新たな、兆候
光は目をさまし辺りを見回した。
「また、ここか」
そして、光はとくに驚くのでもなく小さく息を吐いた。
光がいる所は自分の部屋でもない場所。
石造りの祭壇の前で立っていた。
ここは光の夢の中だ。
しかし夢にしてはあまりにも鮮明で現実的な世界でもあった。
光も最初の頃は驚いていたが人間、繰り返せば慣れるもので光も今では当たり前にと思うようになっていた。これが、異常な現象でも。
「いつもこの祭壇なんだな」
光は祭壇を眺めながらボソリと呟く。
祭壇は、何かを奉るために置く台座があり古代の装飾が彫られていた。そして何かの文字が彫られていた。
光はこのような夢を見るようになってからこの祭壇を眺めたり調べるようになっていた。しかし、光は考古学などの知識はないため辺りを眺めたりするだけであった。
今日も同じように祭壇を眺めていると視線を感じた。
光は背後を振り返った。
「・・・女の子?・・・・」
そこには一人の少女がいた。
純白ともいえる白い髪。幼さな顔立ちで青空のような瞳が一層際立たせていた。
光はその少女を唖然と見ていた。
少女はそんな光の反応を見て、クスッと笑った。
「君は、」
「もうすぐです」
「え」
突然の少女の声と言葉に光は自分が言いたいことをそがれてしまった。
その声の透き通るような声に光は自然と耳を傾けていた。
「もうすぐでわかります」
少女は静かに告げる。
「わかるって、何が」
「もうすぐです」
光の問いに少女はただそう返すだけ。
「な、何がなんだ!?」
光は聞き出そうと少女に近づこうとした。
その瞬間、少女の体がひかりだした。
光は、そのひかりに呑まれながら意識を失っていった。
「まっ、待って!はっ!また目が覚めた・・・か」
光は、視界に入った部屋の天井を見てボソッと呟いた。
そして、時間を確認する。
「そうか。こんな時間なのか」
光はそう言うと急いで学校に行く仕度を始めた。
光は現在、学校の寮で生活している。後見人となった神無月から家に住んでもいいと言われたが光は、断った。しかし、弟子になり神無月の家で稽古を受けているため泊まる事は多いため住ませて貰おうかと最近では考えるようになっている。
「いっそ、言葉にあまえようかな?」
光はそんな事を呟きながら朝食を作っていた。
寮は、基本、部屋に台所があり、自給ができるようになっていた。
そのため、光は自分で調理していた。元々、癒世家で家事をしていて料理が得意であった。なので、光は、テキパキと調理をして数分後には小さいテーブルに朝食が用意されていた。
光は、用意した朝食を食べながら部屋に置いてあるテレビをつけた。
出てきた画面にはちょうどニュースが流れていた。
画面の右上の端に
『新たな発見!魔法文明の遺跡!』
と出ていた。
現場には、発掘する作業を者が何人かが動いていた。
光は、その映像を普通に見ていた。
しかし、画面が遺跡のある洞窟の入り口が出た。瞬間。
「ああぁ!?!?」
突然、頭に激痛が走った。
まるで、内部に直接、電撃をくらったかのような激痛を。
「う・・・・く、な、んだ・・」
両手で頭を抑えながら光は激痛に耐えた。
そして、激痛と供に光の頭の中には一つのビジョンが浮かんでいた。
それは、光が夢の中でいる遺跡で一人の男か女かわからない人が黒い〝何か〟と闘っている様子であった。そして、ビジョンはそこで消えた。
その後、激痛は、何もなかったかのように消えた。
「今のは、一体、何なんだ」
光はその場で荒い息を吐きながら汗で濡れた手の平を眺めているのだった。




