悪意のある決闘 3
主人公を覚醒へと近づけて見ました。
少し、無理矢理な気がしています。なので少しずつですが修正していく予定です。
内容はこのままですので気にせず楽しんで下さい。
「さあ。これからが反撃の時間だ」
光は小さく笑みを浮かべた。そして、照彦を見据える。
「いよいよ、君の負けが決まる。そうすればあの人を救う事ができる」
再び言われた言葉。
光にはこの事だけが理解できないでいた。
そして、聞きたくなった。
「聞いてもいいですか。僕が負ける事でどうしてその人が救われるのですか」
「それを聞いてどうするのかね」
「僕は、癒世家から追放されて魔法華族の方々に迷惑をかけてはいないはずです。それに僕は追放されてから何もあなた方にはしていません。一体誰を僕が苦しめているのですか」
光は聞き返す。
しかし、その問いをしたことに後に後悔することになった。
「そんな嘘がよく言えたものだな。お前が誰の迷惑や苦しめていないと」
「どういう・・」
「神無月家」
「何?」
「この家がお前の後見人となった時、迷惑にならなかったと思わなかったかい?」
「!?」
その言葉に光はこの決闘でもっとも強大な衝撃を受けた。そして、聞きたくないと思った。
「お前という存在をかくまった事でどういう目にあったか考えた事はなかったか」
しかし、言われていく言葉。
「どうなんだ。言ってみろ」
「・・それは・・」
言い返せなかった。
「言えないだろ。お前はそういう人間なんだ」
照彦の言葉は光の耳に入らなかった。
自分の浅はかな考えに後悔していたからだ。
(何で考えなかったんだ。僕は、こんな事僕が一番に考えなくちゃいけない事じゃなかったか)
光は自分自身を罵倒した。
「負けなさい。そうすれば、神無月家は救う事ができる。そして、あなたの知り合いも皆が救われるのですよ」
照彦の言葉に光の心は動揺した。
負ければ、皆救われる。僕が負ける事で。
追い詰められている光にとっては悪魔の囁きだった。
このまま負ければ。
光はいつの間にか棒立ちになっていた。
一歩も動かす気にはなれないでいた。
「負けなさい。救うために」
(負ける。先輩達を救うために)
光は反撃をする気力を失っていた。
(そうだ。負ければ、全てが丸くおさまる。負ければ)
光はあきらめた。
『だめです!』
え。
突然、頭の中で響いた。
誰?
『だめです!あきらめたら!』
誰?あきらめたらだめって、なんだよ。僕が負ければ皆が救われるんだ!
『それがだめなんです!』
何でだ!
光は突然の声に叫んでいた。そして何故だか違和感を感じていなかった。
『確かに負ければ、負担がなくなり、楽になるでしょう』
だったらいいじゃないか。
『でも』
声は呟く。
『その人達はその事をどう思うでしょう』
再び光は衝撃を受けた。
『負ける事で。どう感じるでしょうか。どう思うでしょうか。』
それは・・。
『きっと。今までで一番悲しむと思います』
悲しむ。
『はい。絶対に』
その言葉を聞いた瞬間。光は自然とさっきまでが嘘であったかのように心が落ち着いていた。そして、さっきまでの葛藤がなくなっていた。
僕は。
『自分を信じて下さい。』
信じる。
『はい。私は信じています。いつも、見ていたのですから』
誰だかわからない声。
しかし、光はこの声に聞き覚えがあった。そして、温かさを感じた。
ありがとう。
光は礼を言った。
『勝利を祈っています。〝マスター〟』
その言葉を最後に光は現実に戻っていた。
視界が戻る。
目の前では照彦が止めの一撃を用意していた。
「負けろ!無能!」
魔力の弾が放たれた。
光は自然な動きでそれに蹴りを入れた。
爆発が起きる。
しかし、そこには。
普通に立つ、光の姿があった。
「負けるわけにはいかない。僕は、応えないといかないんだ」
静かに。
「ここからが」
沸き上がる。
「本当の反撃の時間だ」
力強く言葉を呟いた。
そこには何の迷いのない光の姿があった。
「調子に乗るなぁ!お前みたいな奴はやられていればいいんだぁ!」
照彦が怒りの形相で叫んでいた。
そして、再び攻めてきた。
無数に飛来してくる魔力の弾。
光はそれを
「何!」
拳と蹴りで受けとめた。
照彦は驚愕する。
そして、それ以上に驚く現象が起きていた。
「な・・なんだ・・・それ・は・・」
照彦はわなわなとしていた。
彼の目の前にはちょっとであったが光輝く光がいた。
今照彦が見ている現象に光自身も少し困惑していた。
(なんだろうこれ、力が内側から沸き上がるような。これってもしかして、魔力!?)
自分の変化を確かめる。
しかし、そんな事をしている余裕は無かった。
「お前が何をしようが私には勝てない」
顔を歪め、光を睨む。
槍の先に魔力が集束していく。
(ここが、勝負所だ)
光は構え直し、照彦を見据えた。




