一時の日常
3ヶ月ぶりの投稿です。こんなに経っているのに文章は短いです。すいません。
ですが、楽しんでいただけたらとても嬉しいです。
「マスター。またのようですよ」
テレビのニュースを眺めていたシャイニーが口を開く。
「また出たんだ」
朝食を口へと運んでいた光もそれを止めてニュースを見ていた。
ニュースには、謎の生物によって再び襲われたとキャスターの人が話している。
「最近は本当に物騒になっちゃったよね」
「マスター。他人事みたいなことを言わないで下さい。一応マスターも襲われた一人なんですからね」
シャイニーの言葉に光は言い返せなかった。
彼女の言うとおり自分も謎の生物には襲われていたのだから。
(あの時はシャイニーのおかげで切り抜けれたけれど、いなければどうなっていたことか)
「マスター?」
「ああ。ごめん。ちょっと考え事をね。でも、シャイニーの言うとおりだよ。シャイニーがいなければどうなっていたかわからなかったよ。改めて、ありがとう」
「い、いえ!マスターを助けるのは!私の、使命であり!役目ですから!」
彼女にしては珍しく、テンパった口調で答える。そして、頬が少し紅くなっている。
「大丈夫?顔が紅くなっているけど」
「ひゃい!だ、大丈夫です!それよりも早く魔法院に行きましょう!遅刻してしまいますよ!」
早々と食器を片付けて洗い場の方へと走って行ってしまった。
(どうしたんだろうか)
シャイニーの変化に光は首を傾げるのだった。
魔法院ではニュースの話題が持ち上がっていた。
「街では周回が徹底されているらしいぞ」
「物騒なものになったね」
「お前は本当に呑気だよな。本当に」
健太は友人の言葉に呆れる。
「ま。これが平和だって証拠か」
「なんか複雑な気分なんだけど」
光と健太は会話を楽しんでいた。
「だけど、あれからお前にちょっかいを出してくる奴はいなくなったな」
光が魔力に目覚めてからめっきり手を出してくる者は現れなくなった。
「でも、色々としようとする人達はいるよ」
ちょっかいが無くなったとはいえ相変わらず周囲からの視線は絶えない。
ちょっかいをかけて来ないのは神無月家の影響があるためだ。
「神無月家の養子には手を出せないってわけか」
「だから、僕は養子にはなってないって言っているじゃないか」
反論する。
光は神無月家の養子になるのでは、といった噂が絶えない。
しかし、光は養子にはなっていない。
自分は、いずれは自立をしなければならない。
そう固く誓っている。
「でもさ。お陰様でこっちは学校の授業が短縮されて良かったよな」
「それは、まあ。そうだね」
謎の怪物の出没により政府から警戒警報が発令されたのだ。そして、魔法院としては生徒の安全確保のため午前中の帰宅が命じられた。
(でも、あの怪物は何だろう)
突如として出現した怪物。
見境もなく襲うわけでもない。
狙うのは魔力の高い人達。
光は、あの時に遭遇した触手の怪物のことを思い出していた。
(関連はあるのか)
疑問が浮かぶ中で光は授業を受けるのであった。
「それでっ!どうしてっ!こうっいう!」
繰り出される拳をずらす。
「いいっ!じゃあ、ない!」
早苗は美しい動きで攻撃していく。
「ですから!どうして!試合をしながら!話を!するんですか!」
攻撃をさばきながら光は叫ぶ。
現在。光と香苗は彼女の道場で稽古をしていた。
正確には、下校していた光を早苗が見つけ、拐うように自分の家に連れて来たのだ。そして、何や間やで稽古をするながれになっていた。
「だって。光君。魔力に目覚めてからは、ずっとご無沙汰だったじゃない。それに、寮では、シャイニーちゃんとイチャイチャしているらしいじゃない!」
「前半は認めますが、後半は意味がわかりませんよ!」
イチャイチャって何ですかぁ!
香苗の言葉に反論する。
「つまり、うちの娘は、ヤキモチをやいているのよ」
その様子を眺めていた香苗の母、伊三美。
「な!?なななな!?」
母の言葉に香苗は赤面を通り越しそうなほど、真っ赤になった。
言葉は正常ではなくなりかけている。
(私の娘でありながら)
さっきまでの言い様はどこへやら。
伊三美は伊三美でそんな自分の娘の様子にため息がこぼれた。
「でも、私も言わせてもらうわよ。光君」
「ええと。伊三美さん?」
光の表情は少し強張っていた。理由は、伊三美の表情が笑っているのにどこか凄味があったからだ。
「私としても男の子が一つ屋根の下で女の子と暮らすことは別に構わないわ」
淡々と告げていく。
「だけど、何かの間違いがあったら問題だわ」
「間違いって何ですか」
「それを女の私に言わせるの」
「っ」
『マスターは問題なんてありません!』
シャイニーが出現し反論してきた。
「じゃあ。シャイニーちゃんはいいの?」
『何がいいのですか』
「光君に襲われても」
伊三美の言葉に今度はシャイニーが顔を真っ赤にする。
『何を言っているんですか!?』
「じゃあ。あなたは構わないのね」
『そっ、それは・・・』
口ごもってしまうシャイニー。
「伊三美は何を言っているんですか!?僕はしませんよ!そんな事!」
「絶対?」
「はい。絶対です」
その時、ゲシッ!とシャイニーに背後から蹴られる。
「え!?何で!?」
シャイニーの行動に唖然とする。
香苗は香苗でそんな様子を悔しそうに見ていた。
伊三美はそんな娘とシャイニーを見て苦笑するのだった。
(ライバルが増えたわね。頑張りなさい香苗、明里、茜)
「どうだ」
「彼は、神無月家の御屋敷にいます」
「手は出せないな」
今、目立つわけにはいかない。
「ですが~。我リーダーからはぶつけろ。という指示が出ているのですよ~」
「何!?」
これには男は驚いた。
あいつを屋敷に放つなど。
「残念ですが~。もう~送っちゃったんですよねぇ~」
さらに驚く。
そんな彼とはよそに白衣の男は、画面に映る神無月家の屋敷を眺めているのだった。




