目覚め 3
ちょっと短めです。
楽しんでくれたら嬉しいです。
指摘、意見を待っています。
「く。逃げたか」
起き上がって辺りを見るがさっきまでいた巨大な魔力とその原因である少年はいなかった。そして、目的だった祭壇にあった杖も。
画面を開き連絡を始めた。
「どうやら。復活したようだな」
画面のむこうからゆっくりと声が出てきた。
「はい。不覚ながら任務を果たせませんでした」
「まあ。いい。それならそれでいい。こっちにとってはまったく支障はない。むしろ好都合だ」
画面でも解る程に声の主は笑っているのが男にも理解できた。
「お前は、さっさと戻れ。後の事はこっちでやる。それまでは待機だ」
「分かりました」
ここで連絡は終った。
男は、魔法陣を地面に展開した。次には男はそこから消えていた。
後に残ったのは静寂に包まれた遺跡だけであった。
とある一室。
ソファに腰掛けていた男は連絡を切った後からずっとある動画を見ていた。
「ふふふ。ついに目覚めた」
動画を見て嬉々として呟く。
「これからが楽しみだよ。光の魔法師」
彼だけがいる一室で彼の声がゆっくりと響くのだった。
「……!ここは!?」
「目が覚めましたか。マスター」
光は再び目を覚ました。そして、目の前には美しい水色の髪を持つ少女が心配そうに覗き込んでいた。
「大丈夫ですか。マスター?」
「ああ。うん。ありがとう。大丈夫だよ」
上体を起こし辺りを見る。そこは、公園だった。そして、自分はその公園にあるベンチの一つに寝ているのだと知った。
「この公園は」
「さっきまでいた場所から少し離れた公園です。私がここまで転移させました」
「そうだったんだ。ありがとう」
光は、少女を見て礼を言った。
「い、いえ。私がマスターを助けるのは当然ですから」
少し頬を赤らめてそう少女は言う。
「ところで僕はどうなったんだ?」
「あの時。マスターは攻撃に魔力を使い過ぎて倒れてしまったんです」
「そうなんだ。え、魔力!?」
「はい。魔力を使い過ぎて」
「ちょっと待って。僕は、魔力を持っていない人間だよ」
「いえ。マスターは、〝元々〟魔力を持っていますよ」
当たり前のように少女は言った。
少女の言葉は光に衝撃を与えた。
「もっ、元々!?」
「はい」
「でも、どうやって」
「簡単に言いますと私に触れ、私を使ったのがスイッチになり魔力が目覚めたのです」
「そうなんだ」
光はそう言うしかなかった。
「混乱する気持ちは分かります。なので、家に戻ってからの方が」
「そうだね。その方がありがたいかな」
未だに実感の湧かない光は少し痛む体を動かして歩くのだった。
数時間前。とある場所。
そこは多くのモニターが設置され職員達が右往左往と動いていた。
『発掘遺跡に魔力反応を確認。』
『状況は』
『はい。只今遺跡を進んでいます。』
『はい。え』
言葉に困惑が起こる。
『どうしたの』
『新たに魔力反応を確認。魔力衝突!いえ、消失しました!』
『もう一方は』
『こちらも消失しました。追跡は困難かと』
『了解。後で調査隊を派遣をして』
『了解しました』
状況を知った彼女は、深い溜め息をついた。
「何が起こるのかしら。一体」
彼女の中では不安が立ち込めていた。




