レンジでチン
今日の登場人物
石蕗蜜柑「課題の頼れる相棒。」
角田桂「料理の頼れる相棒。」
7月の13日、超火力ワット。
今日は久々の休みなものだから疲れを思いっきり吹き飛ばそうと深い二度寝を貪るもも、目覚めた時には正午を回っていたので母親は不在……まぁ、当然と言えば当然なのだが自分以外は家にはもぬけの殻。
たまに誰かが遊びに来てたりするので淡い期待を寄せつつ玄関も見たがそれらしい靴は見当たらない。
世の中世知辛くうまくいくはずもなくだ。
「まっ、いっか……。 メシ食ってどっかに行くか。」
冷蔵庫には作り置いてあるオカズがあるので自由にいただくとしてもだ、肝心の米がない。
炊飯器に保温しっぱなしでもないので炊いてやろうとも考えたが、しかし炊いて数十分も待つのは嫌なものだから冷凍庫にあるご飯を解凍する他はないだろう。
流石に料理ができない俺でも米を炊く程度はこなせる。
よく勘違いされるがそこは覚えておいてほしい。
「これくらいでいいか。」
冷凍に小分けされたご飯は何個かある。
1食分だったり、あからさまに2合くらいの大きな塊だったり。
選びたい放題だがこんな大食らいなのはモミジが来たときの応急処置みたいなもんだが。
前者の小分けをレンジに放り込んで温めを押して気長に待つ。
料理系の掲示板を見てみるとだいたい600ワットの1分で様子見と書いてあったから多分間違いはない。
こういうジャンルの掲示板には荒らして間違ったことを書き込む人はほぼいないだろうから疑う余地はない。
温め完了のアラームが誰もいない台所に響き渡る。
扉を開けて手にとってみたがやはり冷たくてカチカチで解凍したとは言えないシロモノのままだ。
あくまで掲示板は様子見としか書いてないから何度もやって温まるのを待つとなればそんな時間すら惜しい。
「大人しくカツラのところに行くか。」
部屋の奥の扉をくぐって角田家へワープしようと思ったら先客だろうか、勝手にドアノブがガチャっと音を立てて回ったかと思うと開いた先にはカツラが。
「お、おう……奇遇だな。 どうしたんだ?」
「課題でわからんところあったからな……。 天才的なミカンの頭脳を借りて教えてもらおうと思ったんだが……何だその冷凍ご飯、俺とキャッチボールしようってか?」
「教えてやるどころか答えまでやってやるからよ、このメシ解凍してくんね? ウチのポンコツみたいなワット数のレンジじゃ何十年もかかっちまう。」
カツラの家には業務用のレンジがある。
一般家庭のせいぜい600ワットより強力な1500ワットから2000ワットまで出せるハイパワーなものだ。
あんなカチカチなご飯なんて数十秒で熱くて持てない程にまで温めが可能。
その後は美味しいご飯にオカズ、そしてカツラのお手性の料理を胃に収めると次はこっちの番。
一宿一飯の恩義……てはなく一飯のお礼として課題を終わらせてやった。
コンビニでもこの火力のレンジは見かける。




