保健室での会話
「で、僕は、負けてここに運ばれたということですか」
「ええ」
神無月は、光の言葉に頷いた。
「じゃあ、僕は、これで学院を退学ですね」
光は、そう言った。
今回の決闘で光の成績に止めが入ったのは確実となった。そして、何より相手の風戸がそして、癒世家からも絶対に圧力を掛けてくる可能性が高かった。さらに、癒世家からも明日とも言わずに家を追放するであろう。
「これで終わりかあ」
光は、力なく言った。そして、その顔はどこか悲しんでいた。
その様子を見ていた神無月は、光に近づいた。
そして、こう言った。
「いいえ。まだよ」
「まだ?」
光は、聞き返した。
「ええ」
彼女は、肯定する。
光は、神無月の言っている事が理解できなかった。
「あなたは、退学なんてしないわ」
「退学しない?」
「そうよ」
「それは、一体」
「簡単な理由だとあの決闘には、〝不正〟があったからよ」
不正という言葉に光は思うところがあった。
風戸が、仲間にさせた光に飲ませた痺れ薬の事だ。
「あなたの体を治療した担当医があなたから薬品の反応が出たのよ」
やっぱり。出たんだ、本当に。
光は、内心で思った。
「どうやら、心当たりがあるようね」
光の様子から神無月も、納得するように苦笑した。
「それでどうなるんですか。その事は」
「残念だけど、不正の事は、無理ね」
「そうですか」
光は、少し残念と思った。しかし、こうなる事は、分かっていた。
相手にそれを言ってもやった事の証拠がない。そして、例えやったとしても揉み消されるのが目に見えていたからだ。
彼女は話した。不正が出たために今回の決闘はなかった事になったらしい。
話しを聞いた光は、自分の退学が無くなった事に関しては、正直、嬉しかった。
「さて、話は、まとまったし、次の事について話ましょう」
「次の事」
「あなたの今後」
「!」
「あなたが、癒世家を追い出されるのは確実。そのために今後、どうするかを話ましょう」
「・・・今後・・・」
光は、今後については、正直、よく分かっていなかった。そして、あてもなかった。
「僕は、どうすれば」
「じゃあ、そこから話し合いましょうか」
途方に暮れる光に神無月は、笑顔で言うのであった。
それからの光は、色々な事に手を焼くのだった。




