少女達の思いと決闘と…
「なあ。あいつ、何だってんだよ」
さっきの事に健太は、不満と怒りを吐いていた。
「まあ、仕方ないよ。こういう事態は、」
光は、何でもない、というふうに言った。
「でもよ。あんなの理不尽ってもんだ。一種のいじめだ」
「僕にとってはよくあった事だから気にしないよ」
苦笑する。
「光」
健太は、そんな光を何とも言えない表情で見ていた。
そんな彼に
「僕だって、そう簡単には、やられないよ」
光は笑顔で言うのであった。
「多分。そいつ。高坂 照彦ね」
香苗がその名前を口にした。
「知っているんですか」
「魔法華族の一つ、高坂家の息子の一人よ」
「一人?」
「うん。その上にお兄さんがいて、それとお姉さんもいるんだよ」
香苗の内容を明里が補足する。
「でも、あいつは、駄目だ」
茜がバッサリと言った。
「駄目?」
「照彦は、上の兄、姉と違ってあまりよくないの」
放課後。
いつものように神無月家に来た光は今日の出来事を教えた。
すると香苗もその事を知っていた。
何でも、光達と別れた後に彼らが決闘に関しても魔法院中にばらまいたらしいのだ。
そして、照彦は、魔法華族の
「自分が卑怯な手を使いBランクを負かした落ちこぼれを退治して敵を打つ」などと言っていたらしかった。
「もうわけわかんない!」
香苗は、不機嫌に言う。
「先輩が怒ることないじゃないですか」
「もう!光君は!」
「僕にとっては、こういった事はよくあった事だったので大したことないんですよ」
「光君。私は、あなたの事は、スゴいって思う。」
香苗は、真剣な表情で言う。
「魔力がないのに努力をして、私を倒してしまう程になって。そして、こんな理不尽を今まで受けてきて鍛えられたその精神力。どれも普通の人ならできない事だわ」
「でも・・」
言葉をきる。
「あなたは、背負い込み過ぎる」
香苗は、光に告げる。
光はその言葉に面食らった。
「光君は、大丈夫って言うけど、光君に今必要なのは、誰かを頼ること、なのだと思うわ」
香苗は言った。そして、思う。これが本当に彼に必要なことなのかはわからない。けれど、香苗は、後からここにくるはずであろう姉妹と話をした結果、至った考えであった。
私は、彼の力になりたい。
これは、香苗、いや、もう二人の思いであった。
「ありがとうございます」
そんな気持ちを知らない光は、礼を言った。
「でも、僕は、大丈夫です」
そう言うのであった。




