悪意のある決闘
自分でも、主人公の状態に困ってきたので、無理矢理な形で進めようと思っています。
今は、この展開を楽しんでください。
すいません。
「お兄ちゃん!本当に大丈夫!」
「お、落ち着いて。明里。大丈夫だって」
愛くるしい顔を今にでも号泣寸前の彼女に光は慌てた。
「でも、本当に大丈夫なの?光君?」
香苗は、信じられない、という表情で聞いてきた。
「はい。何とも」
光はそう答える。
「しかし。本当に、大丈夫なら。お前の体、一体どうなっているんだ?」
茜は二人とは違って不思議そうな表情を浮かべていた。
「でも、不思議よね。薬を入れられたのに今では〝何ともない〟なんて」
香苗の言うことに光は同感だった。
あの後、光は三人に助けられ治療するために再び神無月邸に戻ったのであった。そして、いざ、治療にはいろうとしたが光の体は健康体そのものだった。
まるで神無月邸までの間に体内にまわっていた薬が消えてしまったようだ。
「自然治癒にしては異常な速度ね」
「日々の稽古で鍛えられてきたからじゃあないですか?」
「それだったら私も同じような体になっているだろ」
茜に否定される。
「まあ。この話し置いといて。まず、第一に誰が光君を襲ったかよ」
話題を変えるように香苗が切り出した。
全員が真剣になる。さっきまで泣き顔だった明里もだった。
そして
「誰がお兄ちゃんを・・」
今では、怒りの闘志を燃やしていた。
「考えられるのは、私達の家」
「いや。それはない。なんせ、風戸の奴の件で満足していたからな」
「じゃあ。残るは、」
「僕は、魔法院の生徒じゃあないか。と思っています」
光は断言するように言った。
三人は驚いた顔で光を見た。
「僕は、戦ってみて、あまり苦戦しなかったんですよ。まるで、石巻さんを相手したような感じでした。それに・・・」
そう言ってポケットからさっき拾ったのを見せた。
「お兄ちゃん。これ」
「そう。魔法院のバッジだよ」
光が拾ったのは、魔法院のバッジだった。
「これなら犯人達は正体が分かったも同然ね」
香苗は、嬉しそうに言った。
何故なら。魔法院のバッジは、生徒が入学した時に渡されそれは一つしかないのだ。
「明日。このバッジを購入する奴がいればそいつが犯人の一人だわ」
香苗の言葉に光達も頷いた。
「待ってなさい。必ずや、そいつらを水没させてやるんだから」
そう言って再び闘志を燃やす明里に光達は苦笑するのだった。
そして、襲撃があった後、光達は、次に備えと香苗の家の車で送ってもらった。
しかし。明日。今日の襲撃が違う形で現れるなど光達は思ってもみないのだった。
そして、この出来事が光の変化にさらなる拍車をかける事になるなど誰も想像すらしていなかった。
次の日。
「君が夜宵 光か」
突然、光の前に現れ、言った。
「決闘してもらおう。そして、この魔法院から消えてもらおう」
話は、この出来事から数時間前になる。
光は、健太と一緒に食堂にきていた。そして、彼らとは、そこで会った。
「君が、夜宵 光かい」
突然、声をかけてきた。
そこには整った顔立ちで高貴な出だ、と分かる雰囲気を持った男子生徒だった。
「はい。そうですが」
光は、この人が誰なのか知らなかった。
「君。何で、いるのかな」
突然の言葉に光は、彼の言った事が理解できなかった。
「おい。お前、それどういう意味だ」
健太は、光より早く理解したのか相手に突っかかっていた。
「意味って。そのままさ。何で、何の力もないくずがいるんだってことさ」
男子生徒は、言葉の内容とは逆に優雅に言う。
「何言っているんだ。お前は」
健太は、怒りを露にする。
「すいませんが、僕も力がないことには自覚しています。しかし、僕は、正式にここに入っています。何か問題でもありますか?」
ようやく理解した光は健太を止めて言う。
しかし。男子生徒は、光の言葉が不服だったのか明らかに侮蔑する表情をした。
「あなたは、今いのは、自分の実力だと思っているんですか?」
「どういう意味ですか?」
「あなたは、神無月、という家の名を盾に生き残っている。愚か者だと言っているんですよ」
明らかな侮蔑。
「事実なので反論のしようもありません」
しかし。これまでの経験で光にとっては、痛みにすらならなかった。
「君は、自分が何を言っているのか分かっているのか」
侮蔑から怒りが伝わるような口調で言ってくる。
(意外と短気なのか?この人)
「まあいい。君には決闘を受けてもらおう。そして、消えてもらおう。一言言わせてもらうがこれは、絶体だ。覚えていたまえ」
光をよそにそう言うとその場を去るのであった。
そして、食堂では今のやり取りを見て聞いていた生徒達がざわざわと言い合っていた。
また、始まるのか。
光は、これから先を考え、ため息をつくのだった。
とある場所。とある一室。
真っ黒というべき、室内では、二人の人物が話をしていた。
「どうだ」
「は、この前、発見された遺跡はまず間違いないようです」
男の言葉にたんたんと告げる。
「そうか。近いか」
「はい。それが現れるのは、」
「ふふ。それが現れるのが楽しみだな」
男は、暗闇の中で笑うのだった。




