少しだけ口に含んでカップをドリンクホルダーに置く。コーヒーを飲むようになったがまだその味わいには慣れきっていない。


次いでポケットからスマートフォンを取り出し、ロックを解除する。アイコンが並んだ画面が表示されるのを待って、検索欄に「秋葉原 駐車場」と打ち込む。

ほどなく秋葉原に存在するであろう駐車場がずらずらと表示される。


上の方に出てきた「秋葉原UDZ パーキング」という駐車場が台数が多いようだ。

駅に近いが、かといって道が細すぎたり入り組んでいる風でもない。何より最大料金が設定されているのがありがたい。

今度はカーナビの検索機能で同じ建物を探す。あった、建物自体とパーキングが候補に出てきたが、パーキングの方に向かえばいいだろう。


免許を取る前の慎太郎が都心に出るときは当然電車を使っていたわけだが、免許を取って運転に慣れてくると、都心までの往復の電車賃と駐車料金はそれほど変わらない気がするし、何より休日でも平日でもそれぞれ混む電車を乗り継ぐより、車で一人の方が気楽だ。


慎太郎の家から都心までは電車でも車でもそう遠くない。いや、決して近くはないのだが、これくらいの距離はどうやら「遠くない」らしい。慎太郎も慎太郎の父も地元で働いているが、近所には都心まで通勤している人も少なくない。


車はすでに高速道路に乗っており、都心に近づくにつれ交通量が増えてきていた。この辺りはすでに首都高に入っているのだろうか。

「だいぶ運転慣れたとはいえ」

慎太郎の前に車が割って入る。

「……首都高通勤は無理だな」

一層増えてきた車とカーブが極端に多くなってきた道に緊張しながら思わずつぶやく。


カーナビの音声案内がもうすぐ高速道路を降りるよう告げる。

「ここじゃない、次だ」

都心の高速道路は出口が連続しており普段は地元の下道しか運転しない慎太郎には難易度が高い。

どうにか正しい出口から高速を降りた慎太郎の目前に秋葉原らしい街並みが広がった。


「休日の秋葉原はほんと人多いな」

人混みの中で車を走らせながら思う。ナビによればもうまもなく目的の駐車場らしい。細い道に入らずに済みそうで本当によかった。これで路地にでも入るととんでもないことになる。


「あれかな?」

交差点に建っている大きなビルを回り込むように曲がると、駐車場を示す青色に光る「P」の看板と黄色い回転灯が見えた。目的の駐車場の入り口だろう。前を走る車が一台、駐車場の入り口に入るのが見えた。


慎太郎が前の車に倣って駐車場の入り口に入るとスロープを下り地下一階に降りた。発券機の前で止まり駐車券を受け取る。バーが上がりきるのを確認すると順路に従って駐車スペースを探した。

駐車台数が多いことから予想はしていたがかなり広い駐車場だ。地下にこんな施設が作られるのだから東京は本当にすごい。慎太郎の地元だったらこの広さの施設が仮に作られたとしても地上だろう。地下に作る予算も理由もない。


そんな東京の経済力を示すように地下一階は満車、さらに地下二階も満車だった。慎太郎は地下三階まで降りてようやく空きを見つけた。休日の秋葉原は電車だけではなく車で来る人もとても多いらしい。

ハザードランプを点けるとハンドルを切りバックギアを入れる。都会の駐車場は枠が狭い。何度かの切り返しの末に車を停められた。


エレベーターはどこだろう。見回すと案内表示はすぐに見つかった。

色分けされた案内表示を目指して進むとエレベーターを呼ぶために「上」ボタンを押す。待っているとフロアマップが目に入る。上階にはレストランフロアやコワーキングスペースなども入っているらしい。

そんなことを考えているとエレベーターが来た。乗り込んで「1」と書かれたボタンを押す。


「さてと」ここは秋葉原のどこだろう?スマートフォンを取り出して地図アプリのアイコンをタップするが、アプリがなかなか表示されない。地下だから電波が悪いのか。

そうしているうちにエレベーターが一階に到着した。

慎太郎はスマートフォンをポケットにねじ込むと開いたばかりの扉から出る。


エレベーターを降りた慎太郎は壁に書かれた矢印を辿って建物の外まで出た。

通行の邪魔にならないよう、太めの柱を探し背中を預けるとスマートフォンを取り出し改めて地図アプリを開く。


検索欄に「ゲーム」と打ち込むと一番上に出てきたのは慎太郎もよく知る大型電器店だった。慎太郎の地元からは少し距離があるが県内にもある。

せっかく秋葉原まで来たのだ。もう少し専門的な店はないだろうか。


地図上の表示を見ると、四方向に伸びた駅の、その一方方向に店が集中しているようだ。一軒一軒は大きくないかもしれないが何軒か回れば面白いものもあるだろう。

「あっちの方か」

方角を確かめ歩き出した。


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