悪意のある決闘2
照彦の先制。
その攻撃は素早く光に近づき右の拳による一撃だった。
光はそれをギリギリで避けた。
「さあ。貫き。我が道に勝利と栄光をもたらせ」
しかし、照彦が言葉を呟いた次の瞬間。
光の右脇腹に衝撃が走った。
そしてそのまま吹き飛ばされ地面に体を何回か叩きつけた。
「・・・ぐ・」
「へえ。立てるのかい。そのまま倒れていればいいのに」
周囲から歓声が起こる。
照彦は余裕の表情でいた。
そして、彼の手には一本の槍が握られていた。彼の性格を反映されているのかその槍は装飾が施されている。しかし、その槍から発されている魔力は本物で光は警戒を強めた。
「あーあ。折角の槍が、君のせいで汚れてしまったよ」
わざとらしくポケットから取り出したハンカチで槍を拭く。
「あんまり汚れているようには見えないけど?」
「あなたのような無能には見えない汚れですよ」
笑みを浮かべ槍を構える。
(しかし。人を見下してはいるけど強い)
光は照彦の実力に関心した。人を見下す彼の性格は正直嫌いであったがその実力は関心するものだ。
光は構える。
「さあ。這いつくばってもらうよ」
そう言うと照彦は槍の先に魔力を集中させる。
そして、魔力の弾が放たれた。
光は持ち前の反射神経で避ける。
「ははっ!さあ、落ちろ!」
次々と放たれていく。
しかし、光はそれを全て避ける。
そして、徐徐であったが照彦に近づいていた。
(よし。このままいければ)
光はそう考えた。
その考えはすぐに間違えであることを知る。
攻撃の一つを回避した瞬間。
「!」
光の右足に魔力の弾が直撃した。
足に激痛が走る。
その場に崩れる。
しかし、足の心配をする暇はなかった。
「どうしたんだい?休憩かい?」
照彦が追い打ちに放ってくる。
「く」
光はそれを避ける。光には照彦の攻撃を避ける事は簡単であった。例え足をやられても光はたかだか一撃で支障をきたすような鍛え方はしていなかった。
再び、攻撃を回避していく。
しかし。
「がっ、」
また一撃を受けた。
(なんだ!?今の一撃は、他のとは威力、速度が違う)
光は再び受けた一撃に疑問を感じていた。
それからも同じように避けている途中で必ずといっていい程の一撃を受けた。
そして。
「さあ。早く、無能らしく敗北にもらおう!」
口調は優勢なのか少し興奮していた。
光は気にせず回避することに集中する。
回避し続けていく。
何発目かを避けた瞬間、鋭い一撃が入った。
「ぐっ!」
今度のは今までより威力があったため後方にまで飛ばされた。
ダメージは大きく、立ち上がった光はゼェゼェと息を吐いていた。
そして、これまで受け蓄積されてきたのもさらに光を追い込む。
しかし。
光の表情は明るく、そして、笑っていた。
「ようやく。解った。この一撃のカラクリが…」
そして、小さく呟いた。
「さあ。ここからが反撃の時間だ」
光は笑みを浮かべ照彦を見据えるのであった。




