悪意のある決闘1
少し短かったので少し付け足しました。
それから、高坂照彦との決闘はスムーズに進んでいった。相手が魔法華族のせいであったためだ。
光は改めて権力、もとい家柄というものの力を知った。
「光君に魔法華族の印象を台無しにされたくないわ」
光の表情で読んだのか香苗は不機嫌に不満をもらした。
「いえ。僕は別に、そういう風には」
「でも、似たような事思ったでしょう」
「そ、それは」
歯切れが悪かった。
「やっぱり」
香苗はため息をはいた。
「すいません」
「いいのよ。魔法華族の出の生徒がでしゃばるのはよくある事だから」
魔法華族の生徒はその才能と家柄で図にのっている者が数多かった。
「だから、光君。思いっきり、あいつをやっつけてきてね」
香苗の声援に光は笑顔で返し、決闘の場へとむかっていった。
「さてと、」
光を見送った香苗は笑顔から真剣な表情に変わる。
「こっちも始めるとしましょうか」
誰もいない廊下の場で香苗の声は低かったが大きく響いていた。そして、その表情は何かに対して強い怒りを抱いていた。
「よくやって来ましたね」
照彦が上から目線な口調で呟く。
「逃げる理由がないので」
照彦の態度を気にせず光は答える。
「そうですよね。あなたはどうあっても逃げるという選択などないのですから」
彼の言葉に光はため息をつきたくなった。しかし、変な行動を起こさないために堪えた。
「まあ。いいでしょう。これであなたをあの方から遠ざけ、救う事ができる」
照彦の言葉に光は疑問を感じた。
「あの方を救う?」
誰だろう?一体?
「ええ。でも、それが誰なのか知ることはないのです。何故なら…」
言葉を切る。
「あなたがここから去るからです」
その言葉とともに決闘開始の合図が告げられた。
照彦は一気に地を蹴り光に接近していった。




